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本採用拒否の正しい進め方——判断時期から通知書交付までの実務手順
本採用拒否の正しい進め方。試用期間=解約権留保付労働契約(三菱樹脂事件・最大判昭和48年12月12日民集27巻11号1536頁)、入社14日超で30日予告(労基法20条・21条但書)、意思表示は期間内に確定的に(日本オラクル事件・東京地判令和3年11月12日労経速2478号18頁)。期待水準の文書化→記録→満了1か月前判断→通知書交付の4手順。
エアコンが壊れたのに大家が直さない——修繕義務と賃料の当然減額
賃貸物の使用収益に必要な修繕は、原則として貸主の義務です(民法606条)。2020年改正で、一部滅失等により使用収益できない場合は賃料が「当然に減額」されることが明文化(611条)。借主側・貸主側の実務。
自社の従業員が加害者に——取引先・店舗へのカスハラと会社の対応・懲戒
自社従業員がカスハラ加害者になった場合を解説。業務中の加害行為への使用者責任(民法715条)と懲戒、私生活上の行為の懲戒の限界(企業秩序との関連・信用毀損の要素)、被害企業からの照会への対応手順(聴取→自社調査→謝罪・担当変更・懲戒検討)、対外接触部門の研修と優越的地位の濫用・中小受託取引適正化法(旧下請法)のリスクまで。
従業員がカスハラでメンタル不調に——労災認定基準と会社の責任
カスハラによる精神障害の労災認定を解説。2023年9月1日改正適用の認定基準で具体的出来事に「顧客や取引先、施設利用者等から著しい迷惑行為を受けた」が追加。心理的負荷の強・中・弱の判断(治療を要する暴行や執拗な反復=強、単発=中)、会社が把握して対応しなければ「中」が「強」になる規定、安全配慮義務(労契法5条)と甲府地判平成30年11月13日労判1202号95頁、会社の対応記録の重要性まで。
「失踪が怖いから会社がパスポートを保管」——2025年東京高裁:違法
同意書があっても違法。パスポートの会社保管には刑罰もあり、2025年の東京高裁は「生命に次ぐ重要な物」として賠償を命じました。
従業員・退職者によるデータ持ち出し対策
従業員・退職者によるデータ持ち出し対策を解説。営業秘密侵害罪(不正競争防止法21条・秘密管理性等3要件)、個人情報データベース等不正提供罪(個人情報保護法179条・法人両罰1億円=184条)、秘密保持義務違反の損害賠償と差止め(不競法3条)、懲戒・退職金の処理、不正目的類型としての漏えい報告義務、アクセス権限・ログ・退職時手続・委託先監督(25条)の予防策まで。
土下座要求・謝罪文・念書——謝罪要求型カスハラの線引きと刑事責任
謝罪要求型カスハラを解説。道義的謝罪と法的責任承認の区別、書面謝罪・念書の原則拒否とやむを得ず出す場合の限定の仕方、土下座強要の強要罪(刑法223条)・脅迫罪(222条)・恐喝罪(249条)・威力業務妨害罪(234条)、土下座姿の投稿による名誉毀損罪、常連客の暴言・謝罪強要を不法行為とし慰謝料10万円を維持した東京地判平成28年11月10日(判例集未登載)まで。
「有休って何ですか」——外国人従業員への年休制度の正しい説明方法
外国人への年休制度の説明を解説。労基法39条の発生要件(6か月・8割出勤)と付与日数、年5日の時季指定義務(39条7項)、時季変更権の限界、買上げ原則禁止と退職時精算、不利益取扱いの禁止(附則136条)、母国の制度との違いでトラブルになりやすい点の説明方法まで。
裁判まではしたくない——「民事調停」:費用は訴訟の半分、簡易裁判所で話し合いの解決
民事調停は簡易裁判所での話し合いの手続で、手数料は訴訟の約半分。成立した調停調書は確定判決と同一の効力を持ち(民事調停法16条)、強制執行もできます。不成立でも1か月以内の提訴で申立時に訴えたものとみなされます(19条)。向く紛争・向かない紛争を解説。
「主治医がもう働けると言っている」——復職判断は診断書1枚で決めてはいけない
うつ病休職者が主治医の「復職可」診断書を持ってきた。片山組事件(最一小判平成10年4月9日労判736号15頁)の基準、会社指定医の受診命令、リハビリ出勤——復職判断の実務。
カスハラ客への取引拒絶・出入禁止の法律構成
カスハラ客への取引拒絶・出入禁止を解説。契約自由の原則(民法521条)による単発取引の拒絶、2023年12月施行の改正旅館業法5条による迷惑客の宿泊拒否、医療の応招義務の例外、継続的契約の信頼関係破壊構成とハラスメント解除条項、記録→警告→出入禁止通知→建造物侵入・不退去罪(刑法130条)・仮処分の段取り、不当差別との区別まで。
資本金はいくらにすべきか——1円でも設立できるが、すべきではない
資本金の決め方を解説。経営管理ビザの基準が2025年10月16日施行の改正で資本金3,000万円以上+常勤職員1名以上に強化されたこと、資本金1,000万円未満の新設法人の消費税免税(インボイス登録なら実益縮小)、会社法445条の資本金計上ルール、見せ金の違法性、信用・融資審査から見た適正水準まで。
【裁判例特集】令和以降「本採用拒否が有効」とされた裁判例5選——試用期間の解雇が通る共通点
令和以降に本採用拒否が「有効」とされた裁判例3選。ヤマダコーポレーション事件(東京地判令和元年9月18日労経速2405号3頁)・日本オラクル事件(東京地判令和3年11月12日労経速2478号18頁)・柏書房事件(さいたま地判令和4年4月19日労経速2494号24頁)ほか5件——通る事案の共通点は期待水準の明確化+具体的記録+指導後も改善なし。
ネットに悪評を書かれた・店内撮影を投稿された——ネット型カスハラへの法的対抗手段
ネット型カスハラへの法的対抗手段を解説。証拠化(スクショ・URL・日時)、虚偽投稿への名誉毀損罪(刑法230条)・偽計業務妨害罪(233条)・民事の損害賠償と削除請求、発信者情報開示命令手続(2022年10月施行)とログ保存期間約3〜6か月の時間制約、店内撮影への肖像権に基づく中止要求、謝罪動画は絶対に撮らせないこと、「ネットに上げるぞ」の脅迫罪・恐喝罪該当性まで。
ハンコを押す前の5分チェック——中小企業の契約書レビューの基本
契約書レビューの基本を解説。契約自由の原則(民法521条)、契約不適合責任(562条以下・566条の通知期間)、中途解約条項、損害賠償の上限・免責条項、合意管轄、印紙税(電子契約は不課税)、相手方ひな形への修正交渉まで。
慶弔休暇・特別休暇の設計の自由と落とし穴——「慣例」は権利になる
慶弔休暇・特別休暇を解説。法定外の任意制度で有給無給・日数は会社の設計次第だが、設ければ就業規則の記載事項(労基法89条)になり平等運用が必要なこと、長年の運用が労使慣行として契約内容になり一方的廃止ができなくなること、パート有期法8条の均衡待遇まで。
年休を取ると皆勤手当カット——沼津交通事件と不利益取扱いの限界
年休取得と皆勤手当カットを解説。労基法附則136条の性質と公序良俗(民法90条)による無効の二段構造、沼津交通事件・最二小判平成5年6月25日民集47巻6号4585頁(少額の皆勤手当減額は有効)と日本シェーリング事件・最一小判平成元年12月14日民集43巻12号1895頁(賃上げ除外は無効)の対比、賞与・考課への連動の危険性まで。
カスハラの現場対応——正当クレームとの線引きと手順
カスハラの現場対応を解説。要求内容の妥当性×手段態様の相当性の2軸(厚労省マニュアル)、正当クレームとの線引き、複数対応・交代基準・時間上限・録音等の手順化、謝罪の限定、警察通報の線(不退去罪=刑法130条・威力業務妨害罪=刑法234条)、面談強要禁止の仮処分、安全配慮義務(労契法5条)と甲府地判平成30年11月13日労判1202号95頁まで。
社会保険の適用拡大——51人以上から段階的撤廃へ
社会保険の適用拡大を解説。短時間労働者の現行要件(週20時間・月8.8万円・2か月超・学生除外・51人以上=2024年10月〜)、2025年6月成立の年金制度改正法による企業規模要件の段階的撤廃(2027年以降)と賃金要件撤廃の方向、「106万円の壁」と手取り・保障の説明実務、未加入の遡及徴収リスク、対応チェックリストまで。
「解雇理由証明書をください」と言われたら——会社の書き方がその後の戦局を決める
解雇理由証明書の請求(労基法22条)は従業員が解雇を争うシグナル。会社は遅滞なく交付する義務があり(罰金あり)、記載は就業規則の条文+具体的事実(基発45号)。書かなかった理由の事後追加は信用されず、抽象的な記載は弱点の自白になる——交付前の総点検と書き方の実務を会社側視点で解説。
育休復帰当日の内勤への配転は無効・慰謝料20万円——固定残業代と就業規則変更は有効(東京地判令和8年2月18日)
パナソニックリビング事件(東京地判令和8年2月18日労経速2624号3頁)の判例紹介。育休復帰当日の外勤営業職から内勤職への配転命令を、育介法10条の趣旨から業務上の必要性が不利益(外勤手当月5万3220円の不支給)を相当程度上回る必要があるとして無効と判断、慰謝料20万円。他方、3か月後の定期異動は有効、外勤手当の固定残業代該当性も肯定、固定残業代廃止の就業規則変更も合理性ありと判断。経営者への教訓付き。
組織再編と労働契約の行方——合併・会社分割・事業譲渡で、従業員はついていくのか
組織再編と労働契約の帰趨を解説。合併=包括承継(個別同意不要)、会社分割=労働契約承継法(5条協議・異議申出)、事業譲渡=特定承継(民法625条の個別同意)という三類型の違い、選別排除のリスク、再編前の労働債務の棚卸しまで。
指導とパワハラの境界線——叱るべきときに違法にならずに叱る方法
パワハラ3要件=優越的関係+業務上必要かつ相当な範囲超過+就業環境侵害(労働施策総合推進法30条の2)。指針(令和2年厚労省告示第5号)は適正な業務指導の非該当を明示。境界基準:人格でなく事柄を叱る・時間場所の相当性・改善とセット・執拗さの回避(下関商業高校事件・最一小判昭和55年7月10日労判345号20頁参照)。指導記録が会社の防御証拠。
カスハラ対策の義務化(2026年10月1日施行)
2025年6月成立の改正労働施策総合推進法によるカスハラ対策義務化(2026年10月1日施行)を解説。法律上のカスハラ概念(顧客・取引の相手方等の言動・就業環境を害する)、措置義務の中身(方針明確化・相談体制・被害者配慮・手順整備)、助言指導勧告・企業名公表の履行確保、東京都カスハラ防止条例(2025年4月1日施行)等の条例先行、就活等セクハラ対策の同時義務化まで。
給料をPayPayで受け取る?——「賃金デジタル払い」の条件と拒否する権利
2023年解禁の賃金デジタル払い(労基法施行規則7条の2)。厚労大臣指定の資金移動業者限定・上限100万円・労使協定+本人同意が必要です。本人同意は必須で、会社は強制できません。破綻時は保証機関が全額保護。
事業廃止・撤退と解雇——「会社を畳むのだから」でも省略できない手続
事業廃止・撤退と解雇を解説。全部廃業では解雇の必要性が認められやすいが説明・解雇予告等の手続は必要なこと、偽装廃業の解雇無効リスク、部分撤退は整理解雇法理の完全適用(配転可能性の検討必須)、未払賃金立替払制度まで。
技人国ビザの従業員に現場作業をさせてよいか——在留資格と業務内容のズレ
技人国ビザで従事できるのは専門的業務のみ。レジ・ライン作業等の単純労働を恒常的にさせると資格外活動となり、会社は不法就労助長罪(入管法73条の2)のリスク。確認手順を解説。
カスハラ対策義務化への実装——基本方針・相談窓口・対応マニュアル・研修の作り方
カスハラ対策義務化(改正労働施策総合推進法・2026年10月1日施行)への実装編。基本方針の社内宣言と対外公表、相談窓口の設計(既存ハラスメント窓口との兼用可・外部委託可)、対応マニュアルの核心としての交代基準(時間上限・複数対応・本部エスカレーション)、記録様式の統一、研修の柱、被害従業員のケアと安全配慮義務(労契法5条)まで。
懲戒処分を社内公表してよいか——処分公表の法的リスク
懲戒処分の社内公表は、やり方を誤ると名誉毀損・プライバシー侵害で会社が損害賠償責任を負う。匿名・目的・範囲の3つの限定と就業規則の規定。
従業員が開発した技術・書いたプログラムは誰のものか——職務発明と職務著作
職務発明と職務著作を解説。特許を受ける権利の原始従業員帰属と無償の通常実施権(特許法35条1項)、平成27年改正の原始使用者帰属(35条3項)、相当の利益(35条4項)と差額請求(最三小判平成15年4月22日民集57巻4号477頁)、職務著作(著作権法15条)と外注時の著作権譲渡条項まで。
家賃は上げられる——借地借家法32条の「賃料増減額請求権」
借地借家法32条の賃料増減額請求は内容証明で行使した時から効果。不増額特約は有効、不減額特約は普通借家では無効。協議→調停→訴訟の流れ。
個人データ漏えいの損害賠償——判例と相場
個人データ漏えいの損害賠償を解説。個人情報のプライバシー保護(早稲田大学名簿事件・最二小判平成15年9月12日民集57巻8号973頁)、二次被害不明でも精神的損害の審理を要するとしたベネッセ事件(最二小判平成29年10月23日判時2351号7頁)、宇治市事件(大阪高判平成13年12月25日判自265号17頁=1人1万円+弁護士費用5,000円)、1人数千円〜数万円の分布と件数の乗法、対応費用・役員責任まで。
解雇通知書の書き方と交付方法——この一枚が訴訟の攻防範囲を決める
解雇通知書の必記4項目:解雇日・解雇の種類・就業規則の根拠条項・具体的理由。懲戒解雇では処分時に認識しなかった事由の事後追加は原則不可(山口観光事件・最一小判平成8年9月26日労判708号31頁)。交付は手渡し+受領記録、不出社なら内容証明+配達証明(民法97条1項)。解雇理由証明書は労基法22条。
家族を日本に呼びたい——「家族滞在」で呼べる人・呼べない人
家族滞在で呼べるのは扶養する配偶者と子だけ——親は対象外。COE申請の流れと扶養能力の審査、週28時間のアルバイト上限(超過は資格外活動罪)。親を呼ぶ現実的選択肢は短期滞在・老親扶養の特定活動・高度専門職の特例。
火災保険で「地震」はカバーされるか——されません。地震保険の仕組みと借主が入るべき保険
地震による損害(地震火災含む)は火災保険では出ない——地震保険の付帯が必要(地震保険法。上限は火災保険金額の50%)。借主に必要なのは家財保険+借家人賠償責任特約。隣家からの延焼は失火責任法で賠償請求できないから自衛するしかない。
懲戒解雇と失業保険——「重責解雇」の給付制限
懲戒解雇と失業保険を解説。重責解雇の給付制限3か月(雇用保険法33条1項・2025年4月の自己都合1か月短縮後も維持)、給付日数の一般離職者扱い、離職票4Dへの異議申立てとハローワークの認定権、解雇予告除外認定(労基法20条)との区別、仮給付を使った地位確認訴訟の並行まで。
障害のある社員への合理的配慮義務——会社に何を求められるか
障害のある社員への合理的配慮義務を解説。障害者雇用促進法の差別禁止(34条・35条)と合理的配慮提供義務(36条の2以下)、手帳の有無が絶対条件でないこと、過重な負担による免除の限界、本人の申出から始まる建設的対話のプロセス、法定雇用率2.5%(2026年7月から2.7%予定)、2024年4月の障害者差別解消法改正まで。
個人データ漏えい時の初動対応——報告・通知義務
個人データ漏えい時の初動対応を解説。個人情報保護委員会への報告・本人通知義務(個人情報保護法26条)、報告対象4類型(要配慮・財産的被害・不正目的=2024年4月からおそれ段階含む・1,000人超)、速報(概ね3〜5日)と確報(30日・不正目的60日)、証拠保全・委託元への報告義務の波及、命令違反の刑事罰と公表、平時の手順書・保険・演習まで。
個人でも出せる内容証明——貸金の催告・解約通知の正式な一手
個人向けの内容証明の出し方を解説。差出の事実と文面の証明+配達証明による到達の証拠化、催告による時効の完成猶予6か月(民法150条)等の法的効果、字数制限・同文3通・e内容証明、事実・請求・期限の三原則による書き方、その後の少額訴訟等への接続まで。
試用期間の評価と記録の付け方——本採用可否を決める3か月の取扱説明書
本採用拒否の勝負は試用期間「中」の記録で決まる。採用時の評価基準文書化→2週間〜1か月ごとの定期面談→問題行動の即日記録→指導と改善追跡→満了1か月前の判断(労基法20条・21条但書、日本オラクル事件・東京地判令和3年11月12日労経速2478号18頁)。延長には就業規則の根拠規定が必要。
能力不足解雇はなぜ難しいか——セガ・エンタープライゼス事件の基準
能力不足解雇の高いハードルを解説。セガ・エンタープライゼス事件(東京地決平成11年10月15日労判770号34頁)の枠組み(著しい能力不足の客観的立証・改善機会の付与・配転等の回避努力)、相対評価下位は理由にならないこと、地位特定の中途採用の例外、PIPの適正利用と濫用まで。
飲み会でのセクハラ発言・誹謗中傷・口裏合わせ——外資金融の懲戒解雇が有効とされた例(東京地判令和8年2月26日)
モルガン・スタンレー・グループ事件(東京地判令和8年2月26日労経速2622号3頁)の判例紹介。飲み会での「今日ヤレるかな」発言と拒否する後輩女性への自宅前までの同行(職場外だがセクハラ該当)、誹謗中傷の繰り返し(報復の意味合い)、口外禁止命令違反と口裏合わせ(労働契約上の調査協力義務違反)による懲戒解雇を有効と判断。2度の書面警告・年俸1750万〜2300万円の職責・反省の欠如が相当性を支えた。経営者への教訓付き。
「歩合給に残業代込み」は通用しない——歩合制・出来高払いの残業代
タクシー・運送業・営業職に多い歩合給。「残業代込み」は高知県観光事件(最判平6.6.13)で否定。歩合部分にも0.25倍の割増が必要(労基則19条1項6号)。計算方法と会社の対策。
退職後の傷病手当金——「継続給付」の条件
退職後の傷病手当金(継続給付)を解説。退職日まで1年以上の被保険者期間+退職時に受給中か受給し得る状態という要件(健康保険法104条)、退職日に出勤すると全部失う落とし穴、2022年改正の支給期間通算化、失業保険との同時受給不可と受給期間延長申請、任意継続・国保の選択まで。
敗訴額が2倍になる——残業代訴訟の「付加金」とは
裁判所は未払割増賃金・解雇予告手当などと同額の「付加金」の支払いを命じることができます(労基法114条)——敗訴すれば支払額は最大2倍。訴訟に限られ(労働審判では不可)、判決前に本体を支払えば回避できます。和解判断の重要要素です。
外国人の役員就任——「経営・管理」と「技人国」の分かれ目
外国人の役員就任時の在留資格を解説。肩書でなく活動実態で「経営・管理」か技人国かが決まること、技術担当役員の技人国維持の余地、2025年10月16日施行の経営・管理の基準省令厳格化(資本金3,000万円・常勤職員1名・日本語能力・経験等)、変更申請は就任前が原則、企業内転勤資格では役員就任不可の注意まで。
外国人従業員のメンタルヘルス——異文化ストレスは安全配慮義務の対象です
外国人社員のメンタルヘルスを解説。言語・文化の壁と孤立によるストレス要因、安全配慮義務(労契法5条)と過重労働の予見可能性(電通事件・最二小判平成12年3月24日民集54巻3号1155頁)、ストレスチェックの多言語対応、産業医面談・休職制度の説明、精神障害の労災認定基準まで。
解雇前の最終チェックリスト——ボタンを押す前に通すべき8つの関門
解雇前の8項目チェックリスト。実体面:証拠化・指導と改善機会・解雇回避措置・弁明(労働契約法16条)。手続面:解雇制限期間(労基法19条)・30日予告(20条)・解雇理由証明書(22条)。戦略面:合意退職(退職勧奨)との比較。敗訴の代償は復職+バックペイ。
源泉徴収票の見方——4つの数字が読めれば十分
源泉徴収票の見方を解説。支払金額・給与所得控除後の金額・所得控除の額の合計額・源泉徴収税額という4つの数字の意味、国外居住親族の記載と乙欄の意味、退職時の交付義務(所得税法226条)、在留資格更新・賃貸審査・確定申告での使い方と再発行請求まで。
台湾から料理人を呼びたい——「技能」ビザの実務経験10年と在職証明の信憑性審査
台湾・中華料理人を招聘する在留資格「技能」を解説。基準省令1号の実務経験10年以上(外国の教育機関での専攻期間含む)、在職証明書の信憑性審査(発行店の実在性照会・年齢との整合性・虚偽証明の致命的リスク)、専門料理店としての店側の実態要件、日本人と同等以上の報酬、転職時の就労資格証明書(入管法19条の2)まで。
役員の解任と損害賠償——会社法339条の「正当な理由」
取締役の解任を解説。株主総会の普通決議でいつでも解任できること(会社法339条1項)、正当な理由のない解任の損害賠償(339条2項・残任期の報酬相当額)、任期10年設計の賠償リスク、少数株主による解任の訴え(会社法854条)、監査役の解任は特別決議(343条4項)であることまで。
退職間際の有休一括消化——会社は拒めるか
退職前の有休一括消化は原則拒めない——時季変更権は退職日を超えて行使できない。引継ぎとの調整方法と、退職時に限った買上げの可否。
「特定技能」制度入門——1号と2号の違いと受入企業の義務
人手不足産業で外国人を雇う主要ルート「特定技能」。1号は通算5年・家族帯同不可・支援義務あり、2号は更新無制限・家族帯同可。受入企業の義務とコストの全体像。
【最新判例】出資者が手を引き診療所開設が白紙——医師の内定取消で契約期間全額572万円の支払命令(医療法人社団紫穏会事件)
医療法人社団紫穏会事件(東京地判令和8年1月8日労経速2621号3頁)の判例紹介。出資予定2億円の撤回によるクリニック開設中止を理由とする医師の内定取消しを整理解雇の4要素で審査し、解雇回避努力不足(代替提案は取消し6日後・本人照会が契機・賃金約73%)と手続の妥当性欠如から無効と判断。民法536条2項により契約期間全額572万円+年14.6%の遅延損害金。経営者への教訓付き。
賞与にも社会保険料がかかる——賞与支払届・上限・退職月の賞与、経営者の盲点整理
賞与の社会保険料を解説。年3回以下の支給の賞与は標準賞与額(千円未満切捨)×料率を労使折半、支給日から5日以内の賞与支払届、上限(健保は年度累計573万円・厚年は1か月150万円)、資格喪失月に支給した賞与は原則保険料がかからないこと(月末退職を除く)、雇用保険料は賞与にもかかることまで。
この期間は絶対に解雇できない——労基法19条の解雇制限期間と3つの例外
労基法19条の解雇制限:業務上傷病の療養休業+30日間・産前産後休業+30日間は懲戒解雇も禁止。例外は①打切補償(平均賃金1200日分・労基法81条)②療養開始3年経過時の傷病補償年金受給によるみなし(労災保険法19条、専修大学事件・最二小判平成27年6月8日民集69巻4号1047頁)③天災事変。例外該当でも労契法16条の審査は残る。
2026年度の東京の最低賃金は時給1,280円——違反の罰則とチェック方法
2026年度の最低賃金は東京1,280円・全国加重平均1,177円(10月発効)。月給制は通勤手当・家族手当・固定残業代を除いて換算チェック。違反は50万円以下の罰金。
外国人従業員への社宅提供——「無料の寮」は税と社会保険では「給与」です
社宅提供と課税を解説。賃貸料相当額の算式(所得税基本通達36-41)と50%以上負担での非課税、無償提供は現物給与として源泉徴収、現金の住宅手当は全額課税、社会保険は厚労大臣告示の現物給与価額で別計算、寮費控除の労使協定(労基法24条)まで。
出張旅費規程の作り方——日当は非課税にできる。ただし規程がなければ給与課税
出張旅費規程を解説。日当の非課税の根拠(所得税法9条1項4号・基本通達9-3)、規程の整備と全員公平運用が条件であること、規程に定めるべき事項と日当の相場観、社会保険の報酬にも算入されないこと、課税される典型パターンまで。
留学生アルバイトの雇用——「週28時間」は絶対のレッドライン
留学生バイトは資格外活動許可+週28時間が絶対の上限。掛け持ちは通算され、超過すれば本人は在留資格を失い、雇う側は不法就労助長罪。
和解の口外禁止条項——設計と限界
