賃金・残業代・退職金
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給料をPayPayで受け取る?——「賃金デジタル払い」の条件と拒否する権利
2023年解禁の賃金デジタル払い(労基法施行規則7条の2)。厚労大臣指定の資金移動業者限定・上限100万円・労使協定+本人同意が必要です。本人同意は必須で、会社は強制できません。破綻時は保証機関が全額保護。
「歩合給に残業代込み」は通用しない——歩合制・出来高払いの残業代
タクシー・運送業・営業職に多い歩合給。「残業代込み」は高知県観光事件(最判平6.6.13)で否定。歩合部分にも0.25倍の割増が必要(労基則19条1項6号)。計算方法と会社の対策。
2026年度の東京の最低賃金は時給1,280円——違反の罰則とチェック方法
2026年度の最低賃金は東京1,280円・全国加重平均1,177円(10月発効)。月給制は通勤手当・家族手当・固定残業代を除いて換算チェック。違反は50万円以下の罰金。
給与明細の「社宅費」「親睦会費」——天引きが合法になる条件:24条協定
社宅費・親睦会費などの賃金控除が適法となる条件(労基法24条ただし書の労使協定)を解説。協定なしの天引きは全額払い原則違反、控除できる項目の限界まで。
制服代は自腹?——費用負担のルールと「給料から天引き」の条件
制服費用の負担ルールを解説。労働者負担には明示(労基法15条)と就業規則記載(89条5号)が必要、天引きには24条協定、着脱時間は労働時間(三菱重工長崎造船所事件)、違約金の禁止(16条)まで。
「年俸制だから残業代はない」は誤解——年俸制導入前に経営者が知るべき3つのこと
年俸制の設計を解説。年俸制でも割増賃金の支払義務は免れないこと(高知県観光事件・最二小判平6.6.13労判653号12頁)、年俸に残業代を含める場合の明確区分(医療法人康心会事件・最二小判平29.7.7労判1168号49頁)、期中の一方的引下げ不可、賞与部分の扱いまで。
「休業手当」と「休業補償」——名前は似て中身は全く別。誰が払う・いくら・併用は?
休業手当(労基法26条・平均賃金6割)と休業補償(76条)の違いを解説。会社都合の休業と労災の休業の区別、民法536条2項の賃金全額請求との関係(ノースウエスト航空事件・最二小判昭62.7.17民集41巻5号1350頁)、不可抗力の抗弁の限界まで。
タイムカードがない会社——残業代請求はむしろ通りやすい
タイムカードがなくても残業代請求は可能——労働時間の把握義務は会社側にあり(安衛法66条の8の3)、PCログ・メール・手帳等から概括的に認定される。記録のない会社ほど訴訟で不利。
給料の五大原則——通貨・直接・全額・毎月一回・一定期日払い(労基法24条)
賃金支払の5原則(通貨・直接・全額・毎月1回以上・一定期日。労基法24条)を解説。相殺の禁止(日新製鋼事件・福島県教組事件)、調整的相殺の限界、デジタル払い・口座振込の位置づけまで。
「月給30万円(固定残業代含む)」の落とし穴——80時間分が全部無効とされた判決
固定残業代は基本給と明確に区別できなければ無効。80時間分の設定は公序良俗違反で全部無効——東京高裁判決の教訓と設計チェックリスト。
「年俸制だから残業代なし」——年俸1700万円の医師も残業代を勝ち取った
年俸制でも残業代は発生します。康心会事件(最二小判平成29年7月7日労判1168号49頁)——年俸1700万円の医師でも、残業代部分が判別できなければ全額未払い。判別可能性と対価性。
「店長」の肩書きで残業代は不要?——「名ばかり管理職」という有名な誤解
「店長だから残業代不要」は危険な誤解。管理監督者は実態で判断され(日本マクドナルド事件)、該当しても深夜割増は必要です(最高裁判例)。
最低賃金の減額特例——「最賃を下回れる」唯一の例外
最低賃金の減額特例を解説。最賃未満の定めの無効と差額請求(最賃法4条2項)、都道府県労働局長の許可による減額特例(7条)の5類型(障害・試の使用期間・職業訓練・軽易業務・断続的労働)、許可の大半が障害者類型である運用の現実、技能実習生・特定技能への不適用、労働者側の確認方法まで。
「管理職に残業代はない」は半分だけ正しい——管理監督者にも深夜割増と有休はある