和解の口外禁止条項を解説。標準文言と例外(配偶者・税理士・弁護士)・双務性・SNS投稿禁止と既存投稿削除条項、違反時の損害立証の困難と違約金条項の設計、当事者の意思に反する調停条項化を国賠法上違法とした裁判例(長崎地判令和2年12月1日労判1240号35頁)、条項は抑止力にとどまるという経営判断まで。
資本金が揃う前でも日本で起業できる——スタートアップビザ(外国人起業活動促進事業)
スタートアップビザを解説。外国人起業活動促進事業・国家戦略特区による自治体の創業計画確認→特定活動(6か月〜最長1〜2年)、経営・管理ビザ要件(2025年10月から資本金3,000万円等)充足までの猶予として機能、自治体別の条件差と期間内に達成できない場合のリスクまで。
懲戒解雇なら解雇予告手当は不要か——「除外認定」の制度と実務の現実
懲戒解雇でも解雇予告手当は原則必要。免除には労基署長の除外認定(労基法20条1項但書・3項)——基準は昭和23年11月11日基発1637号・昭和31年3月1日基発111号(横領、重大な経歴詐称、2週間以上の無断欠勤で督促に応じない等)。認定は日数がかかり事後申請不可の署もあるため、実務は予告手当を払って即時解雇が多い。
隣の木の枝が越境してきた——2023年民法改正で自分で切れるようになった
隣地から越境する枝は、2023年民法改正により催告後・所有者不明・急迫時には自分で切除できます(民法233条)。実務の手順と費用の扱い。
台湾から招聘した人材のCOEが不交付に——在留資格認定証明書の流れと敗因分析
海外からの人材招聘の第一関門が在留資格認定証明書(COE・入管法7条の2)です。標準フロー・審査期間(1〜3か月)・不交付の主な原因(業務と資格の不一致・会社の規模と必要性・立証不足)と再申請での改善方法。不交付に不服申立制度はなく、再申請が唯一の道です。
台湾本社から日本子会社への出向——在留資格「企業内転勤」の要件と落とし穴
台湾本社から日本子会社への駐在に使う在留資格「企業内転勤」を解説。転勤直前1年以上の技人国範囲業務への従事(基準省令)、学歴不問(技人国との違い)、日本人と同等以上の報酬、親子・関連会社間の出向は「転勤」に含まれるが資本関係のない転籍は不可、在留期間5年・3年・1年・3月、家族滞在の帯同まで。
定年後再雇用でどこまで賃金を下げられるか——長澤運輸事件
定年後再雇用の賃下げ自体は許容されるが、手当ごとに不合理性を個別検討(長澤運輸事件・最判平30.6.1)。精勤手当の差は違法とされた。制度設計のポイント。
採用面接で「聞いてはいけない質問」——本籍・家族・宗教・結婚出産の予定は、聞いた時点でリスク
採用面接で聞いてはいけない質問を解説。採用の自由(三菱樹脂事件・最大判昭48.12.12民集27巻11号1536頁)の限界、職安法5条の5の収集制限と公正採用選考(本籍・家族・思想信条・支持政党等)、均等法5条(婚姻・出産予定の質問)、行政指導・企業名公表リスクと面接官教育まで。
特定技能の「協議会」とは——2024年6月15日から「申請前」加入へ、準備は3か月前から
特定技能の分野別協議会への加入義務を解説。2024年6月15日から初回受入れ企業は在留諸申請「前」の加入が必須(旧制度は受入れ後4か月以内)となり、申請時に加入証明を添付。分野ごとの手続差(製造業分野は経産省審査、建設分野は会費・受入負担金)、未加入の帰結(不許可・受入れ不可)、3か月前準備の目安まで。
【最新判例】初めての就業規則で定年制を導入——67歳社員「4か月後に定年」は無効(スコットプランニング事件)
スコットプランニング事件(東京地判令和8年1月28日労経速2620号3頁)の判例紹介。就業規則の新設による定年制導入に労契法10条を類推適用し、施行時67歳・65歳の兄弟従業員を短期間で退職させる定年制を無効と判断。過半数代表者選出の瑕疵、意見提出期間約1週間、退職させる意図の推認、口頭の減給合意の否定(具体的資料の不提示)まで。経営者への教訓付き。
注意書・指導書の書き方——将来の懲戒・解雇を支える文書、必須の5要素
注意書・指導書の必須5要素:①具体的事実②就業規則の根拠条項③求める改善行動④期限⑤交付記録(署名拒否でも交付経過の記録で足りる)。注意指導は懲戒処分ではないため弁明手続不要・反復可能。「注意→改善なし」の積み重ねが懲戒(労契法15条)・解雇(16条)・本採用拒否すべての土台。
休職制度の設計——就業規則の休職条項の作り方
休職制度の設計を解説。法定外制度ゆえの設計自由と解雇猶予機能、期間満了=自然退職の出口設計、断続欠勤の通算・同一類似傷病の期間通算条項、復職要件の「治癒」と配置可能な他業務の検討(片山組事件・最一小判平成10年4月9日労判736号15頁)、主治医と産業医の意見の扱い、試し出勤、無給と社会保険料徴収まで。
中小企業にも義務——パワハラ「相談窓口」の設置義務と敗訴リスク
パワハラ相談窓口の設置は中小企業含む全事業主の法的義務(労働施策総合推進法30条の2)。相談放置で会社の責任が認められた裁判例と窓口設計。
「合意退職」と「辞職」の法的な違い——離職理由・争い方・お金が全部違う
合意退職と辞職の違いを解説。退職日の調整・引継ぎ・有休消化は合意退職が柔軟なこと、失業保険の離職理由(自己都合の給付制限は2025年4月から原則1か月に短縮)、退職合意書にサインする前の注意点まで。
慶弔見舞金規程——非課税の範囲・賃金該当性・平等運用の三つの論点
慶弔見舞金規程を解説。社会通念上相当額の範囲の非課税、規程で支給条件を定めた場合の賃金該当性、パート・有期への均衡待遇(パート有期法8条)、死亡弔慰金の受取人指定が固有の権利となり相続紛争を避けられることまで。
転勤命令を拒否された——配転命令の3つの限界
転勤命令の拒否にどう対応するか。東亜ペイント事件(最二小判昭和61年7月14日労判477号6頁)の3つの限界と、2024年から義務化された「変更の範囲」の明示。
子どもが学校でいじめられている——いじめ防止対策推進法が保護者に与える武器
いじめ防止対策推進法(2013年):学校には調査義務があり(23条)、「重大事態」(28条:不登校30日目安など)では第三者調査委員会が設置されます。記録→担任→校長・教育委員会(書面)→重大事態の申告という親の行動手順と、加害者側への損害賠償(民法714条)を解説。
社員が突然の音信不通・無断欠勤——手紙一通では解雇できない。「公示送達」と自然退職条項
音信不通社員への解雇は意思表示の到達が必要(民法97条1項)。行方不明なら簡裁への公示送達(民法98条・掲示+官報掲載から2週間で到達みなし・98条3項の過失に注意)+30日予告(労基法20条)で2〜3か月コース。実際的な対策は就業規則の自然退職条項(無断欠勤14日・所在不明30日等)の事前整備。
裁量労働制の落とし穴——「それっぽい仕事」は対象業務ではない。2024年からは本人同意も必要
裁量労働制を解説。専門業務型(労基法38条の3・対象19業務)と企画業務型(38条の4・労使委員会5分の4決議)、2024年4月からの本人同意・同意撤回規定の義務化、対象外業務への適用は全部無効で実時間の残業代が発生すること、深夜・休日割増は別途必要なことまで。
外国人アルバイトの源泉徴収——居住者・非居住者の判定と20.42%の分かれ目
外国人アルバイトの源泉徴収を解説。居住者・非居住者の判定(1年以上の居住予定で入国→居住者)、居住者は甲欄・乙欄+年末調整・勤労学生控除、非居住者は一律20.42%の源泉分離課税(所得税法212条・213条)、租税条約の学生条項は国ごとに異なり租税条約に関する届出書の事前提出が必要、源泉漏れの納付義務は雇用主(221条)である点まで。
36協定の特別条項——「忙しいときは無制限に残業できる」はとっくに過去の話。上限と罰則を全解説
36協定の特別条項と上限規制を解説。原則月45時間・年360時間、特別条項でも年720時間・単月100時間未満(休日労働含む)・2〜6か月平均80時間以内・月45時間超は年6回以内という絶対上限、違反の罰則(労基法119条・6か月以下の拘禁刑等)、2024年の猶予業種の終了まで。
「業務委託」は本当に委託か——労働者性の判断基準
業務委託の労働者性を解説。昭和60年労基研報告の判断枠組み(諾否の自由・指揮監督・時間場所の拘束・代替性・報酬の労務対償性+事業者性等の補強要素)、横浜南労基署長(旭紙業)事件・最一小判平成8年11月28日労判714号14頁、認定時の残業代・労災・解雇規制の遡及適用、フリーランス法との関係まで。
社員が社用車で事故——修理費を全額請求はできません
社用車事故の修理費を社員に全額請求はできません。最高裁(茨城石炭商事事件・最一小判昭和51年7月8日民集30巻7号689頁)は4分の1のみ認容。賠償予定の禁止と保険整備の実務。
「協調性がない」社員への対応——抽象評価は無力、会社がやるべき4つのこと
「協調性がない」は印象であって事実ではない。①日付・場面・言動・影響への具体化②書面注意指導③改善機会と記録④配転検討——解雇は最終手段(労働契約法16条)。中途採用管理職の協調性欠如で試用期間中の解雇が有効とされた例:ヤマダコーポレーション事件(東京地判令和元年9月18日労経速2405号3頁)。
従業員37.5人以上で障害者雇用義務——2026年7月から法定雇用率2.7%
2026年7月から民間企業の法定雇用率は2.7%、対象は常用労働者37.5人以上に拡大。納付金(不足1人月5万円)・報告義務・企業名公表の仕組みと実務の進め方。
未払残業代を遡って払うときの税金・社会保険
未払残業代の遡及払いの税・社会保険を解説。収入すべき時期は本来の支給日=各年分への遡及帰属(源泉税の再計算・徴収票訂正)、退職関連の和解解決金の退職所得整理の余地、標準報酬月額の遡及訂正と保険料追徴(本人負担分の徴収設計)、労働保険料の修正、簡便処理の限界と事前確認チェックリストまで。
子どもが熱を出した——「子の看護等休暇」:年5日・時間単位・理由も拡大
子の看護等休暇(育介法16条の2)を解説。2025年4月改正で小学3年生まで拡大・入園式等も対象化・勤続6か月要件廃止、時間単位取得、無給でもよい点まで。
特定技能の支援計画——義務的支援10項目は一つも欠かせません
特定技能1号の支援計画10項目を解説。事前ガイダンス、出入国時の送迎、住居確保・生活に必要な契約支援、生活オリエンテーション、公的手続への同行、日本語学習機会の提供、相談・苦情対応、日本人との交流促進、転職支援、定期面談・行政機関への通報(入管法2条の5・19条の22)と自社支援・登録支援機関委託の選択まで。
人事評価が明らかに不公平——査定は法律で争えるか
人事評価への不服を法的に争えるかを解説。使用者の裁量とその限界(マナック事件)、評価制度の不合理な運用・差別的評価が違法となる場合、証拠の残し方まで。
発信者情報開示請求——2022年10月からの新制度と時間との勝負
発信者情報開示請求を解説。令和3年改正プロバイダ責任制限法(2022年10月施行)の発信者情報開示命令(非訟手続・提供命令・消去禁止命令)、権利侵害の明白性と正当理由の要件、ログ保存期間3〜6か月という時間制限、特定後の損害賠償と名誉毀損罪(刑法230条)・侮辱罪(231条・2022年7月法定刑引上げ)の告訴まで。
【裁判例紹介】休職中のバイク・馬券・飲酒は懲戒できるか——マガジンハウス事件(東京地判平成20年3月10日労経速2000号26頁)
うつ病休職中のバイク・馬券・飲酒・旅行は懲戒事由に該当しない。マガジンハウス事件(東京地判平成20年3月10日労経速2000号26頁)——問責できるのは主治医の指導に反する行動のみ。
契約社員も5年で「無期雇用」になれる——無期転換ルール(労契法18条)
有期契約が通算5年を超えると無期転換申込権が発生(労契法18条)——会社は拒否できない。変わるのは契約期間だけで労働条件は従前のまま。クーリング6か月と転換逃れ雇止めのリスク。
ダブルワークの社会保険・雇用保険——両方加入か、片方だけか
ダブルワークの社会保険・雇用保険を解説。健康保険・厚生年金の会社ごとの加入判定と二以上事業所勤務届・保険料按分、雇用保険は主たる賃金の一方のみ・65歳以上のマルチジョブホルダー制度(2022年〜)、労災の複数就業先賃金合算と負荷の総合評価(2020年改正)、年末調整・住民税の注意まで。
解雇が難しい日本での現実解——退職勧奨の正しい進め方と禁句
解雇が難しい日本の現実解は退職勧奨。ただし「応じなければ解雇」は禁句で、退職強要は高額賠償に。正しい流れ・相場・合意書のポイント。
転職先から「退職証明書」を求められた——会社には交付義務がある(労基法22条)、しかも勝手なことは書けない
退職証明書の交付義務(労基法22条)を解説。記載事項は請求したものに限る(3項)、ブラックリストの禁止(4項)、解雇予告期間中の解雇理由証明書による理由の固定、入管手続での活用まで。
購買担当が仕入先からキックバック——背任・横領の線引きと、会社が金を取り戻す方法
仕入先キックバックを解説。背任罪(刑法247条)・業務上横領罪(253条)・特別背任罪(会社法960条)の構成、業者側の共犯可能性、本人への損害賠償(差額累計・不当得利)と業者への共同不法行為責任(民法719条)、仮差押えの急所、購買データ分析→証拠固定→業者協力→本人面談→処分・告訴の調査順序、相見積・ローテーション等の予防策まで。
スポットワーク(スキマバイト)と労働法——アプリ1タップで労働契約が成立する
スポットワーク(スキマバイト)と労働法を解説。応募成立時の労働契約成立と掲載企業の使用者責任、1日だけでも全部適用される労基法・最低賃金・労災、直前キャンセルと休業手当、掲載内容との相違による即時解除(労基法15条2項)、反復就労時の年休・社会保険、税・扶養の管理まで。
【裁判例紹介】無断で深夜6時間の兼業、本業に支障——解雇有効・小川建設事件(東京地決昭和57年11月19日労判397号30頁)
無断で毎晩6時間のキャバレー兼業は解雇有効。小川建設事件(東京地決昭和57年11月19日労判397号30頁)——兼業は原則自由だが、本業への支障が限界線。副業規定設計の原点判例。
入居者が室内で亡くなったら——大家がしてはいけないこと・請求できるお金
入居者が亡くなっても賃貸借は終了せず相続人に承継。遺品の無断処分は違法(自力救済禁止)。病死自体は原状回復義務違反ではありません。
在日台湾人の遺言と相続——準拠法は台湾法、しかし手続は日本で
台湾人の相続の準拠法は台湾法(法の適用に関する通則法36条)——配偶者と子は原則均分で日本法と違う。しかし登記・銀行手続は日本。公正証書遺言(検認不要)が在日資産には最強。台湾法の特留分にも注意。
給与明細の「社宅費」「親睦会費」——天引きが合法になる条件:24条協定
社宅費・親睦会費などの賃金控除が適法となる条件(労基法24条ただし書の労使協定)を解説。協定なしの天引きは全額払い原則違反、控除できる項目の限界まで。
「取締役」の肩書を付ければ残業代は不要か——名ばかり取締役の労働者性
「取締役」の肩書を付けても実態が労働者なら労働法が適用され、残業代・解雇規制の対象になる。名ばかり取締役の判断基準と、本当に役員にする場合の手続。
制服代は自腹?——費用負担のルールと「給料から天引き」の条件
制服費用の負担ルールを解説。労働者負担には明示(労基法15条)と就業規則記載(89条5号)が必要、天引きには24条協定、着脱時間は労働時間(三菱重工長崎造船所事件)、違約金の禁止(16条)まで。
NDA(秘密保持契約)の実務——「結んだのに使えない」を防ぐ
NDA(秘密保持契約)の実務を解説。「一切の情報」式定義の執行困難と包括定義+表示要件の実務解、標準的例外条項、営業秘密(不正競争防止法2条6項)の秘密管理性はNDAだけでは満たされないこと、損害立証の困難と違約金条項(民法420条)、差止めの二本立て、締結管理の基本まで。
【古典判例】事件から7年後の懲戒処分は無効——懲戒は時機を失するな・ネスレ日本事件(最二小判平成18年10月6日労判925号11頁)
事件から7年後の諭旨退職処分は無効。ネスレ日本事件(最二小判平成18年10月6日労判925号11頁)——目撃者がいれば刑事の結果を待つ理由はなく、不起訴後の重い処分は通常の対応ではない。懲戒はスピード。
「上の階がうるさい」と入居者からクレーム——大家の義務はどこまでか
騒音クレームは「入居者同士の問題」では済みません。大家の使用収益させる義務と防止義務を認めた裁判例、受忍限度、解除までの実務対応。
中小受託取引適正化法(旧下請法)——2026年1月施行の要点
中小受託取引適正化法(旧下請法・2026年1月1日施行)を解説。従業員数基準(製造委託等300人・役務委託等100人)の追加による減資逃れの封じ込め、特定運送委託の対象化、手形払いの禁止、一方的代金決定の禁止の明文化、発注書面・60日以内支払等の基本義務、勧告・公表と下請かけこみ寺まで。
自転車の違反も反則金——2026年4月スタートの「青切符」制度
2026年4月1日施行の改正道路交通法で、16歳以上の自転車違反に青切符(反則金)制度がスタート。ながらスマホ12,000円・信号無視6,000円など。酒気帯び運転は刑事処罰(3年以下の拘禁刑)。罰金前科は在留審査にも影響し得ます。
入居者が室内で亡くなった——告知義務の範囲と「事故物件」の国交省ガイドライン
国交省「人の死の告知に関するガイドライン」(2021年):自然死・日常生活の中での不慮の死は原則告知不要。他殺・自殺・特殊清掃を伴う死は賃貸で約3年の告知、売買は期間無限定です。隣接住戸の扱い、聞かれたら答える義務、大家の損害賠償の裁判例の傾向も解説。
帰国前に忘れずに——年金の「脱退一時金」
帰国する台湾人が見落としがちな年金の脱退一時金。出国後2年以内・上限8年分(2026年4月から)、源泉税20.42%の還付手続まで——取り戻す手順を解説。
自分のマンションで民泊をしたい——「年180日」ルール
無届の民泊は旅館業法違反の犯罪。民泊新法の届出制と年180日ルール、管理規約・賃貸物件での可否、条例の上乗せ規制を整理。
【裁判例紹介】研修も指導もせず、退職を迫り長期自宅待機の末の解雇は無効——エース損害保険事件(東京地決平成13年8月10日労判820号74頁)
研修も指導もせず退職を迫り、13回の自宅待機の末の解雇は無効。エース損害保険事件(東京地決平成13年8月10日労判820号74頁)——「能力不足」を会社が作り出した事案への厳しい評価。
警察に呼び止められたら——在留カードは必ず見せるべきか、拒否するとどうなるか
職務質問自体は任意(警察官職務執行法2条)だが、在留カードの携帯・提示は義務(入管法23条)。不携帯は20万円以下の罰金、提示拒否は1年以下の拘禁刑。カード以外の所持品検査は同意が原則。正しい対応の仕方。
様子がおかしい従業員がいる——メンタル不調への会社の正しい対応順序(受診勧奨・休職・労災・記録)
従業員のメンタル不調は安全配慮義務(労契法5条)に直結する経営問題——放置が最大のリスク。①面談・受診勧奨と記録②労働時間・ハラスメントの確認(履行の証拠)③私傷病か労災か(労災なら労基法19条の解雇制限・認定基準は基発0901第2号)④休職発令と規定の確認⑤復職判断(片山組事件)の順に、会社の対応を解説。
永住申請中の転職・転居——審査期間中の注意
永住申請中の転職・転居の影響を解説。永住審査は申請時+処分時の事情で判断されること、転職による収入・職務の変化と審査への影響、申請中の届出(所属機関・住居地)、転職のタイミングの実務的整理(許可まで待つのが無難)、審査期間中の長期出国の注意まで。
外国人従業員が逮捕された——「連絡が取れない」は無断欠勤ではありません
外国人社員が逮捕された場合の対応を解説。逮捕48時間→送検24時間→勾留10日+延長10日の流れ、当番弁護士制度(1回無料)、推定無罪と安易な解雇の危険、起訴休職制度の活用、有罪確定時の在留への影響(退去強制事由)、家族・入管対応まで。
合併後の労働条件統一——二つの就業規則が併存する状態の整理方法
合併後の労働条件統一を解説。包括承継で二つの就業規則が併存すること、引下げ側への統一は不利益変更(労契法10条)となること、大曲市農協事件(最三小判昭63.2.16民集42巻2号60頁)の示す必要性と相当性、経過措置・調整給の設計と手続まで。
自宅待機命令と賃金——3つの類型で答えが変わる
自宅待機命令と賃金を解説。①調査目的=有効だが賃金全額(民法536条2項)②懲戒の出勤停止=規則根拠・手続必要で無給可③経営上の休業=休業手当6割(労基法26条)の三類型、調査名目の長期放置・無給運用の違法性、待機中の義務の範囲、双方の動き方まで。
【古典裁判例】整理解雇法理の源流——東洋酸素事件(東京高判昭和54年10月29日労民集30巻5号1002頁)
整理解雇法理の源流。東洋酸素事件(東京高判昭和54年10月29日労民集30巻5号1002頁)——部門閉鎖の必要性・配転の余地・人選の客観的合理性という判断枠組みと、のちの整理解雇4要件への発展。
安全教育を「やった」のに伝わっていない——言語の壁こそ労災の源です
外国人への安全衛生教育を解説。雇入れ時教育(安衛法59条)は理解できる言語・方法で行う義務があること、厚労省の多言語教材・視聴覚教材の活用、理解確認(テスト・復唱)の記録化、健康診断(66条)の受診案内の多言語化、労災発生時に教育不十分が安全配慮義務違反とされるリスクまで。
従業員退職時の住民税処理——一括徴収義務・普通徴収切替・外国人帰国者の注意点
従業員退職時の住民税処理を解説。1月1日〜4月30日退職は最後の給与・退職金からの一括徴収義務、6月1日〜12月31日退職は普通徴収切替か本人申出による一括徴収、給与所得者異動届出書は翌月10日まで、外国人帰国者の納税管理人まで。
賞与(ボーナス)はなぜこんなに引かれるのか——源泉税の計算と「残業代に賞与を含めない」理由
賞与の源泉税率は「前月の給与」で決まり、社会保険は標準賞与額(健保年573万円・厚生年金月150万円上限)で徴収。手取りは約8割。年末調整で精算されるので払いすぎは戻る。賞与を割増賃金の基礎から除外できる法的根拠も解説。
内定を出した後に取り消せるか——内定取消しの法律リスク
採用内定で労働契約は成立する(大日本印刷事件・最判昭54.7.20)。内定取消しは解雇であり、内定当時知り得なかった事実で客観的に合理的な場合に限られる。
分譲マンションを買うと自動加入——管理組合・管理費・修繕積立金と総会の基本
マンション管理組合と修繕積立金を解説。区分所有法3条による当然加入、管理費・積立金滞納への先取特権(7条)と買主への承継(8条)、普通決議・特別決議4分の3・建替え決議5分の4という決議要件、海外在住オーナーの議決権行使・連絡窓口・民泊規約の確認まで。
外国人を雇う会社が一度は読むべき「外国人雇用管理指針」と雇用状況届出義務
厚労省「外国人雇用管理指針」(労働施策総合推進法に基づく)と外国人雇用状況届出義務(同法28条・怠ると30万円以下の罰金)を解説。募集・採用から労働条件明示(母国語配慮)、安全衛生教育、解雇時の配慮、常時10人以上で雇用労務責任者の選任まで、外国人を雇う会社の基本書として。
【裁判例紹介】試用期間中の解雇が有効とされた例——日本基礎技術事件(大阪高判平成24年2月10日労判1045号5頁)
試用期間中の解雇が有効とされた例。日本基礎技術事件(大阪高判平成24年2月10日労判1045号5頁)——現場での危険行為と度重なる指示違反、再三の指導でも改善なし。分水嶺は事由の重大性+指導記録。
「まず観光ビザで来て数日試しに働いてもらおう」——その一言が犯罪です
短期滞在での就労が違法であることを解説。短期滞在は就労不可(報酬を受ける活動の禁止)、資格外活動罪(入管法70条・73条)と雇う側の不法就労助長罪(73条の2・2025年6月から5年以下の拘禁刑・500万円以下の罰金)、「視察・研修」名目の危険性、正規のCOE(在留資格認定証明書)ルートまで。
ドライバー・看護師・調理師の復職判断——「職種限定」の従業員は基準が全く違う
職種限定労働者の復職判断を解説。片山組事件(最一小判平成10年4月9日労判736号15頁)の他業務配置可能性の検討義務は職種不限定が前提であること、職種限定なら復職基準は従前業務の遂行可否に戻ること、限定の認定要素(契約文言・採用経緯・従事実態)、2024年4月からの「変更の範囲」明示義務の証拠性、任意の代替職務提供と検討記録まで。
社長の急死——会社に起きることと直ちにすべきこと
社長急死時の実務を解説。株式の準共有と権利行使者の指定(会社法106条・持分価格の過半数)、代表取締役の補選、取締役ゼロ時の一時取締役選任申立て(346条2項)、口座凍結・代表印の承継、経営者保証債務の相続と相続放棄(民法915条)の両難、遺言・保険・株式集中などの生前対策まで。
社長の給料は自由に変えられない——役員報酬の「定期同額給与」ルール
役員給与を損金にできるのは定期同額給与・事前確定届出給与など限定された類型だけです(法人税法34条)。期中の増額や役員賞与は損金不算入に。改定は事業年度開始から3か月以内に株主総会決議で(会社法361条)。経営管理ビザの報酬設定の注意点も解説。
夜10時以降の仕事は一律25%増し——深夜労働のルール
深夜労働(22時〜5時)の25%割増(労基法37条4項)を解説。残業と深夜が重なると50%になる計算、18歳未満・妊産婦の深夜業制限、割増の基礎となる賃金まで。
復職前の「試し出勤」——賃金・労災・失敗したときの効果を、始める前に確認する
復職前の試し出勤(リハビリ出勤)を解説。法律上の制度ではなく会社ごとの任意制度であること、作業実態があれば賃金・最低賃金の問題が生じること(NHK名古屋放送局事件・名古屋高判平30.6.26労判1189号51頁)、片山組事件の復職判断基準との関係まで。
【裁判例紹介】試用期間「途中」の解雇は満了時より難しい——ニュース証券事件(東京高判平成21年9月15日労判991号153頁)
試用期間「途中」の解雇には「より一層高度の合理性と相当性」が必要。ニュース証券事件(東京高判平成21年9月15日労判991号153頁)——評価期間を自ら打ち切る解雇は満了時より難しい。
内部通報と公益通報者保護法——2025年改正で「通報者捜し」が禁止に
内部通報と公益通報者保護法を解説。通報を理由とする解雇の無効・不利益取扱いの禁止、3つの通報ルート(内部・行政・外部)の保護要件、301人以上の体制整備義務、令和7年(2025年)改正による解雇・懲戒への刑事罰と通報者探索の禁止(2026年施行予定)、通報前の証拠確保まで。
有休は半日だけ・2時間だけ取れるか——半日有休と時間単位有休の制度の違い
半日単位・時間単位の有休を解説。半日有休は法律上の制度ではなく会社の任意制度、時間単位年休は労使協定が必要で年5日まで(労基法39条4項)、年5日取得義務のカウントとの関係、分単位は不可という点まで。
社内恋愛・社内不倫は処分できるか——私生活の自由と企業秩序
社内恋愛・社内不倫への処分を解説。恋愛は私生活上の自由で懲戒の対象外という原則、社内恋愛禁止規定の無効の疑義、処分できる例外(地位利用=対価型セクハラ・業務への具体的支障・利益相反)、配置転換による対応と人事権濫用の限界、配偶者からの慰謝料請求が懲戒とは別次元であることまで。
執行役員制度——会社法上の役員ではない。雇用型・委任型の区別と「解任」の落とし穴
執行役員制度を解説。会社法上の機関ではなく雇用型・委任型の区別が重要なこと、雇用型の「解任」は降職にすぎず退職させるには解雇法理が必要なこと、委任型でも実態による労働者性認定のリスク、制度設計と移行時の注意まで。
「このけがは健康保険で」は犯罪の入口——「労災かくし」の構造と対抗法
労災かくし(労働者死傷病報告の不提出・虚偽報告)を解説。安衛法100条・120条5号の犯罪であること、2025年1月から電子申請が義務化、健康保険での受診を求められたときの対応、労働者自身で労基署に労災申請できること(会社の協力は不要)まで。
「産業医」は誰の医者か——50人以上の会社が選任すべき医師にできること
50人以上の事業場で選任義務のある産業医(安衛法13条)の役割を解説。長時間労働者・高ストレス者の面接指導、職場巡視、勧告権、復職判断での産業医意見と主治医意見の関係まで。
【裁判例紹介】内々定の取消し——労働契約は不成立でも損害賠償——コーセーアールイー事件(福岡高判平成23年3月10日労判1020号82頁)
内々定の取消しは解雇ではないが無責任でもない。コーセーアールイー事件(福岡高判平成23年3月10日労判1020号82頁)——労働契約は不成立でも、内定式直前の取消しは信義則違反として損害賠償。
終業後の研修・勉強会・資格試験——どこまでが労働時間か
研修・勉強会・資格学習のどこまでが労働時間かを解説。義務的参加(明示・黙示)は労働時間、安全衛生教育は当然に労働時間・会社負担、持ち帰り課題、研修費用返還条項と労基法16条まで。
隣地との境界線が分からない——筆界特定制度と境界確定訴訟の使い分け
土地の「筆界」(公法上の境界)と「所有権界」(私法上)は別概念です。争いになったときの三つの道:筆界確認書(私的解決)、法務局の筆界特定制度(半年〜1年・相手の同意不要)、境界確定訴訟(確定判決)。越境物と時効取得の関係も解説。
日本の会社をたたみたい——解散・清算の手続・費用と「放置」のリスク
会社は放置しても消滅しません。株主総会の特別決議→清算人→官報公告2か月以上(会社法499条)→清算結了登記が正規の手順。放置すれば均等割(年約7万円)が課税され続けます。経営・管理ビザは3か月以上活動しないと取消し対象(入管法22条の4)。
主治医は「復職可」、産業医は「まだ無理」——復職判定は誰が決めるのか
復職可否の最終判断は会社にありますが、合理的根拠が必要です。主治医と産業医の意見が対立したとき、裁判例は業務内容の把握の有無を重視。片山組事件(最一小判平10.4.9労判736号15頁):より軽い他の業務に就ける場合、復職を簡単には否定できません。
内定辞退と内定者フォロー——学生は辞退できるのに、会社は取り消せない非対称
内定辞退と内定者フォローを解説。内定=始期付解約権留保付労働契約(大日本印刷事件・最二小判昭54.7.20民集33巻5号582頁)、会社の取消しは厳格だが学生の辞退は民法627条の2週間予告で自由という非対称、賠償請求の困難さ、内定者研修の参加強制不可まで。
課長から平社員へ、給料も減額——「降格」の法律
降格の法律を解説。役職を外す人事権行使と職能資格の引下げの区別、資格引下げには就業規則上の根拠が必要(アーク証券事件)、降格に伴う賃金減額の限界まで。
【古典判例】「グルーミーな印象」では内定取消しはできない——大日本印刷事件(最二小判昭和54年7月20日民集33巻5号582頁)
「グルーミーな印象」を理由とする内定取消しは解約権の濫用。大日本印刷事件(最二小判昭和54年7月20日民集33巻5号582頁)——内定=始期付解約権留保付労働契約、取消事由は内定当時知り得なかった事実に限る。
無期転換のクーリング期間——「6か月空けて再雇用すればリセット」の誤解とリスク
無期転換のクーリング期間を解説。通算5年超での申込権(労契法18条)、空白期間6か月以上でのリセットの正確なルール、「6か月空けて再雇用」の脱法認定リスク、申込権発生直前の雇止めの危険、経営者が取るべき正道まで。
賃貸管理を管理会社に任せる前に——賃貸住宅管理業法の基礎知識
賃貸管理を任せる前に知るべき賃貸住宅管理業法。登録業者の確認、重要事項説明、サブリースの「保証賃料も減額され得る」リスク。
退去時の原状回復——壁紙の経年劣化を借主に請求してはいけない
壁紙の経年劣化や家具の設置跡は貸主負担——民法621条で明文化。借主に請求できるのは通常損耗を超える汚損・毀損だけ。敷金精算の実務。
労使協定の種類一覧——届出が要るもの・要らないもの、1つ漏れればその制度は違法
労使協定の一覧を解説。過半数労働組合または過半数代表者と締結する書面協定で主たる効果は免罰効、労基署への届出が必要なもの(36協定〔届出が効力要件〕・1年単位変形・専門型裁量等)と不要なもの(24条の賃金控除協定・時間単位年休・計画年休等)、よくある不備まで。
テレワーク中の「中抜け」と労働時間
テレワーク中の「中抜け」を解説。指揮命令下の時間という労働時間の定義(三菱重工長崎造船所事件・最一小判平成12年3月9日民集54巻3号801頁)、厚労省ガイドラインが認める3つの処理(時間単位年休・終業繰下げ・休憩扱い)、無申告中抜けの懲戒リスク、事業場外みなし制の適用限界、会社側の規程3点セットまで。
在宅勤務の電気代・ネット代は誰が払う?——テレワークの労働時間管理と費用負担
在宅勤務にも労基法は適用され、労働時間の把握が必要です(厚労省テレワークガイドライン)。費用を労働者に負担させるには就業規則の定めが必要(労基法89条5号)。在宅勤務手当の課税と実費精算の非課税処理も解説。
タトゥーと日本の職場——採用拒否・服務規律・解雇の限界
タトゥーと職場を解説。採用段階での広い採用の自由(三菱樹脂事件・最大判昭和48年12月12日民集27巻11号1536頁)、就業中の被覆義務の有効性と単なる保有を理由とする解雇の無効方向、大阪市入れ墨調査を巡る議論、会社側は保有禁止でなく露出規制に限る設計が安全であることまで。
日本で退職した後の14日・20日の期限——もらう書類と保険の切替え
退職後は期限との勝負。国保14日・任意継続20日・年金14日、離職票と失業給付(2025年から給付制限1か月)——チェックリストで解説。
日本語ができなくても法律相談はできる——法テラスの外国語対応と民事法律扶助
法テラスの外国語対応を解説。多言語情報提供サービス(0570-078377・中国語対応)、資力基準を満たせば無料法律相談3回+弁護士費用立替えの民事法律扶助(適法在留の外国人も対象)、弁護士会・自治体・FRESCなど他の窓口、相談前の準備リストまで。
賃貸の「更新料」は合法か——最高裁判決と貸主・借主それぞれの実務
賃貸の更新料を解説。更新料条項は契約書に一義的・具体的に記載され賃料額等に照らし高額に過ぎない限り消費者契約法10条に反せず有効(最二小判平成23年7月15日民集65巻5号2269頁)、更新事務手数料との区別、法定更新時の請求には明記が必要なこと、借主・貸主双方の実務まで。
待遇を下げたい・制度を変えたい——就業規則の不利益変更は、手順を誤ると全部無効
就業規則の不利益変更を解説。労働者の同意なしの変更は合理性+周知が要件(労契法10条)、合理性の判断要素と第四銀行事件(最二小判平9.2.28民集51巻2号705頁)・みちのく銀行事件、個別同意を取る場合の山梨県民信用組合事件(最二小判平28.2.19民集70巻2号123頁)の注意点まで。
外国人社員の転職と就労資格証明書
外国人の転職と就労資格証明書を解説。在留資格は活動の資格=転職後の職務が資格範囲内かが本質、所属機関等の届出(入管法19条の16・14日以内)、就労資格証明書(入管法19条の2)の任意性と実益(職務適合性の事前確認・更新の円滑化)、受入側の在留カード確認と不法就労助長罪(入管法73条の2)まで。
「ひげ禁止・茶髪禁止」はどこまで許されるか——身だしなみ規制の限界
ひげ・髪色・服装の規制は、業務上の必要性があり合理的な範囲に限って有効(イースタン・エアポートモータース事件)。職種ごとの線引きと規定の作り方。
台湾人と日本人の結婚——手続の順序、氏、在留資格の変更
日本側は婚姻届(民法739条)+婚姻要件具備証明書、台湾側は結婚登記——両方必要。氏は自動では変わらない(戸籍法107条2項で変更可)。「日本人の配偶者等」への変更は婚姻の真実性と生計が審査される。偽装婚は5年以下の拘禁刑。
【裁判例紹介】PIPを3回やっても解雇無効——外資系通信社の能力不足解雇・ブルームバーグ事件(東京高判平成25年4月24日労判1074号75頁)
PIPを3回実施しても能力不足解雇は無効。ブルームバーグ・エル・ピー事件(東京高判平成25年4月24日労判1074号75頁)が示した4段階の判断枠組みと「外資基準」が排斥された理由。
上の階がうるさい・隣人の嫌がらせ——日本の近隣トラブル、法的に何ができるか
騒音が違法になるのは「受忍限度」を超えたとき(最二小判平成7年7月7日民集49巻7号1870頁の枠組み)。記録→管理会社→内容証明→調停→訴訟の順で。報復や自力救済は逆にあなたが加害者になります。
SNSで会社を批判・中傷する従業員への対応——処分は可能、ただし境界線がある
私生活上のSNS発信への懲戒は限定的。日本経済新聞社事件——HP全体の閉鎖命令は無効、問題箇所の特定が必要。会社がとれる現実的な対応策。
労基署への申告のしかた——労基法104条と報復の禁止
労基署への申告を解説。労基法104条1項の申告権と2項の報復禁止(刑事罰あり)、相談と申告の違い、受理後の臨検監督・是正勧告・書類送検の流れ、持参すべき証拠と未払額の自己計算、匿名申告の利弊、解雇の効力等の民事紛争は所管外であることまで。
台湾に里帰りしたら在留資格が消える?——みなし再入国許可の落とし穴
1年以内(特別永住者は2年)に再入国する出国なら再入国許可は原則不要です(みなし再入国許可・入管法26条の2)。ただし出国時のEDカードのチェック漏れ・1年超の未帰国・在留期限切れで在留資格は消滅し、海外からは延長できません。
保証会社の「追い出し条項」は最高裁で無効——家賃滞納でも許されない退去のさせ方
保証会社の追い出し条項を解説。無催告解除条項・明渡しみなし条項を消費者契約法10条により無効とした最一小判令和4年12月12日民集76巻7号1696頁、自力救済の禁止、催告→解除→明渡訴訟→強制執行という正規ルート、借主の反撃手段と貸主・保証会社の契約書改訂まで。
「過労死ライン」月80時間——超えたとき会社に何が起きるか
過労死ライン=発症前1か月100時間・2〜6か月平均80時間。電通事件(最二小判平12.3.24民集54巻3号1155頁)が確立した安全配慮義務と、36協定の絶対上限・医師面接指導など会社の予防義務。
「年俸制だから残業代はない」は誤解——年俸制導入前に経営者が知るべき3つのこと
年俸制の設計を解説。年俸制でも割増賃金の支払義務は免れないこと(高知県観光事件・最二小判平6.6.13労判653号12頁)、年俸に残業代を含める場合の明確区分(医療法人康心会事件・最二小判平29.7.7労判1168号49頁)、期中の一方的引下げ不可、賞与部分の扱いまで。
「親の介護で働けない」——辞める前に。介護休業93日と2025年の新義務
介護休業は対象家族1人につき通算93日・3分割可、給付67%。台湾にいる親も対象。2025年4月から介護の申出への個別周知・意向確認が会社の義務に。「介護で退職」の前に知るべき制度一覧。
昼休みに電話番・「忙しくて休憩が取れない」——休憩時間の三原則(労基法34条)
休憩時間の3原則(途中付与・一斉付与・自由利用。労基法34条)を解説。電話番をさせる「手待ち時間」との区別、昼休みの来客当番が労働時間となる理由、休憩が取れないときの対処まで。
通勤途中のケガも労災——通勤災害の「合理的な経路」ルール
通勤途中のケガは労災保険の通勤災害(労災保険法7条)。合理的な経路・方法での移動が要件で、逸脱・中断後は原則対象外——ただし日用品の購入・子の送迎などは経路復帰後に保護が復活。
希望退職募集の設計——違法な退職強要にしないために
希望退職募集は合意解約なので解雇規制の適用がなく、最もリスクの低い人員削減手段。割増退職金・対象範囲・承諾制の設計と、違法な退職強要との境界線。
「追い出し部屋」の違法性——仕事を与えない配転は権利濫用
「追い出し部屋」の違法性を解説。配転命令権濫用の枠組み(東亜ペイント事件・最二小判昭和61年7月14日労判477号6頁)、退職勧奨拒否後の出向命令を無効としたリコー事件(東京地判平成25年11月12日労判1085号19頁)、パワハラ「過小な要求」該当、退職届を書かない重要性、会社側の三重リスクまで。
「外国人だから」は通用しない——日本の労働法は外国人従業員にも全部適用
日本国内で働く限り、国籍を問わず日本の労働法が全部適用。労基法3条は国籍による差別を罰則付きで禁止。台湾人が台湾人を雇っても同じです。
職場のストレスでうつ病に——精神障害の労災認定と解雇制限
うつ病・適応障害も労災になる——心理的負荷による精神障害の認定基準(2023年改正でカスハラ追加)。会社の同意なしで申請可。認定されると療養中+30日の解雇禁止(労基法19条)という強力な保護。
レジの金・倉庫の商品が消えた——窃盗・業務上横領・背任はどう違う
窃盗・業務上横領・背任の区別を解説。占有の所在による区別(自己保管=業務上横領253条10年以下/会社占有=窃盗235条/権限濫用=背任247条)、役員の特別背任罪(会社法960条・10年以下もしくは1,000万円以下併科)、立証の方向の違い(帳簿・カメラ・決裁記録)、証拠先行→自認書→公正証書・仮差押え→懲戒→告訴の対応順序まで。
裁判をしたくない労使トラブル——労働局「あっせん」は無料・非公開・1回で終わる
労働局のあっせんを解説。個別労働関係紛争解決促進法に基づく紛争調整委員会のあっせん(無料・非公開・原則1期日)、申請から合意までの流れ、参加が任意で不参加なら打切りとなる限界、打切り後30日以内の提訴による時効接続、労働審判との使い分けまで。
日本の永住権を取るには——10年ルールと高度人材の特例
永住許可の原則は在留10年(うち就労資格5年)+素行善良+独立生計+税・年金・保険の完納。高度専門職は70点で3年・80点で1年に短縮。2027年4月から取消制度も開始。
定年制度の設計——60歳未満禁止・65歳雇用確保義務・70歳努力義務の三層構造
定年制度の設計を解説。60歳未満の定年禁止(高年法8条)、65歳までの雇用確保義務(9条・2025年4月から経過措置終了で完全適用)、70歳までの努力義務、再雇用の待遇設計と長澤運輸事件(最二小判平30.6.1民集72巻2号202頁)、無期転換の特例(第二種計画認定)まで。
「うちの雇用じゃない」は防火壁になりません——業務委託・派遣の不法就労リスク
業務委託・派遣の不法就労リスクを解説。不法就労助長罪(入管法73条の2)は雇用契約を要件とせず委託・派遣でも成立すること、2025年6月の罰則加重(5年以下の拘禁刑・500万円以下の罰金)、派遣先の確認実務、偽装請負との併発、契約書の保証条項まで。
「試用期間をもう3か月延長」はできるか——試用期間の延長と本採用拒否
試用期間の延長には就業規則の根拠規定と合理的理由が必要。本採用拒否は法的には解雇(三菱樹脂事件・最大判昭48.12.12)。認められる例・認められない例。
研修を終えてすぐ退職——研修費用は取り戻せるか。日本の裁判所は二分する
「退職したら研修費用を返せ」という約定は、労基法16条との関係で有効・無効が分かれます。裁判所が見るのは、その費用が誰のためのものだったか。
勤務時間外のLINE・メール指示——「つながらない権利」は日本にあるか
勤務時間外のLINE・メール指示を解説。日本に「つながらない権利」の明文はないが、時間外対応は黙示の指揮命令下の労働時間として残業代が発生すること、即応待機の手待時間該当性、深夜反復連絡のパワハラ・安全配慮義務違反該当性、勤務間インターバル(努力義務)、労使双方の実務設計まで。
シフトを一方的に減らされた——「シフト制」の法律問題と休業手当
シフトの一方的削減を解説。契約で日数・時間が特定されている場合の不利益変更(労契法8条・9条)、「シフトによる」契約での安定実績と合理的期待、確定シフト取消しへの休業手当(労基法26条・平均賃金6割)と民法536条2項の全額請求、厚労省シフト制留意事項(2022年)まで。
「今年中に有休を5日取ってください」は会社の義務——年5日取得義務と時季指定
年10日以上の有休が付与される労働者には、会社が年5日を取得させる義務があります(労基法39条7項・2019年施行)。未達成は会社に罰則(120条・30万円以下の罰金×人数分)。時季指定の方法と計画年休、違法パターンを解説。
従業員が理解できる言語で労働条件を説明する——外国人雇用時の明示義務と母語テンプレート
労働条件の明示は義務です(労基法15条・違反は30万円以下の罰金)。外国人には「理解できる方法」での明示が求められ、厚労省が中国語を含む多言語モデル様式を公開しています。2024年4月から明示事項が追加(就業場所・業務の変更の範囲など)。
60万円以下の紛争は少額訴訟——1回の期日・即日判決
少額訴訟を解説。60万円以下の金銭請求限定・原則1回期日即日判決・手数料は請求額の約1%(民訴法368条以下)、分割払い判決、年10回制限・通常訴訟移行・控訴不可(異議のみ)という制約、訴状提出から少額訴訟債権執行までの流れ、外国人の利用まで。
危険作業の拒否と懲戒——千代田丸事件の枠組み
危険作業の拒否を解説。危険海域への出航命令拒否者の解雇を無効とした電電公社千代田丸事件(最三小判昭和43年12月24日民集22巻13号3050頁)、急迫危険時の退避(安衛法25条)、具体的危険と抽象的不安の区別、労基署申告と不利益取扱い禁止、拒否を安全管理の警報と捉える会社側の対応まで。
退職合意書と清算条項——「相互に何らの債権債務なし」の効力と限界
退職合意書と清算条項を解説。賃金債権の放棄には自由な意思に基づく明確な根拠が必要(シンガー・ソーイング・メシーン事件・最二小判昭48.1.19民集27巻1号27頁)、清算条項が未払残業代に及ばないとされるリスク、記載すべき条項と遮断力を高める工夫まで。
取締役の善管注意義務と経営判断原則——失敗した投資は賠償ものか
取締役の善管注意義務を解説。会社法330条・民法644条・忠実義務355条、任務懈怠責任(423条)と第三者責任(429条)、経営判断原則(アパマンショップ事件・最一小判平成22年7月15日判時2091号90頁)、責任限定契約・補償契約・D&O保険まで。
在留資格認定証明書(COE)の手続——海外から呼ぶ流れ
在留資格認定証明書(COE)の手続を解説。制度(入管法7条の2・受入機関の代理申請)、流れ(申請→審査1〜3か月→交付→本人送付→査証→入国)、有効期間(交付後3か月以内の入国)、2023年3月からの電子COEのメール送付、審査のポイント(職務と学歴・職歴の関連性、同等報酬、事業実態)、不交付時の再申請まで。
業績悪化でのリストラ——整理解雇の4要素
業績悪化による解雇(整理解雇)は、人員削減の必要性・解雇回避努力・人選の合理性・手続の相当性の4要素で審査される(東洋酸素事件)。「お金を払えば解雇できる」は誤解。
繁閑の差が大きいから1年変形——要件が一つ欠ければ制度ごと無効
1年単位の変形労働時間制は労使協定+年間カレンダー+労基署届出が必要。要件を1つでも欠くと制度全体が無効になり、1日8時間・週40時間の原則で残業代を再計算。製造業・運送業の落とし穴。
外国人の通称名登録——日常使用する名前を住民票に記載する
外国人の通称名登録を解説。住民票への通称記載の制度、国内での使用実績の疎明資料、日本人配偶者の姓の使用など台湾出身者の典型場面、銀行口座・運転免許への併記などの効果、反復変更の制限と在留カードには表示されないことまで。
ネットバンキング不正送金・フィッシング被害——補償のルールと勝負の72時間
フィッシング・ネットバンキング不正送金の被害対応を解説。全銀協申し合わせによる個人の原則補償と過失による減額、預金者保護法・クレジットカード60日ルールとの区別、銀行連絡→警察届出→証拠保存という72時間の初動、振り込め詐欺救済法による分配金、予防の三原則まで。
永住許可の取消し制度——2024年改正・2027年4月施行予定
2024年6月改正入管法による永住許可の取消し制度(2027年4月施行予定)を解説。取消事由(虚偽申請に加え、故意の税・社会保険料の滞納等による取消しの新設)、在留資格変更での対応が原則で退去強制は限定的であること、立法過程の批判、永住者・雇用主側の納付管理等の実務対応まで。
ワーキングホリデーの台湾人を雇うとき——時間無制限、ただし地雷が3つ
ワーキングホリデーの雇用を解説。日台ワーホリは2009年開始・年1万人枠・18〜30歳、在留資格は特定活動(告示)、就労時間の制限なし(風俗営業等は禁止)、1年限り・更新不可、雇用状況届出の要否、社会保険・雇用保険の適用、本採用したい場合の在留資格変更ルートまで。
「休業手当」と「休業補償」——名前は似て中身は全く別。誰が払う・いくら・併用は?
休業手当(労基法26条・平均賃金6割)と休業補償(76条)の違いを解説。会社都合の休業と労災の休業の区別、民法536条2項の賃金全額請求との関係(ノースウエスト航空事件・最二小判昭62.7.17民集41巻5号1350頁)、不可抗力の抗弁の限界まで。
「退職届」と「退職願」——一字違いで法律効果が全く違う
退職届と退職願の法的な違いを解説。退職届=一方的な辞職の通知(民法627条・2週間で終了)、退職願=合意退職の申込みで承諾前は撤回可能という区別、書面の表題より内容・経緯で判断されること、提出前に確認すべき点まで。
高度プロフェッショナル制度(高プロ)——年収1,075万円以上からの「残業代完全除外」、ハードルを全解説
高度プロフェッショナル制度(労基法41条の2)を解説。労働時間・休憩・休日・深夜割増の全部が適用除外、年収1,075万円以上+対象5業務+本人の書面同意+労使委員会5分の4決議+年104日の休日確保等の健康確保措置という要件、導入企業はごく少数である実情まで。
「不法滞在とは知らなかった」は言い訳にならない——不法就労助長罪と雇用前の確認義務
不法滞在者を雇った・資格外の仕事をさせた雇用主は不法就労助長罪(入管法73条の2・3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金)。在留カードを確認しなかった過失でも免責されません(同条2項)。2025年6月成立の改正法による罰則引上げの動向も解説。
職場の熱中症対策義務化——2025年6月施行の安衛則改正
職場の熱中症対策義務化を解説。2025年6月1日施行の労働安全衛生規則改正によるWBGT28度以上・気温31度以上での報告体制整備・重篤化防止手順作成・周知の義務(罰則あり)、従来からの予防対策、業務中の熱中症の労災該当性と安全配慮義務違反の民事責任、外国人労働者への多言語周知まで。
家族が仕事で亡くなった——遺族(補償)年金・一時金・葬祭料、遺された家族が受け取れるもの
労災の遺族(補償)給付を解説。受給資格者の順位(配偶者は最優先・内縁も含む)、遺族年金と遺族一時金、葬祭料、海外に住む遺族も受給できること、会社への損害賠償請求との関係、時効(年金5年・葬祭料2年)まで。
社内表彰の賞金・賞品は課税されるか——原則は給与課税、例外は狭い
社内表彰の課税を解説。表彰金品は原則給与所得で源泉徴収が必要なこと、非課税の例外(永年勤続表彰の記念品・旅行〔通達36-21〕、創意工夫の少額表彰〔36-22〕)、現金・商品券は不可、職務発明の相当の利益(特許法35条)との区別まで。
言い分も聞かずに処分——懲戒前の「弁明の機会」の重要性
懲戒前の弁明の機会の重要性を解説。就業規則に定めがあれば欠くと処分無効、規定がなくても重処分では相当性判断(労契法15条)で考慮、被疑事実の事前告知の要求、弁明時の対応方法まで。
困ったらまずここへ——在日華人のための公的相談窓口まとめ(保存版)
FRESC 0570-011000(在留)・労基署(賃金未払)・消費者188・警察#9110・人権相談0570-090911・よりそい0120-279-338——分野別に中国語対応の公的窓口を総まとめした保存版。賠償請求や裁判は最終的に弁護士へ。
人事異動の内示と拒否への対応——内示は相談ではない。ただし強行できない三つの場合
人事異動の内示と拒否対応を解説。配転命令権の根拠と権利濫用の判断枠組み(東亜ペイント事件・最二小判昭61.7.14労判477号6頁)、育介法26条の配慮義務、2024年4月からの「変更の範囲」明示の拘束、内示→事情聴取→発令の実務と拒否者への段階的対応まで。
算定基礎届(7月1日〜10日)——4・5・6月の給与が1年分の社会保険料を決める
算定基礎届(定時決定)を解説。毎年4・5・6月の報酬平均で標準報酬月額を決定し9月から1年適用、固定的賃金の変動+2等級以上差での随時改定(月額変更届)、報酬の範囲(通勤手当・現物給与を含む)、4〜6月に残業が多いと保険料が上がる構造、届出漏れへの調査まで。
「30年家賃保証」という甘い言葉——サブリース契約のリスクと新法規制
サブリースの「賃料保証」は減額され得ます——業者も借地借家法32条の賃借人として賃料減額請求権を持つからです(最一小判平15.10.21民集57巻9号1213頁)。2020年のサブリース新法による誇大広告禁止・重要事項説明義務、解約の非対称性という構造問題を解説。
「日本人と同等以上の報酬」要件
「日本人と同等以上の報酬」要件を解説。上陸基準省令上の許可要件であること、報酬の範囲(基本給+賞与の年収ベース・実費補償的給付は不算入)、比較対象(同社同種業務の日本人→同業同地域水準)、新卒初任給の差や昇給停滞が更新不許可リスクになること、最低賃金等の労働法とは別ラインであることまで。
株式会社か合同会社か——日本で起業するときの会社形態の選び方
設立費用は合同会社約6万円〜・株式会社約20万円〜。信用・採用・資金調達は株式会社、小規模・資産管理は合同会社で十分。経営・管理ビザはどちらでも可。後から組織変更もできる(会社法746条)。
アルバイトにも有給休暇——しかも年5日取得させる義務があります
アルバイトにも有休はあり(比例付与)、年10日以上の人には年5日取得させる義務が。違反には罰則。見落としやすい対象者と実務対応。
社員の横領が発覚——初日にやるべきこと・やってはいけないこと
社員の横領が発覚した初日にやるべきは証拠保全。感情的な即日解雇が最悪手です。自宅待機→調査→処分→回収→刑事告訴の正しい順序。
取引先が倒産したら——債権回収の最後の機会と禁じ手
取引先の倒産への対応を解説。破産手続での債権届出、相殺(破産法67条・71条・72条)の活用、動産売買先取特権(民法321条)、所有権留保、破産直前の偏頗弁済の否認(破産法160条以下)、取り込み詐欺(刑法246条)と役員の対第三者責任(会社法429条)の追及まで。
タイムカードがない会社——残業代請求はむしろ通りやすい
タイムカードがなくても残業代請求は可能——労働時間の把握義務は会社側にあり(安衛法66条の8の3)、PCログ・メール・手帳等から概括的に認定される。記録のない会社ほど訴訟で不利。
入院で100万円かかったら——「高額療養費」で自己負担には上限がある
1か月の医療費自己負担には所得別の上限があり超過分は戻る(健康保険法115条)。年収370〜770万円層は約8万円+α。マイナ保険証・限度額適用認定証なら窓口払いが上限で済む。世帯合算・多数回該当・月またぎの注意も。
テレワーク規程の作り方——費用負担・労働時間・労災、必ず書くべき3か所
テレワーク規程の整備を解説。通信費・電気代を労働者負担とするなら就業規則記載が必要(労基法89条5号)、労働時間管理(中抜け・部分在宅)、自宅執務中の労災、テレワークガイドライン(令和3年改定)の要点、通勤手当の改定まで。
顧客名簿を持って転職された——「営業秘密」として守れる条件
顧客名簿の持ち出しに民事・刑事で対抗できるのは「営業秘密」の3要件を満たすときだけ。カギは秘密管理性——平時の管理がすべてです。
「会社一斉の夏休みを有休から引く」は合法か——計画年休(計画的付与)の条件
有休の計画的付与(労基法39条6項)の条件を解説。労使協定の必要性、5日を超える部分に限ること、保有日数が足りない労働者への措置、年5日取得義務の時季指定や会社都合休業との区別まで。
突然の大阪転勤——転勤命令は拒否できるか
転勤命令を拒否できるかを解説。東亜ペイント事件最高裁判決の3要件(業務上の必要性・不当な動機・著しい不利益)、2024年4月からの就業場所の変更の範囲の明示、育児・介護への配慮義務まで。
「会社都合退職」で助成金が消える——離職理由と雇用関係助成金の関係
会社都合退職と雇用関係助成金の関係を解説。特定求職者雇用開発助成金・キャリアアップ助成金等の不支給要件(一定期間内の事業主都合離職)、労働者側の特定受給資格者の扱い、離職票の虚偽記載が不正受給+罰則となることまで。
「代休を与えたから割増不要」は誤解——振替休日と代休の違い
事前に休日を振り替えれば休日労働にならないが、事後の代休では35%の割増が残る。週をまたぐ振替は時間外手当が発生することも。違いと運用ルールを整理。
育児休業給付——2025年4月からの「実質手取り10割」
育児休業給付を解説。休業開始時賃金67%(181日目から50%)・非課税・社会保険料免除で実質手取り約8割という基本、2025年4月新設の出生後休業支援給付金(夫婦双方14日以上の取得で13%上乗せ・実質手取り10割・最長28日)と育児時短就業給付金(賃金の10%)、有期契約労働者の対象性、不利益取扱いの禁止(育介法10条)まで。
顧問弁護士の使い方と費用相場
顧問弁護士の使い方を解説。顧問契約の典型内容(日常相談・契約書チェック・簡易書面)、中小企業の顧問料相場(月額3〜5万円帯中心)、スポット依頼との比較、不可逆措置の実行前相談・社内事情の蓄積・交渉上の防波堤という実益、契約書は締結前・解雇は通知前という時機、損金算入、選び方と交代まで。
在留資格の全体像——働けるビザ・働けないビザを一覧で理解する
在留資格の全体像を解説。入管法別表第一(活動類型:技人国・経営管理・特定技能・技能・留学・家族滞在等)と別表第二(身分類型:永住者・日本人の配偶者等・定住者=就労制限なし)の二分、留学・家族滞在の資格外活動許可、雇入れ前のチェック手順と不法就労助長罪まで。
社員が仕事中にけが——労災発生時にやるべきこと・絶対にやってはいけないこと
労災発生時の正しい初動と、絶対にやってはいけない「労災かくし」(罰則あり)。療養中の解雇制限、安全配慮義務違反の上積み賠償リスク。
台湾の親・家族を扶養控除に入れられるか——国外居住親族の厳格な要件
台湾の親・家族を扶養控除に入れることは可能だが要件が厳格。親族関係書類(戸籍謄本+訳文)と送金関係書類が必須。2023年から30〜69歳の国外居住親族は原則対象外(留学生・年38万円以上送金等の例外あり)。手渡しの生活費は認められない。
昼休みに電話番——それは休憩ではなく労働時間です
待機中・仮眠中でも対応義務があれば労働時間(三菱重工長崎造船所事件・大星ビル管理事件)。運送・警備・ビル管理業の手待時間の扱いと未払残業代リスク。
私生活上の犯罪と懲戒の限界——横浜ゴム事件の枠組み
私生活上の犯罪と懲戒の限界を解説。企業秩序の外には懲戒が及ばない原則と職務関連性・社会的評価毀損の例外、横浜ゴム事件(最三小判昭和45年7月28日民集24巻7号1220頁)の枠組み、小田急電鉄事件(東京高判平成15年12月11日労判867号5頁)との対比、逮捕段階での処分先行の危険と起訴休職の活用まで。
電車内で痴漢に間違われたら——その場で絶対にしてはいけないことと当番弁護士制度
痴漢に間違われたら:強引に振り切って逃げない・弁護士なしで書面に署名しない。逮捕されたら当番弁護士(初回無料)を呼ぶ。最三小判平21.4.14刑集63巻4号331頁は、満員電車の痴漢事件で被害者供述の信用性判断は特に慎重にと述べ、逆転無罪としました。
個人情報保護法の中小企業実務——「うちは小さいから」は通用しない
中小企業の個人情報保護法実務を解説。5,000件要件の2017年廃止、利用目的の特定・通知公表(17条・21条)、安全管理措置(23条)、第三者提供の原則同意(27条)と委託先監督(25条)、漏えい時の委員会報告(速報3〜5日・確報30日)+本人通知の義務化(26条)、法人1億円以下の罰金まで。
社員の副業が発覚——副業は禁止できるのか
副業の一律禁止は通用しません。制限できる4類型(本業への支障・機密漏えい・信用毀損・競業)と、見落としがちな労働時間の通算。
従業員が職場で手を出した——暴行罪・傷害罪と会社の三重の責任
職場の暴行・傷害を解説。暴行罪(刑法208条・2年以下拘禁刑等)と傷害罪(刑法204条・15年以下拘禁刑等)、会社の三重責任(被害者への安全配慮義務=労契法5条・対外的な使用者責任=民法715条・加害者への懲戒)、初動5段階(引き離し受診・カメラ映像等の証拠保全・警察対応・自宅待機・量定)、前兆放置のリスクまで。
外国人従業員が労災に遭ったら——保険は全面適用、ただし外国人特有の論点があります
外国人の労災を解説。在留資格を問わない労災保険の適用(不法就労者も対象)、帰国後の給付継続と海外送金、海外居住遺族の受給、帰国予定外国人の逸失利益算定(最三小判平成9年1月28日民集51巻1号78頁)、申請支援と労災かくしの刑事罰まで。
がん治療と仕事の両立——辞める前に使う制度
がん治療と仕事の両立を解説。罹患を理由とする解雇の無効方向(労契法16条)、傷病手当金の支給期間通算化(2022年1月改正)の実益、厚労省両立支援ガイドラインの流れ(本人申出→主治医意見→産業医関与→就業上の措置)、休職期間満了時の復職争点、がん相談支援センター等の窓口まで。
ビル管理員の夜間仮眠時間も労働時間——大星ビル管理事件
夜勤の仮眠時間も、警報・電話への対応義務があれば労働時間——大星ビル管理事件(最一小判平14.2.28民集56巻2号361頁)。警備・ビル管理・介護業の未払残業代リスクと宿日直許可の仕組み。
重要事項説明とIT重説——台湾にいながら日本の不動産契約を完結させる
重要事項説明とIT重説を解説。宅建業法35条の重説義務と取引士証の提示、ビデオ通話による重説の本格運用(賃貸2017年・売買2021年)、2022年の書面電子化、海外在住のまま契約を完結させる流れと、日本語で行われる重説への備え・送金詐欺の見分け方まで。
手付金の放棄と倍返し——不動産売買を「やめる」ときの代価(民法557条)
手付金の放棄・倍返しを解説。解約手付による無理由解除と「履行の着手」の限界(民法557条)、手付解除・ローン特約解除・債務不履行解除の3ルートの区別、宅建業者売主の手付上限2割・解約手付みなし・保全措置(宅建業法39条・41条)、台湾人買主への注意まで。
妊娠中、立ちっぱなしの仕事がつらい——軽易業務への転換を請求する権利
妊娠中の軽易業務転換請求権(労基法65条3項)を解説。転換を契機とする降格が原則違法とされた広島中央保健生協(マタハラ)最高裁判決、母性健康管理措置まで。
相手が財産を隠しそうだ——訴訟の前に「仮差押え」で凍結する(民事保全)
判決まで1〜2年、その間に財産を隠される——だから訴訟前に仮差押え(民事保全法20条)・仮処分(23条)。相手に知られず数日〜2週間で凍結でき、和解を引き出す力も大きい。担保金は債権額の1〜3割。振込先口座の記録が平時の備え。
年1回の「ストレスチェック」とは——高ストレス判定後の医師面談と会社がしてはいけないこと
50人以上の事業場で年1回義務のストレスチェック(安衛法66条の10)を解説。結果は本人同意なく会社に渡らないこと、高ストレス判定後の医師面談の申出、不利益取扱いの禁止、多言語版調査票まで。
月初は暇・月末は多忙のシフト——1か月単位の変形労働時間制の正しい使い方
1か月単位の変形労働時間制を解説。労使協定または就業規則による導入(労基法32条の2)、月の法定総枠(31日月177.1時間等)、各日・各週の労働時間の事前特定の要件、月中のシフト変更が原則許されないこと、違反時は通常の残業代計算に戻ることまで。
礼拝時間・ラマダン・ハラール——職場の宗教配慮の実務
礼拝・ラマダン・ハラール対応に明文の法的義務はないが、信条差別は労基法3条違反のリスク。実務でできる配慮と限界、制度化のポイントを解説。
外国人雇用で使える助成金——外国人特化型と汎用型の整理
外国人雇用で使える助成金を解説。人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)の就業規則多言語化・相談体制整備等の経費1/2(上限57万円)・賃上げ要件充足で2/3(上限72万円)、キャリアアップ助成金・特定求職者雇用開発助成金の外国人への適用、申請の流れと不支給の典型原因まで。
その病気が仕事のせいなら——「私傷病休職」の枠組みは使えず、満了退職もできない
業務上傷病と私傷病休職の区別を解説。労基法19条の解雇制限(療養休業期間+30日)、業務上傷病には私傷病休職満了の自然退職も許されないこと、東芝(うつ病・解雇)事件(最二小判平成26年3月24日労判1094号22頁=メンタル情報の不申告を過失相殺の理由にできない)、労災申請係属中の満了処理のリスク、労基署認定と民事判断の分岐、退職後の労災申請まで。
更衣室に小型カメラが仕掛けられていた——職場の性犯罪:撮影罪・不同意わいせつと会社の義務
職場の性犯罪を解説。性的姿態撮影等処罰法(2023年7月13日施行・撮影罪3年以下拘禁刑または300万円以下罰金・提供保管拡散も処罰)、不同意わいせつ罪(刑法176条・6月以上10年以下拘禁刑・地位関係性利用の明文化)、建造物侵入罪(刑法130条)、被害者保護最優先・警察対応を妨げない・証拠保全・判決を待たない懲戒、セクハラ措置義務(均等法11条)まで。
求人票の条件と実際が違う——「入社時に話せばいい」は訴訟と行政指導の入口
求人票と実際の労働条件が違う場合を解説。職安法5条の3の明示義務と2018年改正の変更明示、求人票記載が契約内容となる方向の裁判例(八州測量事件・東京高判昭58.12.19労判421号33頁)、労基法15条の即時解除権、2024年4月の明示事項追加まで。
日本で病気になって働けない——「傷病手当金」で給料の3分の2
病気で働けないとき健康保険から給料の約3分の2——傷病手当金。待期3日・通算1年6か月・退職後の継続給付まで、知らないと損する制度。
国民年金が払えない——「免除・猶予」を申請すれば未納ではない。放置が一番損
払えないなら免除・納付猶予の申請を(国民年金法90条・90条の3)——免除なら障害年金の資格も年金額の一部も残り、永住審査でも義務違反にならない。未納はすべて失う。脱退一時金は2026年4月から上限8年分に。
日本で確定申告は必要か——「要・不要」の判定と罰則
会社員は年末調整で原則申告不要。しかし副業所得20万円超・2か所給与・年収2,000万円超は申告義務(所得税法120条)。期間は2月16日〜3月15日。無申告加算税は最高20%+延滞税。納税記録は永住・更新審査の中核資料です。
日台間に社会保障協定はない——駐在員の年金二重負担と脱退一時金
日台間に社会保障協定がないため台湾人駐在員の年金保険料は二重負担になる問題を解説。脱退一時金(6か月以上加入・出国後2年以内請求・2021年4月以降出国は上限60か月分)、源泉20.42%と納税管理人を通じた還付、受給資格期間10年と「年金を残す」選択、会社側の派遣設計まで。
なぜ来日2年目に手取りが減るのか——住民税の仕組みと帰国時の精算
住民税は「前年所得」に「1月1日の住所地」で課税(地方税法39条・318条)——だから2年目の6月から手取りが減る。退職時の一括徴収、帰国時の納税管理人(地方税法300条)。滞納したまま出国すると再来日時の審査で不利に。
50人の瞬間に義務が爆発する——衛生委員会の設置・毎月開催・議事録、漏れたらどうなる
衛生委員会を解説。常時50人以上の事業場の設置義務(安衛法18条)、毎月1回以上の開催・委員の半数は過半数代表の推薦者・議事録3年保存・議事概要の周知という運用、同時に発生する衛生管理者・産業医選任・ストレスチェック等の義務、未設置の罰則と臨検時のチェックポイントまで。
日本の不動産を相続して放置——相続登記はもう義務です
相続登記は2024年4月から義務化(3年以内・10万円以下の過料)。過去の相続も対象です。台湾在住の相続人の手続と相続人申告登記。
通販サイトの特定商取引法表記——漏れ・虚偽のリスク
通販サイトの特定商取引法表記を解説。表示義務事項(特商法11条)、個人事業主の氏名住所表示、通販にクーリング・オフはなく法定返品権8日(15条の3・特約で排除可能だが特約無記載なら返品可)、最終確認画面の表示義務(12条の6・2022年6月改正)と取消権(15条の4)、違反の行政処分まで。
退勤から翌日の出勤まで何時間空けるべきか——「勤務間インターバル」はまだ努力義務
勤務間インターバル制度(労働時間等設定改善法2条・努力義務)を解説。36協定の上限規制・安全配慮義務(電通事件)・労災認定基準のインターバル考慮による間接的保護、就業規則に定めた場合の義務化まで。
離婚したら配偶者ビザはどうなる——14日以内の届出、6か月が危険ライン
配偶者ビザの人が離婚したら14日以内に入管へ届出(入管法19条の16)。正当な理由なく6か月配偶者活動なしで在留資格取消し(入管法22条の4第1項7号)。離婚定住の実務要件・日本人実子の監護養育ルート・不受理申出。
男女賃金格差・男性育休取得率の公表義務
男女賃金格差・男性育休取得率の公表義務を解説。301人以上企業の男女賃金差異の公表(2022年7月〜・3区分)、男性育休取得率の公表義務の300人超企業への拡大(2025年4月〜)、厚労省データベースでの確認方法、数字の読み方(全体平均の限界)、不公表への勧告・企業名公表まで。
取締役会非設置会社の運営——取締役1人でも会社はできる。ただしルールが設置会社と違う
取締役会非設置会社の仕組みを解説。株主総会の万能機関性(会社法295条1項)、各自業務執行・各自代表(348条・349条)、利益相反・競業承認は株主総会(356条)、任期最長10年(332条2項)、取締役会設置との使い分けまで。
復職3か月でまた倒れた——休職期間の「通算条項」の有無で結論が変わる
休職期間の通算条項を解説。通算規定がなければ再休職で期間がリセットされる原則、通算対象(同一・類似傷病か傷病を問わないか)と通算期間(6か月か1年か)の制度設計、新設・拡大時の就業規則不利益変更(労契法10条)の合理性、復職判定の厳格化(試し出勤・産業医面談・段階的復帰)こそが根本対策であることまで。
父親も休める「産後パパ育休」——28日・2分割・手取り10割も
産後パパ育休=子の出生後8週以内に最大28日・2分割可(育介法9条の2)。2025年4月の出生後休業支援給付で実質手取り約10割に。会社は拒否不可・個別周知義務あり・男性育休取得率の公表義務は300人超に拡大。
日本では、指導記録がなければ解雇できない——「いきなり解雇」が負ける理由
日本で解雇が有効と認められるのは「最後の手段」といえる場合だけ。日頃の指導記録の積み重ねがすべてを決めます。
出張の移動時間は労働時間か——新幹線の3時間に賃金は出るのか
出張の単純な移動時間は原則労働時間に当たらない——自由利用が保障されているため。ただし物品の運搬・監視、移動中の業務指示、訪問先間の移動は労働時間。出張旅費規程の設計ポイント。
【古典判例】寝坊2回の放送事故+虚偽の事故報告書でも解雇無効——高知放送事件(最二小判昭和52年1月31日労判268号17頁)
寝坊2回の放送事故+虚偽の事故報告書でも解雇無効。高知放送事件(最二小判昭和52年1月31日労判268号17頁)に見る解雇権濫用法理の利益衡量と処分の均衡。
会社設立の流れ——定款認証から登記まで
会社設立の流れを解説。定款作成・認証(会社法30条)から出資払込み・設立登記(会社法49条)までの手順、電子定款による印紙税4万円の節約、登録免許税(株式会社15万円・合同会社6万円〜)などの実費、設立後に必要な税務・社会保険の届出、外国人創業者が経営管理ビザとの関係で注意すべき点まで。
ビザの「身元保証人」を頼まれたら——民法の保証人とは全く別物、しかし無重量ではありません
ビザの身元保証人を解説。入管手続の身元保証人(滞在費・帰国費用・法令遵守の道義的責任で法的強制力なし)と民法の身元保証契約(極度額の定めが必須・民法465条の2)の違い、会社・上司が頼まれた場合の判断基準、断り方、保証人になった場合の実際のリスクまで。
留学生インターンの受入れ——有償インターン3つの建付けと週28時間の赤い線
留学生の有償インターン3つの建付けを解説。①資格外活動の包括許可内=週28時間(全バイト合算・長期休業中は1日8時間)②単位取得型の長期インターン=特定活動(告示9号・大学との契約・修業年限の2分の1以内)③卒業後の内定者インターン=特定活動への変更必須。超過させれば不法就労助長罪、労働者性があれば労基法・最賃適用、雇用状況届出まで。
年休はどう発生するか——6か月・出勤率8割の要件と比例付与
年休の発生要件を解説。6か月継続勤務+全労働日の8割出勤で10日発生し6年6か月で20日に達する仕組み(労基法39条)、出勤率計算で労災休業・産休・育休・年休取得日は出勤扱い(39条10項)、週1日のパートにも及ぶ比例付与、基準日の統一の限界、年5日の時季指定義務、利用目的の自由(白石営林署事件・最二小判昭和48年3月2日民集27巻2号191頁)まで。
仲介手数料「家賃1か月分」には実はルールがある——宅建業法の上限と取りすぎの取り戻し
賃貸の仲介手数料の上限は家賃1か月分+消費税(宅建業法46条・告示)。しかも原則は貸主・借主「各0.5か月」で、借主から1か月分を取るには承諾が必要です(東京地判令元.8.7判タ1471号154頁は無承諾部分の返還請求を認容)。売買は「3%+6万円」の速算式。
高年齢雇用継続給付——2025年4月からの縮小と実務
高年齢雇用継続給付を解説。被保険者期間5年以上・60〜65歳・賃金75%未満への低下という要件、2025年4月以後の60歳到達者から最大10%への縮小、在職老齢年金との併給調整、定年後再雇用の大幅減給とパート有期法8条(長澤運輸事件・最二小判平成30年6月1日民集72巻2号202頁)の関係まで。
休職期間満了が迫っているのにまだ治らない——「満了=自然退職」の前に双方が知るべきこと
休職期間満了と自然退職を解説。私傷病休職=解雇猶予制度の原則(満了時未治癒なら自然退職・解雇)、「当初軽易業務なら程なく従前業務可」の例外(独立行政法人N事件・東京地判平成16年3月26日労判876号56頁、エール・フランス事件・東京地判昭和59年1月27日労判423号23頁)、満了前の通知実務・復職判定プロセスの記録化、従業員側の書面による復職申出と地位確認まで。
帰化と永住の違い——台湾人が最も知るべきこと:帰化=台湾国籍の喪失
永住は在留10年(うち就労5年)が目安で台湾籍を保てますが外国人のまま。帰化(国籍法5条)は住所5年で日本国籍を取得——ただし台湾国籍の喪失・戸籍の除籍を伴います。2024年入管法改正の永住許可取消し事由の新設も含め、選び方を整理。
台湾の運転免許で日本で運転する——1年の特例と「外免切替」2025年10月の大幅厳格化
台湾免許+翻訳文で上陸から1年間運転可(道路交通法107条の2)。外免切替は2025年10月から知識確認50問・90%合格、技能確認厳格化、住民票必須に。期限切れ運転は無免許運転(3年以下の拘禁刑)。
会社はあなたの生命・健康に「安全配慮義務」を負う——過労・労災・職場暴力の賠償の根拠
安全配慮義務を解説。判例法理(陸上自衛隊事件・最三小判昭50.2.25民集29巻2号143頁、川義事件・最三小判昭59.4.10民集38巻6号557頁)から労契法5条への明文化、過労死・メンタル不調への適用(電通事件・最二小判平12.3.24民集54巻3号1155頁)、労災保険との違い(慰謝料・全額賠償)まで。
就業規則と雇用契約書が食い違う——どちらが優先か(労契法7条・12条)
就業規則と雇用契約の優先関係を解説。就業規則の最低基準効(労契法12条)・契約への補充効(7条)・法令協約への劣後(13条)という序列、契約が就業規則を上回る場合は契約優先、周知と合理性の要件(フジ興産事件・最二小判平成15年10月10日労判861号5頁)まで。
日本で弁護士に相談する——費用の相場、法テラス、任せられる弁護士の見分け方
相談料は30分5,500円前後、初回無料も多い。収入が少なければ法テラスの民事法律扶助(外国人も利用可・費用立替)。着手金・報酬金の仕組み、委任契約書の確認点、非弁業者(弁護士法72条)の見分け方。
労働保険未加入のペナルティ——費用徴収制度
労働保険未加入のペナルティを解説。労災保険の強制適用と未加入でも労働者給付は行われること、費用徴収制度(労災保険法31条1項)による故意100%・重大過失40%の徴収、遡及保険料2年+追徴金10%、雇用保険未加入の遡及確認(給与明細で控除確認なら2年超も可)、建設業の現場入場実務まで。
労働基準監督署の調査が来たら——正しい初動と是正勧告への対応
労基署の調査には立入り・帳簿提出要求の権限があり、送検につながる場合も。是正勧告書の法的性質と、放置・虚偽報告が最も危険である理由。
これはパワハラか——厚労省指針の6類型対照表と3要件
パワハラの法律上の3要件(労働施策総合推進法30条の2)と厚労省指針の6類型(身体的攻撃・精神的攻撃・人間関係からの切り離し・過大な要求・過小な要求・個の侵害)を該当例・非該当例の対照表で解説。
台湾には資遣費がある、日本にはない——日台解雇制度の最大の違い
台湾は法定事由+資遣費で適法に契約を終了できる。日本に資遣費はなく、お金では解雇は解決しません——日台の最大の違いと実務対応。
外国人従業員の日本語教育費用——会社負担の課税関係と「学び終えたら転職」対策
日本語教育費用の会社負担を解説。業務上必要な研修費の非課税(所得税基本通達36-29の2)、費用返還条項と労基法16条(賠償予定の禁止)、業務命令型は無効方向・自発型+金銭消費貸借+勤続免除構成は有効方向という裁判例の枠組み、設計3原則まで。
離職票の「離職理由」は適当に書けない——自己都合と会社都合の大差と、争われる理由
離職票の離職理由で失業給付は大差(給付日数90〜150日vs最大330日・給付制限の有無・国保軽減)——だから離職者は争う。ハローワークは実態主義で、退職勧奨を「自己都合」と書いても覆される。助成金目当ての虚偽記載は最悪の選択。退職合意書での整理まで、会社側の正しい実務を解説。
休職に入る前に、有休が先か休職が先か——順序でお金が大きく変わる
病気で休むとき有休と休職のどちらを先に使うべきかを解説。有休は賃金100%・休職は無給が多いこと、傷病手当金(約3分の2・通算1年6か月)との関係、休職発令と有休の優先関係、復職を見据えた使い分けまで。
子が3歳になるまで6時間勤務にできる——時短勤務(育介法23条)の権利内容
3歳未満の子を育てる労働者の所定労働時間短縮措置(原則6時間。育介法23条)を解説。2025年改正の3歳〜小学校就学前の柔軟な働き方措置、時短中の賃金・社会保険まで。
給料の五大原則——通貨・直接・全額・毎月一回・一定期日払い(労基法24条)
賃金支払の5原則(通貨・直接・全額・毎月1回以上・一定期日。労基法24条)を解説。相殺の禁止(日新製鋼事件・福島県教組事件)、調整的相殺の限界、デジタル払い・口座振込の位置づけまで。
休職中の従業員に、どの頻度で連絡すればハラスメントにならないか——窓口・近況報告・診断書のルール
休職中の連絡ルールを解説。復職判断の材料収集としての適度な連絡の必要性、窓口の人事一元化(直属上司を外す)、月1回程度の近況報告・定期診断書提出条項と費用負担、健康情報=要配慮個人情報(個人情報保護法2条3項)の取得同意と社内共有の最小化、復職フローの定型化(診断書→産業医面談→主治医照会→試し出勤→判定)と生活記録表まで。
従業員のSNS炎上・情報漏えい対策——私的アカウントはどこまで規制できるか、規程の書き方
SNS・情報管理規程を解説。業務上の利用は全面規制可、私的アカウントの投稿は原則私生活の自由で処分できるのは営業秘密・顧客情報の漏洩や会社の信用毀損の場合、営業秘密の3要件(不正競争防止法2条6項)と秘密管理措置、入退職時の誓約書、炎上時の初動まで。
景品表示法の実務——優良誤認・有利誤認・ステマ規制
景品表示法の実務を解説。優良誤認(5条1号)・有利誤認(5条2号)、不実証広告規制(7条2項・15日以内の根拠資料提出)、二重価格表示の販売実績要件、No.1表示の調査根拠、ステマ告示(2023年10月〜)とインフルエンサー起用時の発注企業の責任、課徴金3%・確約手続まで。
労災保険給付と民事賠償の調整——もらった分はどう引かれるか
労災保険給付と民事賠償の調整を解説。労災に慰謝料はなく民事賠償と二本立てであること、同一事由の給付の損益相殺的調整(充当順序は最三小判平成27年3月4日民集69巻2号178頁)、特別支給金は控除されないこと(最二小判平成8年2月23日民集50巻2号249頁)、慰謝料・物損は調整対象外、労基法84条の免責、和解条項での清算設計まで。
「月給30万円(固定残業代含む)」の落とし穴——80時間分が全部無効とされた判決
固定残業代は基本給と明確に区別できなければ無効。80時間分の設定は公序良俗違反で全部無効——東京高裁判決の教訓と設計チェックリスト。
インボイス制度と免税事業者——台湾人フリーランス・小規模経営者の選択
インボイス制度(2023年10月〜):買い手の仕入税額控除には売り手のインボイスが原則必要で、発行できるのは登録した課税事業者だけ。売上1,000万円以下の免税事業者(消費税法9条)は登録か否かの選択を迫られます。2割特例と経過措置(80%→50%)の期限を整理。
年休の繰越しと2年の時効——「年度末に消える」の正しい理解
年休の繰越しと時効を解説。2年の時効(労基法115条)による翌年度への繰越しと最大保有40日、「繰越不可」の就業規則の無効(13条)、繰越分と新規付与分の充当順序、退職時の一括消化と時季変更権の限界、買取りの原則禁止と退職時・時効消滅分等の例外まで。
「出向」と「転籍」はまったくの別物——同意の要否と戻る権利
出向(在籍型)と転籍の法的な違いを解説。転籍には個別同意が必須(民法625条1項)、出向命令権の根拠と濫用法理(新日本製鐵事件)、出向中の労働条件・戻る権利まで。
フレックスタイム制の正しい導入法——労使協定がなければ違法状態
フレックスタイム制の導入手順を解説。就業規則の規定+労使協定(労基法32条の3)、清算期間上限3か月(2019年改正・1か月超は労基署届出)、残業代は清算期間の総枠で計算、コアタイムの設計、不足時間の処理まで。
解雇と退職勧奨の使い分け——別れたいときは、先に話してから切る
解雇と退職勧奨の使い分けを解説。解雇の高いハードル(労契法16条)と敗訴時のバックペイ、退職勧奨の自由と限界(下関商業高校事件・最一小判昭55.7.10労判345号20頁)、先に勧奨・条件提示→不成立なら解雇検討という順序、面談の進め方まで。
買った家が雨漏り・シロアリ・耐震不足——「契約不適合責任」の請求手段と期限
2020年民法改正で瑕疵担保責任は契約不適合責任に(民法562条以下)。買主の手段は追完請求・代金減額・損害賠償・解除の四つ。不適合を知ってから1年以内の通知が必要です(566条)。現状有姿特約・免責特約の効力(宅建業者売主は宅建業法40条で制限)も解説。
台湾の親を健保の扶養に入れたい——2020年4月からの国内居住要件
台湾在住の親を健康保険の被扶養者に入れられるか。2020年4月1日施行の国内居住要件(健保法3条7項)により海外在住親族は原則不可(留学生等の海外特例あり)、国民年金3号被保険者も同様。税の扶養控除は別制度で、2023年分から30歳以上70歳未満の国外居住親族は原則対象外(送金38万円以上等の例外)である点まで整理。
放置した空き家の外壁が落ちて通行人にケガ——所有者の無過失責任
建物の瑕疵で他人に損害を与えた場合、所有者は無過失責任を負います(民法717条・工作物責任)。空家対策特措法の特定空家指定→勧告で固定資産税特例が解除。海外在住オーナーの管理実務。
税務調査が来た——経営者の正しい対応と、絶対にやってはいけないこと
通常の税務調査は任意調査で事前通知が原則(国税通則法74条の9)。日程調整も税理士立会いも可能。加算税は過少申告10%・無申告15%〜・隠蔽仮装の重加算35〜40%。調査決定後の資料破棄は最悪の選択——脱税は最高10年以下の拘禁刑。
雇用契約書の必須条項——2024年4月から追加された明示事項、ひな形は更新済みですか
雇用契約書の必須条項を解説。労基法15条・労基則5条の書面明示事項、2024年4月追加の明示事項(就業場所・業務の変更範囲、有期の更新上限、無期転換)、労働条件通知書兼雇用契約書の推奨、違反の罰則と即時解除権まで。
個人事業主の青色申告——65万円控除・家族への給料・損失繰越3年の取り方
青色申告の三大メリット:複式簿記+e-Taxで65万円控除、家族への給与を全額経費にできる青色事業専従者給与(所得税法57条)、純損失の3年繰越(70条)。承認申請の期限は適用年の3月15日(新規開業は2か月以内)——過ぎると翌年からです。
過半数代表者の正しい選び方——会社が指名した代表の36協定は紙くず(トーコロ事件)
過半数代表者の選出を解説。要件は①管理監督者でない②協定締結目的を明示した投票・挙手等の民主的手続③使用者の意向に基づかないこと(労基則6条の2)、親睦会代表が署名した36協定を無効としたトーコロ事件(最二小判平13.6.22労判808号11頁)、不利益取扱いの禁止まで。
社内不正調査の進め方——保全が先、対質は最後
社内不正調査の進め方を解説。証拠保全先行の初動(フォレンジック前のPC保全・権限停止)、周辺から固めるヒアリングの順序、調査協力義務の範囲(富士重工業事件・最三小判昭和52年12月13日民集31巻7号1037頁)、業務PC調査の根拠、懲戒・民事(仮差押え)・刑事告訴(業務上横領253条等)の三軌と外部調査委員会まで。
「年俸制だから残業代なし」——年俸1700万円の医師も残業代を勝ち取った
年俸制でも残業代は発生します。康心会事件(最二小判平成29年7月7日労判1168号49頁)——年俸1700万円の医師でも、残業代部分が判別できなければ全額未払い。判別可能性と対価性。
有期契約の更新手続適正化——「自動更新」は雇止め敗訴への最短ルート
有期契約の更新手続適正化を解説。雇止め法理(労契法19条)の無期同視型(東芝柳町工場事件)と合理的期待型(日立メディコ事件)、更新ごとの面談・契約書作成、更新基準と上限の明示、雇止め予告(30日前)まで。
反社チェックと暴排条項——「知らなかった」では済まされません
反社チェックと暴排条項を解説。全都道府県の暴力団排除条例、政府指針(平成19年)、口座解約・融資引揚げのリスク、記事検索・暴追センター・警察照会によるチェック方法、表明保証+無催告解除+損害賠償免責の三点セット条項まで。
仕事のミスで会社に損害——全額弁償は不要(茨城石炭商事事件)
仕事のミスによる損害の賠償責任の制限を解説。茨城石炭商事事件(最一小判昭51.7.8民集30巻7号689頁)の4分の1限定、賠償予定の禁止(労基法16条)、給料からの一方的控除の禁止(24条)まで。
入社誓約書に書くべきこと——有効な条項・無効な条項・身元保証書の極度額
入社誓約書の設計を解説。書くべき条項(経歴の真実性表明・秘密保持・反社排除等)、無効な条項(違約金の定め=労基法16条違反)、身元保証書の極度額義務(民法465条の2・2020年改正)と身元保証法の5年上限まで。
役員退職金——決議・相場・税務の三つの関門
役員退職金を解説。退職慰労金も会社法361条の報酬等で総会決議必要、基準に従う一任決議の有効性(最二小判昭和39年12月11日民集18巻10号2143頁)、功績倍率方式の計算と「不相当に高額」の損金不算入(法人税法34条2項)、死亡退職金の非課税枠(500万円×法定相続人数)・弔慰金、分掌変更による実質退職支給の要件まで。
外国人が日本で住宅ローンを組む——永住権が分水嶺。永住なしの現実的な選択肢
多くの銀行は永住者(又は配偶者が日本人・永住者)が条件。永住なしなら一部銀行・頭金増・共有名義。住宅ローン控除は年末残高0.7%×最長13年(租税特別措置法41条)で外国人も適用。賃貸転用は契約違反で一括返済リスク。
「外国人不可」で入居拒否——これは合法か、どう対処するか
国籍のみを理由とする入居拒否は不法行為(民法709条)として慰謝料が認められた裁判例があるが、契約強制はできない。実際の突破法:セーフティネット登録住宅・UR・公営住宅、法務局の人権相談(0570-090911)。
内定者研修・入社前課題は義務か——内定の法的性質と拒否の帰結
内定者研修・入社前課題を解説。採用内定=始期付解約権留保付労働契約(大日本印刷事件・最二小判昭和54年7月20日民集33巻5号582頁)、入社前の研修参加は同意が前提で学業優先の免除方向(宣伝会議事件・東京地判平成17年1月28日労判890号5頁)、業務性があれば賃金発生、内定取消しの厳格要件と内定辞退の自由まで。
外回り営業の「事業場外みなし労働」——スマホ時代にはほぼ成立しない(阪急トラベルサポート事件)
事業場外みなし労働時間制(労基法38条の2)を解説。「労働時間を算定し難いとき」の要件、行程表・報告義務・随時指示がある添乗員は該当しないとした阪急トラベルサポート事件(最二小判平26.1.24労判1088号5頁)、携帯・業務アプリ普及で適用範囲が極めて狭いこと、誤用時の残業代リスクまで。
給与明細の見方——額面と手取りの2割の差はどこへ行くのか
給与から天引きされるのは源泉所得税(所得税法183条)・社会保険料(健保+厚生年金で約15%)・雇用保険料・住民税の4種類。「扶養控除等申告書」を出さないと高い乙欄税率で徴収される。手取りは額面の75〜80%が目安。明細のチェックポイントを解説。
時機に遅れた懲戒処分——7年前の非違行為への処分を無効とした最高裁
時機に遅れた懲戒処分を解説。7年以上前の暴行への諭旨退職を権利濫用で無効としたネスレ日本事件(最二小判平成18年10月6日労判925号11頁)、企業秩序維持の必要性の減弱という理由、合理的期間内の行使の要請、刑事処分待ちが正当理由にならないこと、発覚後の迅速な調査・処分という会社側の鉄則まで。
日台間に租税条約はない?——「日台民間租税取決め」と二重課税の回避
日台間に政府間租税条約はなく、2015年署名の日台民間租税取決め+国内法(外国居住者等所得相互免除法)で二重課税を調整しています(2017年適用開始)。配当・利子・使用料の源泉税率上限10%、短期滞在者免税(183日ルール)。適用には届出書の提出が必要です。
労働契約は口頭でも成立する——合意原則(労契法6条)と証明の方法
口頭の労働契約を解説。労働契約は合意のみで成立し書面は成立要件でないこと(労契法6条)、労基法15条の労働条件明示義務(罰則+即時解除権)、求人票・採用通知・LINE・給与実績による立証、求人票と実際の条件が異なる場合の処理まで。
インフルエンザ社員への出勤停止命令と賃金
インフルエンザ社員への出勤停止命令と賃金を解説。季節性インフルエンザは就業制限対象外(感染症法18条・安衛法68条)、本人労務不能なら無給+傷病手当金、会社判断の出勤停止なら休業手当6割(労基法26条)、在宅勤務なら全額という三分法、年休充当の強制不可、就業規則の設計まで。
生成AIの業務利用ルール——入力と出力の二つのリスク
生成AIの業務利用ルールを解説。個人データ入力の第三者提供・委託該当性(個情法27条・25条)、営業秘密の秘密管理性喪失リスク(不正競争防止法2条6項)、生成物の著作権侵害(類似性・依拠性)とAI生成物の著作物性(文化庁「AIと著作権に関する考え方」2024年3月)、ハルシネーション対策、社内ガイドライン必載5項目まで。
会社の安全衛生管理体制——50人・10人の節目と選任義務(経営者のチェックリスト)
50人以上の事業場は衛生管理者(安衛法12条)+産業医、一定業種は安全管理者も。10〜49人は衛生推進者等。人数は「事業場」単位で、選任懈怠は罰金のうえ、労災発生時に安全配慮義務違反の有力な証拠になる。衛生委員会の運用・議事録保存まで、経営者向けチェックリスト。
外国人介護人材の受入れ——4ルート比較と2025年訪問介護解禁
外国人介護人材の受入れ4ルート(EPA・在留資格「介護」・技能実習→育成就労・特定技能)を比較解説。各ルートの要件・期間・家族帯同の違い、特定技能5年の出口設計(介護福祉士取得→「介護」変更)、2025年4月の訪問介護等の条件付き解禁(研修・同行訪問・説明同意等)、配置基準・定着支援まで。
明らかに様子がおかしいのに休まない・受診しない——受診命令・休職命令はできるか
受診命令・休職命令を解説。就業規則の合理的規定に基づく業務命令への服従義務(電電公社帯広局事件・最一小判昭和61年3月13日労判470号6頁)、明文なき受診命令の可能性(京セラ事件・東京高判昭和61年11月13日労判487号66頁)、不完全労務提供・包括条項を休職事由に置く規定設計、診断書=要配慮個人情報(個人情報保護法2条3項)と本人同意、客観的事実の記録化まで。
売掛金の時効5年と債権管理
売掛金の消滅時効を解説。権利を行使できることを知った時から5年(民法166条1項1号)、催告による6か月の完成猶予(150条)、協議合意(151条)・承認(152条)による更新、確定判決後は10年(169条)、内容証明・支払督促・少額訴訟の使い分けまで。
「店長」の肩書きで残業代は不要?——「名ばかり管理職」という有名な誤解
「店長だから残業代不要」は危険な誤解。管理監督者は実態で判断され(日本マクドナルド事件)、該当しても深夜割増は必要です(最高裁判例)。
最低賃金の減額特例——「最賃を下回れる」唯一の例外
最低賃金の減額特例を解説。最賃未満の定めの無効と差額請求(最賃法4条2項)、都道府県労働局長の許可による減額特例(7条)の5類型(障害・試の使用期間・職業訓練・軽易業務・断続的労働)、許可の大半が障害者類型である運用の現実、技能実習生・特定技能への不適用、労働者側の確認方法まで。
日本で交通事故に遭ったら——現場でやるべき5つのことと賠償の基本
事故現場でやるべき5つのこと——救護・110番通報(道路交通法72条。立ち去ればひき逃げ)、記録、受診、人身事故への切替。賠償には自賠責・任意保険・裁判所基準の3つがあり、保険会社の当初提示は低いのが通常。過失割合も争えます。
【古典判例】試用期間満了の本採用拒否=解雇——三菱樹脂事件(最大判昭和48年12月12日民集27巻11号1536頁)
試用期間の本採用拒否は法的には解雇。三菱樹脂事件(最大判昭和48年12月12日民集27巻11号1536頁)が確立した解約権留保付労働契約の枠組みと、採用時に知り得なかった事実という限定。
通勤中の交通事故——労災と加害者賠償の二本立て
通勤中の交通事故(第三者行為災害)を解説。通勤災害の労災給付と加害者への損害賠償の二本立て、第三者行為災害届、求償・支給調整による二重取得の禁止、慰謝料・物損・特別支給金は調整対象外であること、労災先行が有利な場面、全部示談による労災打切りの落とし穴まで。
「管理職に残業代はない」は半分だけ正しい——管理監督者にも深夜割増と有休はある
管理監督者(労基法41条2号)にも深夜割増と年休は必要であることを解説。ことぶき事件最高裁判決、名ばかり管理職の判断基準(日本マクドナルド事件)まで。
経営管理ビザが大幅に厳格化——2025年10月から資本金3000万円
経営管理ビザが2025年10月から大幅厳格化。資本金3000万円・常勤職員1名・日本語能力——既存保持者の経過措置と今からの準備。
年末調整とは何か——11月に会社から渡されるあの書類の束、外国人従業員はどう書くか
会社が12月に1年分の源泉所得税を精算するのが年末調整(所得税法190条)。提出するのは扶養控除等・保険料控除・基礎控除兼配偶者控除等の3枚。生命保険料控除やiDeCo、台湾の扶養親族も反映できる。間に合わなければ確定申告で。
飲酒運転で検挙された社員の懲戒——職務で結論が分かれる
飲酒運転で検挙された社員の懲戒を解説。運転業務者は免許と信用に直結し懲戒解雇有効方向、事務職の無事故単純検挙への即解雇は過酷で無効方向という職務別の相場、白ナンバー事業者のアルコールチェック義務化(検知器使用2023年12月全面義務化)、道交法の刑事責任と在留資格への影響まで。
日本の大学卒+N1人材は接客・現場もできる——「特定活動46号」という切り札
特定活動46号を解説。日本の大学卒+N1(またはBJT480点)で接客・製造現場を含む広い業務が可能になる2019年告示の制度、「日本語を用いた円滑な意思疎通」要件、フルタイム限定・日本人と同等以上の報酬・家族帯同可、特定技能との比較まで。
手術後に容体が悪化、医療ミスでは——カルテ開示請求と医療事故対応の進め方
医療ミスを疑ったら、まずカルテの開示請求(個人情報保護法33条・遺族も可)。改ざんが疑われる場合は裁判所の証拠保全(民訴法234条)。医療訴訟の難しさ(過失・因果関係の立証)と、医療事故調査制度・ADR・示談という現実的な解決、時効(人身5年)を解説。
台風・大雪で出勤できない日の賃金
台風・大雪の日の賃金を解説。本人出勤不能=ノーワーク・ノーペイで無給可、会社判断の休業=休業手当6割(労基法26条)だが不可抗力の例外あり、在宅勤務なら全額という三分法、年休充当の強制不可、暴風雪下の出勤強制の安全配慮義務問題、計画運休時代の規程設計まで。
従業員が飲酒運転で検挙・社用車で事故——会社はどこまで巻き込まれるか
従業員の飲酒運転・社用車事故を解説。酒酔い運転(道交法117条の2・5年以下拘禁刑等)・酒気帯び運転(117条の2の2・3年以下等)、車両提供・酒類提供・同乗の処罰(65条2〜4項)、運行供用者責任(自賠法3条)と使用者責任(民法715条)、求償制限(茨城石炭商事事件の法理)、白ナンバーのアルコール検知器義務化(2023年12月1日)、私生活上の飲酒運転の懲戒まで。
助成金の不正受給——返還・公表・5年不支給・刑事立件
助成金不正受給の制裁を解説。不正受給額の返還+受給額2割の加算金+延滞金、事業主名の公表、5年間の不支給措置(2019年強化)、詐欺罪(刑法246条・10年以下の拘禁刑)の立件、休業水増し・出勤簿改竄・幽霊従業員などの典型、従業員通報と突合調査という発覚経路、自主申告の減軽運用まで。
秘密保持誓約書の正しい取り方——入社時・在職中・退職時の三段構え
秘密保持誓約書の取り方を解説。入社時・在職中・退職時の三段階取得、対象情報の具体的特定の重要性、営業秘密の3要件(不正競争防止法2条6項)の秘密管理性との連動、退職者が署名を拒否した場合の対応まで。
固定残業代込みで最低賃金を下回っていないか——「時給換算」の正しい計算方法
最低賃金との比較は、固定残業代・通勤手当などを除いた基本部分で行います(最低賃金法4条3項・同法施行規則1条)。「月給25万円・固定残業60時間込み」は時給換算すると最低賃金割れのことも。自分で確認できる計算手順を解説。
労働審判を申し立てられたら——会社に残された時間は約1か月
労働審判は原則3回以内・申立てから約40日で第1回期日。答弁書がほぼ唯一の反論機会で、第1回期日で勝負が決まります。会社側の初動対応。
同意書にサインしたら減給は成立?——労働条件の不利益変更における「同意」の審査
山梨県民信用組合事件(最二小判平28.2.19民集70巻2号123頁):賃下げ等への同意は、情報提供・説明を踏まえた労働者の「自由な意思」に基づくかで判断されます。署名があっても無効になり得ます。就業規則変更ルートは労契法10条の合理性審査。
入管の実地調査への対応
入管の実地調査への対応を解説。法的根拠(入管法59条の2の事実の調査、特定技能の報告徴収・立入検査=19条の20、改善命令=19条の21)、調査の契機(申請との矛盾・通報・定期チェック)、当日の対応(身分確認・窓口一本化・虚偽回答の絶対禁止)、平時の記録整備、労基署臨検との異同まで。
会社が倒産して給料がもらえない——国が8割を立て替える「未払賃金立替払制度」
会社が倒産して給料が払われないとき、国(労働者健康安全機構)が未払賃金・退職金の8割を立て替えます(賃確法7条)。倒産前6か月以降の未払分が対象で年齢別上限あり。事実上の倒産(労基署認定)でも使え、請求期限は2年。
セクハラの訴えを受けたら会社は何から始めるか——ハラスメント調査の標準手順
セクハラ・パワハラの相談を受けた事業主には調査・事後対応の措置義務があります(労働施策総合推進法30条の2・均等法11条)——放置自体が違法。相談者→行為者→目撃者の聴取、事実認定、処分、双方へのフィードバックという標準手順と三大原則を解説。
自動車運送業の特定技能(2024年追加)
2024年3月追加の特定技能「自動車運送業」を解説。対象3業務(トラック・タクシー・バス)、要件(評価試験・日本語=旅客はN3水準・日本の運転免許)、外免切替と免許取得期間を織り込んだ採用計画、新任運転者研修・協議会加入・支援計画の義務、点呼の日本語対応、緑ナンバー事業者向け制度であることまで。
同業他社への転職で退職金が半分に——減額・不支給条項の効力の限界
同業他社への転職を理由とする退職金半減条項は、三晃社事件(最二小判昭52.8.9労経速958号25頁)で有効とされました。ただしその後の裁判例は不支給に「顕著な背信性」を要求——単なる同業転職での全額没収は多くが無効です。
台湾に帰ることになったら——日本を離れる前の手続チェックリスト(税・年金・保険・在留カード)
転出届→住民税の精算・納税管理人→国保・年金→脱退一時金(出国後2年以内・2026年4月から上限8年)→在留カード返納。厚生年金一時金の源泉20.42%は還付申請できる。放置した滞納・口座は将来の再来日に響く。
うつ病休職中の従業員がSNSに遊びの投稿——懲戒できるか
うつ病休職中のバイク・飲酒・旅行も懲戒事由にならない——マガジンハウス事件。境界線は「主治医の指導に反するか」。SNSを見て即懲戒は高リスク。
オーバーステイが発覚したら帰るしかないのか——在留特別許可と出国命令制度
退去強制事由該当者への在留特別許可(入管法50条)と出国命令制度(24条の3)を解説。2023年改正入管法(2024年6月10日施行)による申請手続の創設と考慮事情の法定、積極要素(日本人・永住者との婚姻・日本で成長した子・人道配慮)と消極要素(偽装滞在・刑事処分歴)、自主出頭なら収容されず上陸拒否期間1年(通常5年)となる出国命令、雇用主側の不法就労助長罪リスクまで。
中小企業の株主総会の基本——「実際は開いていない」議事録のリスクは、爆発する日に来る
中小企業の株主総会運営を解説。招集手続(会社法296条・299条)、普通決議と特別決議(309条)、書面決議(319条)、議事録の作成・備置(318条)、役員報酬の総会決議(361条)、手続を怠った場合の決議取消し・不存在のリスクまで。
「配偶者の転勤で辞めざるを得ない」と言われたら——離職票の正しい処理(特定理由離職者)
配偶者の転勤による通勤困難での退職は雇用保険の「特定理由離職者」(給付制限なし・要件緩和・国保軽減)。会社都合解雇ではないので助成金にも影響しない——会社は離職証明書の具体的事情欄に実態を明記し、転勤辞令等の証明書類を案内すれば足りる。外国人従業員の在留資格の注意点まで、人事の処理手順を解説。
役員と従業員の違い——委任と雇用の分界線
役員と従業員の法的な違いを解説。委任(会社法330条)と雇用の差(解雇規制・労働時間・残業代・労災・雇用保険の適用有無)、役員報酬の変更ルール(会社法361条)、使用人兼務役員の二重の地位、「名ばかり役員」の労働者性判断、役員の対第三者責任(会社法429条)まで。
役員の競業避止——在任中は法定義務、退任後は契約がなければ義務なし
役員の競業避止を解説。在任中は会社法356条1項1号・365条の競業取引規制と423条2項の損害額推定、退任後は原則自由のため契約・誓約書が必要なこと、利益相反取引(356条1項2号3号)との違いまで。
採用前の身元調査・前職照会はどこまでできるか——経歴詐称への防衛線の築き方
採用時の身元調査・前職照会を解説。職安法5条の5と個人情報保護法の制限(本人同意が原則・本籍や思想信条は不可)、経歴詐称を理由とする解雇の判断枠組み(炭研精工事件・最一小判平3.9.19労判615号16頁)、身元保証契約の極度額義務(民法465条の2)まで。
外国人の銀行口座開設——断られる理由・開き方・絶対にしてはいけないこと
外国人の銀行口座開設を解説。犯罪収益移転防止法の取引時確認、来日6か月未満の「非居住者」の壁とゆうちょ銀行等の対応、雇用主の協力による通過率向上、口座売買・貸与の犯罪性(犯収法28条)と凍結・再開設不能のリスク、帰国時の口座処理まで。
「30日分払えば解雇できる」は最も危険な誤解——解雇予告手当の本当の意味
解雇予告手当30日分は手続の最低要件にすぎず、解雇の有効性は別問題。細谷服装事件(最二小判昭和35年3月11日民集14巻3号403頁)が示した予告手当の本当の意味。
服務規律はどう書けば有効か——髪型服装・兼業・所持品検査、広すぎる規制は無効条項
服務規律の作り方と限界を解説。髪型・服装など個人の自由の制約は業務上の必要性の範囲に限られること、所持品検査の4要件(西日本鉄道事件・最二小判昭43.8.2民集22巻8号1603頁)、企業秩序維持権と調査協力義務(富士重工業事件・最三小判昭52.12.13民集31巻7号1037頁)まで。
「子どもがいるので残業したくない」は権利——残業の免除・制限・深夜業制限の請求
育児・介護を理由とする所定外労働の制限(残業免除)・時間外労働の制限・深夜業の制限(育介法16条の8以下)を解説。2025年4月改正で残業免除が3歳から小学校就学前まで拡大。
離職後3か月無職だと在留資格が取り消される?——在留資格取消制度と「正当な理由」
在留資格取消制度(入管法22条の4)を解説。虚偽・不正による取得の取消し、就労資格・留学で正当な理由なく継続3か月以上(日本人の配偶者等は6か月)活動しない場合の取消し、求職活動中・傷病治療中等の「正当な理由」、意見聴取手続、取消し時の30日以内の出国猶予期間、離職後14日以内の所属機関届出(19条の16)と雇用主側の教示まで。
労働保険の年度更新(6月1日〜7月10日)——概算・確定保険料の仕組みと申告漏れの代償
労働保険の年度更新を解説。毎年6月1日〜7月10日に前年度確定保険料の精算+新年度概算保険料の申告・納付、労災保険率は業種別(メリット制で増減)、賃金総額の範囲(賞与・通勤手当を含む)、延納(3期分割)、未申告時の認定決定・追徴金10%・費用徴収まで。
外国人従業員の妊娠——産休・育休の権利、雇止めの禁区、在留資格への影響
外国人従業員の妊娠・出産対応を解説。産前産後休業(労基法65条)・育児休業(育介法・有期要件は2022年4月改正で緩和)は在留資格を問わず適用、妊娠を理由とする解雇・雇止めは均等法9条3項・4項で無効リスク、産休育休中の在留期間更新、子の出生後30日以内の在留資格取得手続まで。
デジタルノマドビザ(特定活動53号)
2024年3月末創設のデジタルノマドビザ(特定活動53号)を解説。対象(国外企業・顧客のためのリモートワーク)、要件(年収1,000万円以上・対象国籍に台湾含む・民間医療保険)、在留6か月・更新不可、在留カード・住民票なしの不便、帯同(54号)、日本企業への労務提供は不可で就労資格への切替が正道であることまで。
老朽建物の建替えと立退き——立退料はいくら必要か
老朽建物の立退きと立退料を解説。更新拒絶・解約申入れの正当事由(借地借家法28条)と6か月前通知(27条)、立退料は正当事由の補完要素であること、住宅は賃料6か月〜1年分前後・店舗は営業補償加算という相場観、双方の交渉実務と定期借家との違いまで。
日本に保証人がいない——賃貸・入院・入学はどうするか
賃貸は保証会社利用が主流で保証人不要の時代に。個人根保証は極度額がなければ無効(民法465条の2)。入院は身元保証人なしを理由に拒否できない(厚労省通知)。UR・機関保証など分野別の代替手段まとめ。
ハラスメント研修は義務か——防止措置義務の中身と、中小企業がやるべき最低限
ハラスメント研修の義務性を解説。パワハラ防止措置義務(労働施策総合推進法30条の2・2022年4月から中小企業も適用)、セクハラ・マタハラの措置義務、指針の求める4つの措置、未対応のリスク(勧告・企業名公表・民事責任)、中小企業の最低限の対応まで。
経費・交通費の不正精算が発覚したら——懲戒・返還請求・刑事告訴の順序
経費・交通費の不正精算への対応は、証拠固定→本人ヒアリング→懲戒量定→返還請求(不当利得)の順。給与からの一方的天引きは労基法24条違反。刑事告訴の判断基準も。
「申請のない残業には払わない」は通るか——事前承認制の正しい運用
残業の事前申請・承認制自体は適法だが、会社が残業を知りながら黙認すれば「黙示の指揮命令」で労働時間と認定される。申請制+上司の制止義務+打刻との乖離確認がセット。
在職中に死亡——死亡退職金・未払給与は誰のものか。遺産に入るとは限らない
死亡退職金の扱いを解説。受給権者の定めがあれば相続財産ではなく固有の権利(最一小判昭55.11.27民集34巻6号815頁)、相続放棄しても受け取れる場合、相続税法上はみなし相続財産(非課税枠500万円×法定相続人数)、遺族補償との関係まで。
外国人従業員を解雇・退職させたら在留資格はすぐ失効するのか
外国人従業員が離職しても在留資格は期限まで有効。ただし3か月以上活動しないと取消対象(入管法22条の4)。転職時の就労資格証明書、会社側のハローワーク届出義務。
労働審判・訴訟の流れと費用——会社側の視点
会社側から見た労働審判・訴訟を解説。労働審判の構造(3回以内・平均70〜80日・調停中心・異議で訴訟移行)と第1回期日前に全力を尽くす鉄則、通常訴訟のバックペイ累積・付加金(労基法114条)・退職後年14.6%の遅延利息、賃金仮払仮処分、弁護士費用の構造、和解判断の変数と紛争中の社内対応まで。
在留カードをなくした——14日以内に再交付申請を
在留カードを紛失したら警察→入管で再交付、期限は知った日から14日以内(手数料無料)。常時携帯義務と住所変更の届出も併せて確認。
勢いで「辞めます」と言ってしまった——退職の意思表示は撤回できるか
退職の意思表示の撤回ができる場合を解説。辞職は到達後撤回不可、退職願は承認前なら撤回可能(大隈鐵工所事件・最三小判昭62.9.18労判504号6頁)、承認権限者は人事部長等で足りること、強迫・錯誤による取消しの主張まで。
従業員が配偶者・子どもを日本に呼びたいと言ったら——「家族滞在」の基礎
就労資格者の配偶者・子は「家族滞在」で呼び寄せ可能。扶養能力の審査、COEの手続、家族滞在者のアルバイトは資格外活動許可+週28時間以内。会社ができる支援。
リファラル採用と職業安定法——紹介報奨金の適法設計
リファラル採用の適法設計を解説。職業紹介の許可制(職安法30条)、従業員の募集従事への報酬は賃金等に限る規制(40条)、委託募集の認可(36条)、紹介報奨金を就業規則・賃金規程に賃金として明記する定石、対象の自社従業員限定、金額の相当性、副業的な他社への人材紹介の無許可職業紹介リスクまで。
外国人社員の副業と資格外活動許可
外国人社員の副業と資格外活動許可を解説。本来資格の範囲内の副業は原則許可不要、範囲外の収入活動は資格外活動許可(入管法19条)が必要、留学・家族滞在の包括許可(週28時間)と就労資格者の個別許可の違い、違反時の在留資格取消し・退去強制リスク、副業先の不法就労助長罪(73条の2・過失でも免責されない)まで。
「明日から来ません」引き継ぎを拒否する退職者——会社は賠償請求できるか
退職の自由が原則ですが(民法627条1項)、引継ぎ拒否で具体的損害が生じれば賠償の余地があります(ケイズインターナショナル事件・東京地判平4.9.30労判616号10頁など)。ただし「引継ぎしないなら給料を払わない」は違法。予防の設計も解説。
授乳・送迎のための30分×2回——意外と知られていない「育児時間」(労基法67条)
生後1歳未満の子を育てる女性の育児時間(1日2回各30分。労基法67条)を解説。休憩時間との違い、まとめ取り・勤務時間の始め終わりへの充当、男性には適用されない点まで。
仕事中のけがに健康保険証?——労災と健康保険の使い分け、間違えると返金が必要
仕事中・通勤中のけがに健康保険は使えません(健康保険法1条:業務外が対象)。労災保険なら治療費は自己負担ゼロ。健保を誤って使ったときの切替手続と、会社が労災手続に協力しないとき(労災隠し)に自分で労基署に請求する方法。
家賃滞納の借主に、鍵交換・水道電気の停止はできるか——日本の「自力救済禁止」
鍵の交換、荷物の処分、貼り紙、水道・電気の停止——日本ではすべて違法。滞納したのは借主でも、賠償するのは家主になり得ます。
懲戒の一事不再理——同一事実を二度罰することはできない
懲戒の一事不再理(二重処分の禁止)を解説。同一事実への再処分は懲戒権濫用で無効(労契法15条)、処分後の追加・変更・加重の不可、新事実の発覚・反復非行との区別、注意指導や人事上の措置との関係、処分前に調査を尽くして事実を特定し切るべき会社側の設計まで。
「契約期間満了だから更新しない」は簡単ではない——雇止め法理(労契法19条)
反復更新後の雇止めは解雇と同様に規制される——東芝柳町工場事件(最一小判昭49.7.22民集28巻5号927頁)・日立メディコ事件(最一小判昭61.12.4判例時報1221号134頁)、現在は労契法19条。更新上限は当初明示が鉄則。
退職した幹部が顧客と部下を連れて行った——競業避止条項はどこまで使えるか
退職幹部が顧客と部下を連れて独立。競業避止特約の有効性の判断要素(フォセコ・ジャパン事件・奈良地判昭和45年10月23日判時624号78頁)、退職金減額条項、違法な引き抜きの線引き。
「何歳のときに日本に来たの?日本語分かってる?」——国籍を嘲笑する発言はパワハラ
国籍や日本語能力を嘲笑する発言は、裁判所にパワハラと判断され得ます。外部弁護士の中立調査に基づく懲戒処分が有効とされた東京地裁判決を解説。
日本で子どもが生まれたら——14日以内に出生届、30日以内に在留資格。1日も猶予はない
出生から14日以内に出生届(戸籍法49条。外国人同士でも必要)、両親とも外国人なら30日以内に在留資格取得申請(入管法22条の2)。忘れると子が不法残留状態に。日台ハーフの国籍・児童手当・出産育児一時金も整理。
【判例紹介】考課下位10%でも直ちに解雇はできない——セガ・エンタープライゼス事件(東京地決平成11年10月15日労判770号34頁)
人事考課下位10%でも解雇は無効。セガ・エンタープライゼス事件(東京地決平成11年10月15日労判770号34頁)——相対評価は絶対的能力不足ではなく、体系的な教育・指導と配転検討が先。
売掛金が回収できないとき——催告・支払督促・少額訴訟・強制執行の順序
債権回収の手順を解説。消滅時効(民法166条・催告150条・承認152条)、内容証明郵便、支払督促(民訴法382条・異議で395条移行)、少額訴訟(368条・60万円以下)、強制執行(民執法22条)、財産開示手続(196条以下・罰則213条)と第三者からの情報取得手続(204条以下)まで。
賞与支給日に在籍していないともらえない——支給日在籍要件
賞与の「支給日在籍要件」は最高裁が有効と判断(大和銀行事件・最判昭57.10.7)。査定期間を満了しても支給日前に退職するともらえない。退職のタイミングと規定の書き方。
役職定年制の適法性——制度は有効でも減額には限度がある
役職定年制を解説。就業規則の明確な規定を前提に制度自体は原則有効(労契法7条)、中途導入の不利益変更審査(労契法10条・経過措置の重要性)、職務が変わらない賃金減額の危険、役職手当消滅と基本給減額の説明力の差、定年後再雇用の減額との二段階問題まで。
「妊娠したから軽い仕事に——ついでに役職も外す」は違法——マタハラの最高裁ルール
妊娠を契機とする降格は原則違法・無効——広島中央保健生協事件(最一小判平26.10.23民集68巻8号1270頁)。例外は自由意思の承諾か業務上の特段の事情のみ。妊娠等から1年以内の不利益取扱いは原則「契機」と推定。
親戚の子の奨学金の保証人になった——JASSO奨学金の保証人責任の範囲
JASSO奨学金の人的保証は連帯保証人+保証人の二段構え。保証人(非連帯)には催告・検索の抗弁権があり、責任は「分別の利益」により半額です。機構が保証人に全額請求していた問題では、半額超の返還を認めた裁判例も(札幌高判令4.5.19)。
日本で不動産を買うとかかる税金——購入時・保有中・賃貸時の全体整理
購入時は不動産取得税・登録免許税・印紙税、保有中は固定資産税・都市計画税、賃貸収益には所得税(非居住者は源泉徴収あり)。外国人購入者が見落としがちなコストを一覧で解説。
社会保険に入れたくない——法人はすべて強制適用です
法人はすべて社会保険の強制適用。「本人が入りたくない」は通りません。パート適用拡大、未加入の2年遡及徴収、外国人従業員への適用。
経歴詐称が発覚——懲戒解雇できる場合・できない場合
学歴・職歴・犯罪歴の詐称——最高裁は労働者の真実告知義務を認めました(炭研精工事件・最一小判平成3年9月19日労判615号16頁)。懲戒解雇できる詐称とできない詐称の分かれ目。
「雇用保険に入れていなかった」が発覚したら——会社のリスクと遡及加入の実務
雇用保険の未加入は従業員の退職後も消えない——元従業員はいつでもハローワークに資格確認を請求でき(雇用保険法8条)、原則2年・保険料を天引きしていた場合は2年超の遡及加入と追納に。外国人雇用状況届出の未届出も連鎖。発覚時の是正ステップと2028年10月の週10時間への拡大まで、会社側の実務を解説。
従業員が逮捕・起訴されたら——即時解雇は危険
従業員が逮捕されても即解雇は危険——逮捕≠有罪。起訴後の起訴休職も、職務遂行への支障や信用毀損がある場合に限って有効(全日本空輸事件・東京地判平11.2.15)。
留学生を採用したら、4月入社までに何をするか——在留資格変更のタイムライン
留学生の新卒採用スケジュールを解説。留学→技人国等の在留資格変更(毎年12月受付開始・審査1〜3か月)、会社側書類と採用理由書、継続就職活動・内定待機の特定活動、3月申請では4月入社に間に合わないこと、卒業延期リスクまで。
株主間契約の基礎——揉めたときのための保命条項
株主間契約を解説。譲渡の事前承諾・先買権、創業者離脱時の株式買戻し(離職条項)、役員指名権・拒否権・情報請求権(会社法433条の帳簿閲覧権の契約上の強化)、デッドロック条項、効力が当事者間の債権的効力にとどまること、50:50出資の危険、創業初期に締結すべき理由まで。
職場での旧姓使用——会社は拒否できるか
職場での旧姓使用を解説。戸籍名使用命令を適法とした日本大学第三学園事件(東京地判平成28年10月11日労判1150号5頁)が個別判断であること、住民票・マイナンバーカードの旧姓併記(2019年11月〜)など環境変化による一律拒否の合理性低下、対内旧姓・法定文書戸籍名の併用、改姓事実の無断開示のプライバシー問題まで。
職場の監視カメラはどこまで許されるか——更衣室・休憩室は絶対的な禁止領域
職場の監視カメラの適法性の限界を解説。目的の正当性×手段の相当性の枠組み、更衣室・トイレは撮影罪(性的姿態撮影等処罰法)にも該当、映像の個人情報保護法上の扱い、開示請求まで。
会社と役員の利益相反取引——承認手続と責任
会社と役員の利益相反取引を解説。直接取引・間接取引(会社法356条1項2号3号)、取締役会承認(365条・当該取締役は議決不可=369条2項)と事後報告、無承認取引の相対的無効(最大判昭和43年12月25日民集22巻13号3511頁)、任務懈怠の推定(423条3項)・自己取引の無過失責任(428条)、役員給与認定の税務リスクまで。
労災の後遺症——障害等級1〜14級はどう決まり、年金と一時金でいくら違うか
労災の障害(補償)給付を解説。治癒(症状固定)後に残った障害の等級認定(1〜7級は年金・8〜14級は一時金)、障害特別支給金、等級への不服申立て(審査請求)、会社への損害賠償請求との調整(損益相殺)まで。
高度専門職ポイント制——70点で解錠される優遇パッケージとJ-Skip
高度専門職ポイント制を解説。学歴・職歴・年収・日本語能力等で70点以上、在留5年・永住要件短縮(80点1年/70点3年)・配偶者就労・親帯同の優遇、1号イロハと2号(無期限)、J-Skip(特別高度人材・2023年開始)、会社側の活用実務まで。
会社を誰に継がせるか——中小企業の事業承継、3つの道と早期着手の理由
中小企業の事業承継を解説。親族内承継・従業員承継(MBO)・M&Aの三類型、株式集中と売渡請求条項(会社法174条)、経営承継円滑化法の遺留分特例(除外合意・固定合意)、事業承継税制(納税猶予・特例承継計画)、拒否権付種類株式(108条1項8号)の活用まで。
「残業は命じていない、勝手にやった」——黙認した残業にも残業代は必要
命じていない持ち帰り残業・居残り残業も、会社が黙認していれば労働時間と認定されうる。黙示の指示の判断要素と、経営者がとるべき労働時間管理。
能力不足なら解雇できる?——PIP(業務改善プログラム)の正しい使い方・誤った使い方
能力不足解雇の有効性は「改善の機会を与えたか」で決まり、PIP(業務改善計画)はその標準手段です。しかし達成不能な目標設定や退職強要の道具としてのPIPは、逆に解雇無効・違法な退職勧奨の証拠になります。正しい設計を解説。
交通事故の過失割合はどう決まる——保険会社の言い値ではない
交通事故の過失割合を解説。過失相殺(民法722条2項)の意味、『別冊判例タイムズ38号』の類型別基準と修正要素、ドライブレコーダー・実況見分調書という反証の武器、紛争処理センターの活用、100:0事故で自分の保険会社が示談代行できない問題と弁護士費用特約まで。
解雇無効なら「その間の賃金全額」——バックペイの怖さ
解雇が無効なら、解雇期間中の賃金を全額遡及払い(民法536条2項)。他社で得た中間収入は控除できるが、平均賃金の6割までは控除不可——あけぼのタクシー事件(最一小判昭62.4.2労働判例506号20頁)。
ビル・寮の「宿直」は給料が安くていい?——宿直・日直の許可制
宿直・日直の労基署許可制(労基法41条3号)を解説。許可の基準(ほとんど労働する必要のない勤務)、仮眠時間が労働時間とされた大星ビル管理事件最高裁判決との関係まで。
労基法違反の罰則と書類送検・企業名公表
労基法違反の罰則を解説。強制労働禁止違反の1年以上10年以下の拘禁刑(117条)から割増賃金不払等の6か月以下の拘禁刑・30万円以下罰金(119条)までの構造、両罰規定(121条)、是正勧告から書類送検への分水嶺(勧告無視・重大労災・悪質不払)、厚労省の企業名公表リスト(毎月更新・概ね1年掲載)まで。
アルバイトの留学生、資格外活動許可を確認しましたか——在留カードの裏面が鍵
資格外活動許可の確認を解説。留学・家族滞在の包括許可=週28時間以内(長期休業中は1日8時間)、在留カード裏面の許可記載の確認、掛け持ち先合算のルール、無許可雇用の不法就労助長罪(入管法73条の2)、卒業後は包括許可が失効することまで。
被害届と告訴の違い——警察が受理してくれないときの対処法
被害届は被害事実の申告、告訴は処罰意思の表明を伴う訴訟行為(刑訴法230条)で、告訴なら検察官に処分結果の通知義務が生じます(260条)。警察が受理を渋るときは、犯罪捜査規範63条の受理義務を引き、書面で提出し、検察官への直接提出(241条)も使えます。
「その日は困る、別の日にして」——有休の時季変更権、会社が使える場面は実は狭い
有休の時季変更権(労基法39条5項)が使える場面の狭さを解説。代替勤務者確保の配慮義務(弘前電報電話局事件)、利用目的の自由(白石営林署事件)、長期休暇の事前調整(時事通信社事件)、不利益取扱い禁止まで。
社労士と弁護士、労務問題はどちらに相談するか——分業・費用・選び間違いの代償
社労士の本業は手続・規程・給与計算などの予防と行政協力。紛争の代理交渉・訴訟は弁護士の独占業務です(弁護士法72条)。特定社労士はあっせん等の限られた場面のみ代理可(上限120万円)。内容証明が届いたのに社労士だけに相談するのは典型的な初動ミス。
少数株主の権利地図——3%・3分の1・過半数で何ができるか
持株比率ごとの少数株主の権利を解説。1株(代表訴訟847条・総会決議取消しの訴え831条)、1%(議題提案権303条)、3%(帳簿閲覧433条・総会招集請求297条・役員解任の訴え854条)、1/3超(特別決議の阻止)、過半数・2/3・9/10(株式等売渡請求179条)の権利地図と自衛策まで。
有休の買取りは許されるか——原則違法・例外は3つ
有休の買取りは原則違法(労基法39条)。適法なのは①退職時の残日数②時効消滅分③法定を超える会社独自の有休、の3つだけ。買取りは年5日の時季指定義務の代わりになりません。
譲渡制限株式と相続——売渡請求条項の設計と逆用リスク
譲渡制限株式と相続を解説。譲渡承認制度が一般承継たる相続に及ばないこと、定款の相続人等売渡請求(会社法174条)、行使ごとの特別決議(当該相続人は議決権なし=175条2項)・1年の行使期間(176条1項)・財源規制(461条)、大株主死亡時に少数派が後継者の株式を奪う「相続クーデター」と遺言・生前譲渡による対策まで。
「日本語が下手だから給料が安い」は合法か——言語能力と待遇差の境界線
国籍を理由とする賃金差別は労基法3条(均等待遇)違反で罰則付きです。日本語能力は職務に関連する合理的な評価要素にはなりますが、職務と無関係な一律減額や「外国人用賃金表」は3条違反。同一労働同一賃金(パート有期法8条)の視点も解説。
家を買ったら土地は借り物——「借地権」物件の基礎知識と売買の注意点
借地権(建物所有目的の土地賃借権・地上権)は借地借家法で保護されます。旧法借地権と新法普通借地権・定期借地権の違い、借地権物件が安い理由(地代・更新料・譲渡承諾料・融資の通りにくさ)と、台湾人投資家のためのチェックリスト。
「始末書を書いて反省しろ」は拒否できるか——謝罪の強制と事実報告(顛末書)の区別
始末書の強制の可否を解説。謝罪・反省の強制は良心の自由に反し業務命令にできず、提出拒否を懲戒事由にできない(豊橋木工事件)。事実報告の顛末書は業務命令可能という区別、自認書のリスクまで。
外国人従業員の懲戒処分——規則が理解できる言語で伝わっていなければ処分は立ちません
外国人社員への懲戒処分を解説。就業規則の根拠規定と周知が前提であること(フジ興産事件・最二小判平成15年10月10日労判861号5頁)、懲戒事由の説明は理解できる言語で行うこと、弁明の機会、文化・習慣の違いを考慮した相当性判断、国籍を理由とする差別的処分の禁止(労基法3条)まで。
従業員が突然音信不通・無断欠勤——「自然退職」処理の正しい手順
連絡が取れない社員を直ちに解雇扱いにはできません。安否確認→書面での出勤催告→就業規則の「無断欠勤○日で自然退職」条項の順で処理します。条項がない場合、解雇の意思表示の到達が難関(公示送達・民法98条)。外国人の場合の入管届出も解説。
従業員が台湾に帰国する——最終給与・退職金の支払と送金、順序を誤ると厄介です
帰国する外国人への最終給与を解説。退職者から請求があれば7日以内に賃金を支払う義務(労基法23条)、海外口座送金の可否と手数料、退職金の20.42%源泉と非居住者の選択課税(所得税法171条)、住民税の一括徴収、脱退一時金の案内、納税管理人の選任まで。
技能実習制度が終わる——2027年スタートの「育成就労」制度
技能実習が廃止され2027年4月から「育成就労」へ。転籍(転職)の容認と不法就労助長罪の厳罰化——受入れ企業が今から準備すべきこと。
給料の遅配・不払——退職後は年14.6%の遅延利息
給料の遅配・不払を解説。全額払・一定期日払原則(労基法24条・罰金30万円以下)、在職中年3%・退職後年14.6%の遅延利息(賃確法6条と施行規則6条の除外事由)、賃金3分の1超2か月以上不払での特定受給資格者該当、未払賃金立替払制度、内容証明・労基署申告・支払督促の使い分けまで。
着替え・朝礼・掃除の時間は労働時間か——最高裁の「指揮命令下」基準
会社が義務づけた着替え・朝礼・掃除の時間は労働時間——三菱重工長崎造船所事件(最一小判平12.3.9民集54巻3号801頁)の「指揮命令下」基準。就業規則の定め方では左右されません。毎日15分でも3年分は大きい。
フリーランスへの発注の新ルール——フリーランス新法(2024年11月施行)
フリーランスへの発注に2024年11月から新法。書面明示・60日以内払い・禁止行為・ハラスメント対策——資本金要件なしで広く適用されます。
従業員の源泉所得税、会社の納付は1日遅れでもペナルティ——不納付加算税と「納期の特例」
源泉徴収は会社の義務(所得税法183条)で、徴収した税は翌月10日までに納付。1日でも遅れると不納付加算税10%(自主納付なら5%)+延滞税。従業員10人未満なら「納期の特例」で年2回払いにできる(所得税法216条)。非居住者・海外への支払いにも源泉義務がある。
企業SNSと著作権——画像・フォントの落とし穴
企業SNSと著作権を解説。画像無断転載による複製権(著作権法21条)・公衆送信権(23条)侵害、引用の要件(32条・パロディ事件=最一小判昭和55年3月28日民集34巻3号244頁)、フリー素材のライセンス確認、書体の著作物性を原則否定したゴナ書体事件(最一小判平成12年9月7日民集54巻7号2481頁)とフォントライセンス契約違反、法人罰金3億円(124条)まで。
「研修期間は時給なし」の違法性——訓練時間も労働時間
「研修期間は時給なし」の違法性を解説。指示参加の研修は指揮命令下の労働時間(三菱重工長崎造船所事件・最一小判平成12年3月9日民集54巻3号801頁)、最低賃金法4条による補正、「自由参加」の例外の狭さ、試の使用期間の減額特例(最賃法7条2号)には労働局長許可が必要なこと、差額請求の方法まで。
社名・店名・ブランドの守り方——商号登記と商標登録は別物です
社名・店名・ブランドの保護を解説。商号登記の限界(商業登記法27条・会社法8条)、不正競争防止法2条1項1号・2号の周知・著名表示の保護、商標の先願主義(商標法8条)と登録による全国的独占(25条)、J-PlatPat検索と出願の勧めまで。
台湾からの送金と贈与税——海外の家族からのお金はどこから課税か
台湾からの送金と贈与税を解説。日本居住の受贈者は国外財産の贈与も課税対象となる原則(相続税法1条の4)、年110万円の基礎控除と扶養義務者間の都度給付の生活費・教育費の非課税(21条の3)、100万円超の国外送金等調書による把握、住宅資金援助の特例と相続前贈与加算まで。
台湾に住みながら固定資産税をどう払うか——非居住者オーナーの納税管理人制度
固定資産税・都市計画税は1月1日時点の所有者に課税されます(地方税法343条)。海外在住のオーナーは「納税管理人」を選任して市区町村に届け出る義務があり、放置して滞納すると延滞金・差押え(物件の公売)のリスク。住宅用地特例と空き家の関係も整理。
会社を売る・事業を買うとき、従業員はどうなる——事業譲渡・会社分割・合併と労働契約
合併=包括承継(全員自動移転)、会社分割=労働契約承継法の手続(5条協議等。日本IBM事件・最二小判平22.7.12民集64巻5号1333頁)、事業譲渡=特定承継(本人の同意が必要・民法625条1項)。M&A時の従業員の処遇ルールを整理。
酒を飲んだ友人の車に同乗したあなたも有罪——飲酒運転の同乗者・提供者の責任
飲酒を知りながら同乗すると、同乗者も処罰されます(道交法65条4項・酒気帯びで3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金、酒酔いなら最大5年)。車両提供者は運転者と同等、酒類提供者も処罰対象。民事上の過失相殺と、日本の運転代行の使い方も解説。
転職したら入管への「14日以内の届出」をしましたか——所属機関等に関する届出
技人国・経営管理などの在留資格者は、離職・転職・会社名変更などを14日以内に入管へ届け出る義務があります(入管法19条の16)。忘れると20万円以下の罰金のほか、更新・永住申請でマイナス評価に。オンライン届出の方法と救済策を解説。
永住者・定住者は「何でもできる」人材——ただし雇用手続はゼロではありません
永住者・定住者等の雇用を解説。身分系4資格(永住者・日本人の配偶者等・永住者の配偶者等・定住者)は就労制限なし、在留カードの確認ポイント(永住者は7年更新)、雇用状況届出は必要(特別永住者のみ除外)、定住者の期限管理、転職の自由と採用実務上の留意点まで。
Googleマップの悪質口コミ——削除請求の手順と禁じ手
Googleマップの悪質口コミへの対応を解説。削除できる投稿(虚偽事実摘示の名誉毀損・なりすまし)と削除できない意見・感想の区別、真実性・公共性による違法性阻却、通報→送信防止措置依頼→削除仮処分(民事保全法23条2項)の三段階、自作自演レビュー(ステマ告示違反)や威嚇的返信の禁じ手まで。
退去時の原状回復——「通常損耗」を借主に負担させることはできない
退去時の原状回復——通常損耗は貸主負担が最高裁判例と民法621条の明文。借主に負担させる特約の厳格な要件。大家にも借主にも役立つ整理。
借主が法人だと家賃から20.42%引かれる——非居住者オーナーの源泉徴収
非居住者が所有する日本の不動産では、借主が法人・個人事業者の場合、賃料支払時に20.42%の源泉徴収が必要です(所得税法212条)。例外は個人の自己居住用。帰国後も賃貸を続けるオーナーの実務。
休職中は無給なのに社会保険料は取られる——誰が・どう払う・払えないとき
休職中も社会保険料の自己負担分の支払義務が続くことを解説(健保法161条)。無給でも会社は納付義務を負い本人分を請求してくること、傷病手当金からの充当の工夫、住民税の普通徴収切替、未払のまま退職した場合の精算まで。
労働時間の「客観的把握」は会社の法的義務(安衛法66条の8の3)——記録体制の整え方
2019年から労働時間の客観的把握は会社の法的義務(安衛法66条の8の3)。対象は管理監督者・裁量労働制適用者も含み、自己申告制には厳格な条件(基発0120第3号)。記録を出せない会社は残業代訴訟で労働者側の手帳・メール等による推計認定を受けやすい。開示請求への対応と整備チェックリストを会社側の視点で解説。
「試用期間満了で本採用拒否すればよい」は日本では通用しない——試用期間の日台差
台湾は試用期間満了で原則終了可。日本は本採用拒否も解雇の一種で合理的理由が必要(三菱樹脂事件)。有期契約の試用代用も見抜かれます。
外国人を雇う前に在留カードで見るべき3点——不法就労助長罪の恐怖
就労資格のない外国人を雇うと不法就労助長罪(3年以下の拘禁刑等)。「知らなかった」では原則免責されません。在留カードで見るべき3点。
会社の飲み会・社員旅行は労働時間か——「事実上の強制参加」が分かれ目
会社の飲み会・社員旅行が労働時間になる基準(指揮命令下・三菱重工長崎造船所事件)を解説。事実上の強制参加・幹事業務は労働時間、行事中の災害が労災になる場合、不参加を理由とする不利益まで。
解決金の相場観——金額を動かす要素と和解設計
労働紛争の解決金相場を解説。労働審判は賃金3〜6か月分帯中心・訴訟上の和解は6〜12か月分等への高額化傾向という分布、金額を動かす変数(解雇の筋・賃金額×時間・在籍年数・再就職状況・復職要求の本気度)、和解条項の基本セット(清算条項・口外禁止等)、解決金の退職所得整理と源泉、相場より筋という本質まで。
病歴・健康情報のプライバシー——無断HIV検査・内定取消しの裁判例
病歴・健康情報のプライバシーを解説。要配慮個人情報(個人情報保護法2条3項)としての保護、無断HIV検査+内定取消しを違法とした千葉地判平成12年6月12日労判785号10頁、無断B型肝炎検査の東京地判平成15年6月20日労判854号5頁、採用時・就業中に聞いてよい範囲、産業医・人事の情報共有の限界、慰謝料請求まで。
遅刻・無断欠勤を繰り返す社員——解雇の前に「段階」を踏む
遅刻・無断欠勤を繰り返す社員。警告なしの解雇はほぼ無効です。口頭注意→書面警告→軽い懲戒→解雇という「段階」と記録化の実務。
「退職後2年間は同業に従事しない」という誓約書にサインした——この紙にどれだけの効力があるか
競業避止の誓約書は、署名すれば有効というものではありません。フォセコ・ジャパン事件(奈良地判昭45.10.23判時624号78頁)以来、守るべき利益・地位・地域・期間・範囲・代償措置の6要素で判断され、代償なく広すぎる特約は公序良俗違反で無効になります(民法90条)。
土曜出勤は35%か25%か——「法定休日」と「所定休日」の違い
法定休日(35%)と所定休日(25%)の違いを解説。週1日の法定休日の意味(労基法35条)、土曜出勤の割増率の考え方、振替休日と代休の違いまで。
「壊した機械の代金は給料から天引き」は違法——賃金全額払いと相殺禁止
賃金からの一方的な天引き・相殺は労基法24条違反。従業員の同意がある相殺・賃金債権の放棄も「自由意思の客観的合理性」が必要——日新製鋼事件(最二小判平2.11.26民集44巻8号1085頁)・シンガー事件(最二小判昭48.1.19民集27巻1号27頁)。
家賃タダの社宅・無料のまかないは「給与」です——現物給与の課税ルール、経営者が最も引っかかる
会社が提供する社宅・食事・商品は税務上「現物給与」=給与課税の対象。社宅は賃貸料相当額の50%以上を徴収すれば非課税、食事は本人負担半額以上+会社負担月3,500円以下が条件。違反時の追徴は源泉徴収義務者である会社に来る。飲食店のまかないは要注意。
家賃滞納、いつ解除できるか——「信頼関係破壊」の法理と正しい回収手順
家賃滞納1〜2か月では解除が否定されることも。信頼関係破壊の法理と、催告→解除→明渡訴訟という唯一の適法ルートを解説。
外国人のマイナンバー——誰に付番され、いつ提供が必要で、いつ拒否できるか
住民登録した中長期在留者全員に付番(番号法7条)。会社・銀行・行政手続では提供が必要、法定用途外の要求は拒否できる(番号法19条・20条)。カードの期限は在留期間と連動。2024年12月から保険証一体化。
きょうだい共有の不動産、1人は売りたい1人は売りたくない——共有物分割の方法
共有不動産のデッドロックは、最終的に共有物分割請求(民法256条)で解消できます。協議→調停→訴訟(現物分割・賠償分割・換価分割)。2023年改正で所在等不明共有者の持分取得制度も新設。
中退共の使い方と注意点——お金は会社を経由しない
中退共を解説。掛金月5,000〜30,000円・全額損金・新規加入助成という基本、退職金は機構から従業員へ直接支払われ会社は受領も損害賠償との相殺もできないこと、懲戒解雇でも原則全額(減額は厚労大臣認定・減額分は会社に戻らない)、12か月未満不支給・24か月未満元本割れ、通算制度、他制度との比較まで。
マイカー通勤規程——単純通勤なら会社は原則免責、ただし管理次第
マイカー通勤規程を解説。単純通勤中の事故は使用者責任(民法715条)・運行供用者責任(自賠法3条)とも原則否定だが、業務利用・黙認・積極的奨励で肯定方向に傾くこと、許可制・任意保険付保義務(対人対物無制限+保険証券の毎年確認)・業務使用禁止という規程の核心、通勤手当の非課税限度と通勤災害の整理まで。
雇用契約書を作らずに働かせている——口約束採用の危険
雇用契約は口頭でも成立しますが、労働条件の書面明示は罰則付きの義務。書面がないと困るのは会社です。2024年改正の追加明示事項も解説。
「上司にパワハラされた」と申告が来たら——会社がやるべき5ステップ
社内でパワハラの訴えがあったとき、会社が踏むべき5つのステップ。中立的な調査手続こそが、会社の最良の防御です。
懲戒解雇と普通解雇はどう違う——選択を誤れば全部負ける
懲戒解雇は「制裁罰」、普通解雇は「契約の解約」——要件・手続・退職金・失業保険が全部違う。解雇事由があっても苛酷にすぎる解雇は無効(高知放送事件・最二小判昭52.1.31労働判例268号17頁)。
従業員の在留期間更新が不許可になったら——30日で勝負する対応手順
在留期間更新の不許可時対応を解説。不許可理由の聴取(入管での告知)、出国準備のための特定活動(30日・31日)への変更、31日付与なら再申請可能なこと、特例期間中の就労の扱い、行政不服審査法の適用除外(入管法の処分)と再申請・取消訴訟という選択肢、会社側の支援まで。
社員が見ていない就業規則では懲戒できない——最高裁判決
会社が就業規則に基づき問題社員を懲戒解雇。社員は「その規則は見たことがない」。最高裁は社員の側に立ちました。キーワードは「周知」です。
台湾在住でも日本の不動産には日本の相続税——国際相続の課税ルール
日本国内の不動産は、被相続人・相続人の居住地を問わず日本の相続税の課税対象です。基礎控除3,000万円+600万円×法定相続人、台日間に相続税の租税協定はなく、申告期限は10か月。
会社から「明日は来なくていい」——休業手当60%か賃金全額か
会社都合の休業には平均賃金の60%以上の休業手当が必要(労基法26条)。経営難・受注減も対象。会社に過失があれば民法536条2項で100%請求も——両者の関係はノースウエスト航空事件(最二小判昭62.7.17民集41巻5号1283頁)。
健康診断を拒否する従業員への対応——受診義務と受診命令
健康診断は会社の実施義務+労働者の受診義務(安衛法66条)。費用は会社負担。拒否する従業員への受診命令は有効(電電公社帯広局事件・最判昭61.3.13)。
日本で犬や猫を飼う——登録・予防注射は法律上の義務、咬傷事故は飼主が全額賠償
犬は登録+毎年の狂犬病予防注射が義務(狂犬病予防法4条・5条。違反は罰金)。咬傷事故は民法718条でほぼ無過失責任。賃貸は書面承諾を。遺棄は1年以下の拘禁刑(動物愛護管理法44条)。
正社員にはあって契約社員にはない——同一労働同一賃金で違法になる待遇差
正社員と契約社員・パートの待遇差はパート有期法8条で項目ごとに審査。通勤手当・皆勤手当の差は違法方向(ハマキョウレックス事件)、退職金・賞与は事案次第(メトロコマース事件等)。
離職票が届かない、失業給付が受けられない——会社の手続義務とハローワークという突破口
離職票が届かないときの対処を解説。会社の10日以内の手続義務(雇用保険法7条)、ハローワークへの直接申出と職権確認(9条)、受給期間1年の注意、離職理由(自己都合/会社都合)への異議まで。
「明日から行きません」——即日退職・退職代行への対応
「明日から行きません」——法律上は2週間ルール(民法627条)ですが、引き止めは現実的でない。退職代行への対応と損害賠償の現実。
携帯の契約・口座開設で在留カードを求められる——「必須」の場面と、断れる場面
銀行口座・送金は犯収法4条の取引時確認、携帯契約は携帯電話不正利用防止法——在留カードが標準の確認書類です。一方、入管法上の提示義務は入国審査官・警察官など限定(23条)。店や大家の「撮影保存」要求には用途を確認し、過剰収集は断れます。
従業員の就労ビザ更新——会社はどこまで支援すべきか
就労ビザ更新の会社支援を解説。在留期間更新許可申請(入管法21条・満了3か月前から)、特例期間(最長2か月)、カテゴリー別の会社側書類(法定調書合計表等)、不許可の典型原因(職務不一致・税社保未納)、転職者への就労資格証明書(19条の2)の勧めまで。
「自爆営業」はパワハラ——自腹購入の強要の法的整理
「自爆営業」(自腹購入の強要)を解説。パワハラ「過大な要求」類型該当、賃金全額払原則(労基法24条)と天引きの違法、賠償予定の禁止(労基法16条)、強要罪の射程、季節商品ノルマ・自社商品加入強要の典型例、証拠と損害賠償・未払賃金請求、会社側の境界線まで。
会社の定款、最後に見たのはいつですか——中小企業の定款見直しチェックリスト
定款見直しのチェックポイントを解説。絶対的記載事項(会社法27条)、株式譲渡制限(107条・139条)、相続人等に対する売渡請求(174条・行使期間1年)、取締役任期の伸長(332条2項)と解任時の339条2項リスク、定款変更の特別決議(466条・309条2項)まで。
拾った財布を届けないのは犯罪——遺失物法のルール:報労金5〜20%・3か月で所有権
拾った物は速やかに警察か施設占有者へ(遺失物法4条)——持ち去れば遺失物等横領罪(刑法254条・1年以下の拘禁刑等)。届ければ報労金5〜20%(28条)、3か月で所有権取得(民法240条)という権利もあります。失くした側の手続(カード停止・遺失届・在留カード再交付)も解説。
「交通費が出ない」は違法か——通勤手当に法律上の支払義務はない
通勤手当に法律上の支払義務はなく就業規則・契約で決まることを解説。規定すれば賃金として支払義務、非課税限度(月15万円)、割増賃金・最低賃金の基礎からの除外、不正受給の懲戒リスクまで。
倒産手続での未払賃金の優先順位——どの賃金が優先で戻るか、立替払制度の使い方
倒産時の未払賃金の優先順位を解説。破産手続での財団債権(破産法149条・破産手続開始前3か月の給料)と優先的破産債権、民法306条2号・308条の先取特権、賃確法7条の立替払制度(8割・年齢別上限)、会社法429条の取締役個人責任まで。
「日本人の配偶者等」の従業員を雇う——離婚の瞬間、在留資格のカウントダウンが始まります
日本人の配偶者等の雇用を解説。就労制限なしでどんな仕事も可能なこと、離婚・死別後6か月超の在留で取消対象になり得ること(入管法22条の4第1項7号)、配偶者としての活動を行わず6か月の届出義務(19条の16)、離婚後の定住者への変更・雇用継続の支援まで。
日本の懲戒処分の種類——けん責から懲戒解雇までの正しい使い方
けん責から懲戒解雇まで、日本の懲戒処分のメニューと使い方。前提は就業規則の根拠と周知(フジ興産事件・最二小判平成15年10月10日労判861号5頁)。減給の法定上限と弁明の機会。
身元保証書はまだ使えるか——2020年民法改正後は極度額がないと無効
身元保証書は2020年民法改正後、極度額の記載がなければ無効(民法465条の2)。期間上限5年・通知義務・裁量減責——制度の現在地と使い方。
【古典判例】従業員が勤務外で犯罪・逮捕——それでも懲戒解雇無効?私生活上の非行の限界・横浜ゴム事件(最三小判昭和45年7月28日民集24巻7号1220頁)
勤務外の住居侵入・罰金2500円での懲戒解雇は無効。横浜ゴム事件(最三小判昭和45年7月28日民集24巻7号1220頁)——私生活上の非行への懲戒の3視点(行為の性質・地位・事業の性質)。
契約してしまったが撤回したい——日本の「クーリング・オフ」8日以内なら無条件解約
訪問販売・電話勧誘は8日、マルチ商法は20日以内なら無条件解約(特定商取引法9条等)。ネット通販には原則クーリング・オフなし。2022年から電子メールでも行使可。書面不交付なら期間は進行しません。
非居住者が日本の不動産を売ると買主が10.21%源泉徴収——見落としがちなルール
非居住者が日本の不動産を売却すると、買主は原則として売買代金の10.21%を源泉徴収する義務があります(所得税法212条)。例外は1億円以下かつ買主の自己居住用の場合。帰国後に売却する台湾人オーナー必読。
賃貸借の連帯保証人——「極度額」の記載がなければ保証は無効
2020年民法改正後、個人の連帯保証には極度額の定めが必須。記載がなければ保証は無効で、滞納賃料を1円も請求できません。契約書の確認を。
「賞与をいくら出すかは社長の自由」——査定裁量の限界と不支給の違法リスク
賞与の有無・金額は原則会社の裁量ですが、就業規則等に支給規定があれば賃金請求権になり、査定の裁量も濫用審査を受けます。育休取得者への不利益な査定は違法です(育児介護休業法10条・東朋学園事件 最一小判平15.12.4労判862号14頁参照)。
「遅刻1回罰金5,000円」は違法——減給の制裁の上限(労基法91条)
「遅刻1回罰金5,000円」のような減給制裁の上限(労基法91条。1回の額が平均賃金の半日分以内・総額が賃金総額の10分の1以内)を解説。遅刻分の賃金カットとの区別まで。
外国人も使える「ふるさと納税」——自己負担2,000円で特産品をもらう仕組み
住民税を納める外国人なら国籍問わず利用可。自己負担2,000円で返礼品(地方税法37条の2)。上限額の試算、ワンストップ特例は5自治体以内、確定申告すると特例が全部無効になる罠。帰国予定者は持ち出しになるので注意。
従業員の会社メールを見てもいいのか——社内調査におけるモニタリングの限界
会社PC・会社メールの調査は、規程と調査の必要性・手段の相当性があれば適法です(F社Z事業部事件・東京地判平13.12.3労判826号76頁など)。規程がない場合は社会通念上相当な範囲かで判断。私物スマホ・私用アカウントは見られません。
部下がセクハラ被害に——会社も賠償する「使用者責任」と措置義務
セクハラは加害者本人だけでなく会社も使用者責任(民法715条)で賠償。均等法11条の防止措置義務も。管理職への厳しい懲戒は有効——L館事件(最一小判平27.2.26労働判例1109号5頁):事前警告は処分の前提ではない。
「契約は2年、2年経てば部屋は戻る」——間違いです。日本の賃貸借は自動では終わらない
日本の普通借家は期間満了でも自動更新。更新拒絶には「正当事由」が必要で、立退料を払っても足りないことがあります。解決策は定期借家契約。
「古い記録はもうない」は会社を救わない——賃金台帳・出勤記録の保存義務(労基法109条)
賃金台帳の調製(労基法108条)と記録の5年保存(当分の間3年・109条)は会社の義務。「古い記録は廃棄した」は残業代訴訟で免罪符にならず、労働者側の手帳・メール等による推計認定を招き、不明確な部分は会社に不利に扱われがち。保存年限の統一・電子化・開示請求への対応方針まで、会社側の整備ポイントを解説。
性自認と職場のトイレ——経産省事件最高裁判決
性自認と職場のトイレを解説。トランスジェンダー職員への女性トイレ使用制限を違法とした経産省事件(最三小判令和5年7月11日民集77巻5号1171頁)の骨格と射程、SOGIハラ・アウティングのパワハラ指針明記、本人の意向確認を出発点とする会社側の対応、相談窓口まで。
「あなたがパワハラ加害者だ」と言われたら——申告された側の正しい動き方
ハラスメントの加害者と申告されたら:申告者への接触は厳禁・調査には協力しつつ反論と反証を尽くす・弁明の機会は適正手続の核心。過重な処分は労契法15条で争える。会社は双方に公正である義務を負う。
様子が明らかにおかしいのに受診を拒む——会社は従業員に医師の受診を命じられるか
就業規則に根拠があれば受診命令は有効(電電公社帯広局事件・最一小判昭61.3.13労判470号6頁)。規定がなくても合理的・相当な範囲で可能です(京セラ事件・東京高判昭61.11.13労判487号66頁)。受診拒否への対応と休職発令前の手順を解説。
外国人を雇ってハローワークに届け出ましたか——外国人雇用状況届出は義務・罰金あり
外国人雇用状況届出を解説。労働施策総合推進法28条の全事業主の義務、雇用保険被保険者は資格取得届・喪失届に記載(翌月10日まで)、非被保険者は様式第3号(翌月末日まで)、永住者等も対象(特別永住者除く)、30万円以下の罰金と入管との情報共有まで。
高校生アルバイトを雇いたい——18歳未満の雇用ルールと禁止事項
18歳未満を雇うルール(労基法56〜62条)を解説。年齢証明書の備付け、深夜業・危険有害業務の禁止、中学生以下の原則禁止、高校生アルバイトの実務上の注意まで。
元従業員から残業代請求の内容証明が届いたら——放置が最悪の選択である理由
元従業員から残業代請求の内容証明が届いたら。時効3年・退職後は年14.6%の遅延損害金・最大同額の付加金——放置が最も危険です。正しい初動を解説。
36協定がなければ残業は1分でも違法——日本の残業制度の大前提
36協定の締結・届出がなければ残業は1分でも違法(罰則あり)。原則月45時間・年360時間、特別条項の上限、労働者代表選出の注意点。
非居住者への支払と源泉徴収——家賃・報酬を台湾へ送る前の20.42%
非居住者への支払と源泉徴収を解説。国内源泉所得への20.42%(賃料・報酬・使用料)・10.21%(不動産譲渡対価)の源泉徴収義務(所得税法212条・213条)、徴収漏れの責任は支払者にあること、帰国した大家への家賃・台湾フリーランサーへの報酬等の典型場面、日台民間租税取決めによる軽減と事前届出まで。
通勤手当・出張旅費は非課税——しかし「残業代の基礎から除外」「社会保険には算入」の三層の区別
通勤手当は月15万円まで非課税(所得税法9条1項5号)、出張旅費も非課税。しかし社会保険の標準報酬には通勤手当を「含める」、残業代の算定基礎からは「除外できる」(労基法37条5項)。税・社保・労基の三つのルールの違いを整理。
「平均賃金」の計算方法——解雇予告手当・休業手当・減給の上限、すべてこの数字で決まる
平均賃金(労基法12条)の計算方法を解説。直前3か月の賃金総額÷総日数(暦日数)、通勤手当・残業代も算入、賞与は除外、日給・時給者の最低保障(6割)、解雇予告手当・休業手当・災害補償・減給制裁の限度額の計算基礎になることまで。
自転車保険の義務化——東京都など多数の都道府県で条例上の義務に
自転車保険の義務化を解説。約9,500万円の高額賠償判決を契機とする東京都(2020年4月〜)等の条例義務化、個人賠償責任特約で足りること・家族全員カバー・重複加入の回避、TSマーク、自転車通勤を認める会社の確認義務と使用者責任、事故時の初動まで。
特定技能の登録支援機関の選び方——委託費の相場とダメな機関の見分け方
登録支援機関の選び方を解説。特定技能1号の義務的支援の全部委託(入管法19条の27以下)、言語対応の実態確認・支援実績・費用相場(月2〜3万円/人)・人材紹介兼営の利益相反という選定基準、委託しても受入企業の責任は消えないことまで。
海外在住者の国外リモート雇用
海外在住者の国外リモート雇用を解説。在留資格不要、非居住者の国外源泉所得は日本非課税・源泉徴収原則不要(所得税法161条・役員報酬は別)、社会保険の不適用と現地制度、準拠法と労務提供地の強行法規(法適用通則法7条・12条)、直接雇用・業務委託・現地法人の選択、PE認定リスク、個人データの越境移転まで。
外国人材の紹介手数料の相場と違法ブローカーの見分け方
有料職業紹介は許可制で、求職者本人からの手数料徴収は原則禁止(職業安定法32条の3)。企業側手数料の相場は理論年収の20〜35%。違法ブローカーの見分け方。
退職勧奨の面談で使える——「再就職手当」早期転職ほど得になる仕組み
再就職手当(雇用保険法56条の3)=残日数3分の1以上で再就職なら残日数×60%(3分の2以上なら70%)×日額の一時金。「早く決まるほど得」の制度は退職勧奨・希望退職の面談で正確に説明すれば合意形成を助ける——ただし断定・誘導は退職合意の取消事由になり得る。要件の落とし穴と説明の一線を会社側視点で解説。
経営者保証ガイドライン——社長の個人保証は外せる
経営者保証ガイドライン(2014年運用開始)を解説。保証なし融資の3要件(法人個人の分離・財務基盤・情報開示)、2023年4月からの金融機関の説明義務、事業承継時の二重徴求原則禁止(承継特則2019)、保証債務整理で華美でない自宅を残せる可能性、インセンティブ資産まで。
産前6週・産後8週——産前産後休業の完全ルールとお金の流れ
産前6週・産後8週の産前産後休業(労基法65条)を解説。産前は請求制・産後は強制(6週経過後は本人請求+医師の許可で就業可)、出産手当金・社会保険料免除などお金の流れまで。
台湾にいながら日本の財産を相続したら——日本の相続税の課税範囲と10か月の期限
課税範囲は被相続人・相続人の住所と在留歴で決まる(相続税法1条の3・2条)。台湾在住の相続人は原則国内財産のみ課税。基礎控除3,000万円+600万円×人数、申告期限10か月(相続税法27条)。小規模宅地特例が使えない場合も。台湾側の遺産税にも注意。
労災休業中は1日いくらもらえるか——休業補償給付の計算・申請・副業の合算
労災の休業(補償)給付を解説。待期3日(業務災害は会社が休業補償)、4日目から給付基礎日額の6割+特別支給金2割で計8割、複数事業労働者の賃金合算(2020年改正)、解雇制限(労基法19条)との関係、支給が続く期間まで。
ペット禁止物件で無断飼育が発覚——すぐ解除できるか
ペットの無断飼育は用法遵守義務違反(民法616条・594条)ですが、直ちに解除できるとは限りません。判例は信頼関係破壊の程度を要求。催告・改善指導→改善されない場合の解除という順序と証拠化。
「30年家賃保証」の真実——サブリースと無断転貸・民泊の法律
サブリースの保証賃料も借地借家法32条で減額され得る(最一小判平成15年10月21日民集57巻9号1213頁)。無断転貸と信頼関係法理、無断民泊への対応。転貸をめぐる法律知識。
従業員の秘密録音——日本の裁判所では証拠として採用され得ます
従業員の無断録音も裁判では原則証拠になります(著しく反社会的な方法のみ排除)。面談・指導は「録音されている前提」で行うのが実務の鉄則。
訴訟なしで強制執行——公正証書(執行証書)の活用法
公正証書(執行証書)の活用を解説。強制執行認諾文言付き公正証書が債務名義になること(民執法22条5号)、分割弁済合意・金銭消費貸借・養育費への活用、建物明渡しには使えない限界、保証意思宣明公正証書(民法465条の6)、公証人手数料まで。
技能実習生の受入れ——現行ルールと「育成就労」移行前の注意点
技能実習の現行ルールを解説。団体監理型の構造(監理団体→実習実施者)、技能実習計画の認定、1号→3号最長5年、転籍原則不可、受入企業の義務と認定取消リスク、失踪対策、育成就労(2027年開始予定・転籍緩和)への移行期の経営判断まで。
【判例紹介】「同僚を通じた監視・嫌がらせ」を訴えて40日欠勤——諭旨退職処分は無効・日本ヒューレット・パッカード事件(最二小判平成24年4月27日労判1055号5頁)
被害妄想による40日欠勤への諭旨退職処分は無効。日本ヒューレット・パッカード事件(最二小判平成24年4月27日労判1055号5頁)——精神不調にはまず受診勧奨・休職、処分より治療。
退職金の税金は意外なほど軽い——ただし「あの申告書」を出さないと20%引かれる
退職金は退職所得控除(勤続年数×40万円、20年超部分は×70万円)+2分の1課税・分離課税で税負担が軽い(所得税法30条)。ただし「退職所得の受給に関する申告書」を出さないと一律20.42%源泉徴収され、確定申告で取り戻すことになる。勤続5年以下の短期退職の例外も解説。
1日休んだらいくら引かれるのが正しいか——欠勤控除の計算ルールと「引きすぎ」の違法
欠勤控除の計算ルールを解説。ノーワーク・ノーペイの原則、就業規則の計算方法の定め方、「欠勤1日で2日分控除」のような過大控除が労基法91条・24条に違反する点まで。
ダブルワークの残業代は誰が払う?——副業の労働時間「通算」ルール
別の会社での労働時間は通算されます(労基法38条1項)。後から契約した会社が通算8時間超の割増賃金を負担するのが原則で、「うちは4時間だけだから残業なし」は誤解。管理モデルや複数業務要因災害の労災も解説。
従業員10人で就業規則の作成義務——ネットの雛形をそのまま使う危険
常時10人以上で就業規則の作成・届出義務。フジ興産事件(最二小判平成15年10月10日労判861号5頁)——懲戒処分は就業規則の定めと周知がなければできません。雛形コピーの危険。
詐欺で振り込んでしまったら——「振り込め詐欺救済法」でいくら戻るか
騙されて振り込んだら、直ちに振込先銀行へ連絡して口座凍結を——振り込め詐欺救済法により残高から按分分配を受けられます。残高ゼロなら戻らないのでスピードが命。入管・公安なりすまし等、華人を狙う典型手口も解説。
生理日で働けない——生理休暇(労基法68条)の請求方法と誤解
生理休暇(労基法68条)の請求方法を解説。医師の診断書は原則不要(エヌ・ビー・シー工業事件)、無給でもよいこと、不利益取扱いの限界、日数制限の可否まで。
日本の会社に退職金の支払義務はあるか——退職金制度の法律
退職金制度は法律上の義務ではない。ただし制度を設ければ退職金は賃金となり、不払いは違法。時効は5年。確認方法と中退共の仕組み。
契約書に印紙は必要か——印紙税の基本と「電子契約なら印紙不要」の理由
請負契約書・5万円以上の領収書などの課税文書には収入印紙が必要(印紙税法)。貼り忘れは3倍の過怠税(20条)。ただし印紙がなくても契約は有効。電子契約は紙の作成がないため印紙税ゼロ——電子帳簿保存法の保存要件とセットで。
手当の設計と残業単価——一つ足すと跳ね上がる構造
手当設計と残業単価の連動を解説。割増賃金の算定基礎から除外できる手当は限定列挙7種のみ(労基法37条5項・施行規則21条)、一律支給の住宅手当・家族手当は算入という実質判断、手当1万円追加の残業単価への跳ね返り試算、固定残業代の判例要件、歩合給の割増計算の特殊性、手当再編の不利益変更問題まで。
日々の残業の「15分未満切捨て」は違法——賃金計算の端数処理、適法と違法の線引き
賃金計算の端数処理のルール(昭63.3.14基発150号)を解説。1か月の残業時間合計の30分未満切捨て・30分以上切上げは適法だが日々の切捨ては違法、割増賃金の円未満四捨五入、1分単位の労働時間把握が原則であることまで。
給料を下げたい——日本法では「一方的な賃下げ」はほぼ無効です
一方的な賃下げはほぼ無効。個別同意の厳格な認定、就業規則変更の合理性(第四銀行事件・最二小判平成9年2月28日民集51巻2号705頁)、降格減給の根拠——失敗すれば全額+遅延損害金。
部下が上司を罵倒・集団無視・何かと「パワハラだ」——「逆パワハラ」への会社の対応
パワハラは上司から部下への言動に限りません。厚労省指針は部下・同僚の言動(知識・経験の優位、集団による行為)も「優越的な関係」に該当すると明記。部下の中傷ビラによる料理長の自殺を労災と認めた裁判例(国・渋谷労基署長〔小田急レストランシステム〕事件)、管理職の相談を放置した会社に賠償を命じた裁判例(アンシス・ジャパン事件)を踏まえ、逆パワハラへの会社の対応を解説。
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