管理監督者(労基法41条2号)にも深夜割増と年休は必要であることを解説。ことぶき事件最高裁判決、名ばかり管理職の判断基準(日本マクドナルド事件)まで。
台風・大雪で出勤できない日の賃金
台風・大雪の日の賃金を解説。本人出勤不能=ノーワーク・ノーペイで無給可、会社判断の休業=休業手当6割(労基法26条)だが不可抗力の例外あり、在宅勤務なら全額という三分法、年休充当の強制不可、暴風雪下の出勤強制の安全配慮義務問題、計画運休時代の規程設計まで。
固定残業代込みで最低賃金を下回っていないか——「時給換算」の正しい計算方法
最低賃金との比較は、固定残業代・通勤手当などを除いた基本部分で行います(最低賃金法4条3項・同法施行規則1条)。「月給25万円・固定残業60時間込み」は時給換算すると最低賃金割れのことも。自分で確認できる計算手順を解説。
会社が倒産して給料がもらえない——国が8割を立て替える「未払賃金立替払制度」
会社が倒産して給料が払われないとき、国(労働者健康安全機構)が未払賃金・退職金の8割を立て替えます(賃確法7条)。倒産前6か月以降の未払分が対象で年齢別上限あり。事実上の倒産(労基署認定)でも使え、請求期限は2年。
同業他社への転職で退職金が半分に——減額・不支給条項の効力の限界
同業他社への転職を理由とする退職金半減条項は、三晃社事件(最二小判昭52.8.9労経速958号25頁)で有効とされました。ただしその後の裁判例は不支給に「顕著な背信性」を要求——単なる同業転職での全額没収は多くが無効です。
「申請のない残業には払わない」は通るか——事前承認制の正しい運用
残業の事前申請・承認制自体は適法だが、会社が残業を知りながら黙認すれば「黙示の指揮命令」で労働時間と認定される。申請制+上司の制止義務+打刻との乖離確認がセット。
在職中に死亡——死亡退職金・未払給与は誰のものか。遺産に入るとは限らない
死亡退職金の扱いを解説。受給権者の定めがあれば相続財産ではなく固有の権利(最一小判昭55.11.27民集34巻6号815頁)、相続放棄しても受け取れる場合、相続税法上はみなし相続財産(非課税枠500万円×法定相続人数)、遺族補償との関係まで。
賞与支給日に在籍していないともらえない——支給日在籍要件
賞与の「支給日在籍要件」は最高裁が有効と判断(大和銀行事件・最判昭57.10.7)。査定期間を満了しても支給日前に退職するともらえない。退職のタイミングと規定の書き方。
「残業は命じていない、勝手にやった」——黙認した残業にも残業代は必要
命じていない持ち帰り残業・居残り残業も、会社が黙認していれば労働時間と認定されうる。黙示の指示の判断要素と、経営者がとるべき労働時間管理。
給料の遅配・不払——退職後は年14.6%の遅延利息
給料の遅配・不払を解説。全額払・一定期日払原則(労基法24条・罰金30万円以下)、在職中年3%・退職後年14.6%の遅延利息(賃確法6条と施行規則6条の除外事由)、賃金3分の1超2か月以上不払での特定受給資格者該当、未払賃金立替払制度、内容証明・労基署申告・支払督促の使い分けまで。
「研修期間は時給なし」の違法性——訓練時間も労働時間
「研修期間は時給なし」の違法性を解説。指示参加の研修は指揮命令下の労働時間(三菱重工長崎造船所事件・最一小判平成12年3月9日民集54巻3号801頁)、最低賃金法4条による補正、「自由参加」の例外の狭さ、試の使用期間の減額特例(最賃法7条2号)には労働局長許可が必要なこと、差額請求の方法まで。
「壊した機械の代金は給料から天引き」は違法——賃金全額払いと相殺禁止
賃金からの一方的な天引き・相殺は労基法24条違反。従業員の同意がある相殺・賃金債権の放棄も「自由意思の客観的合理性」が必要——日新製鋼事件(最二小判平2.11.26民集44巻8号1085頁)・シンガー事件(最二小判昭48.1.19民集27巻1号27頁)。
中退共の使い方と注意点——お金は会社を経由しない
中退共を解説。掛金月5,000〜30,000円・全額損金・新規加入助成という基本、退職金は機構から従業員へ直接支払われ会社は受領も損害賠償との相殺もできないこと、懲戒解雇でも原則全額(減額は厚労大臣認定・減額分は会社に戻らない)、12か月未満不支給・24か月未満元本割れ、通算制度、他制度との比較まで。
会社から「明日は来なくていい」——休業手当60%か賃金全額か
会社都合の休業には平均賃金の60%以上の休業手当が必要(労基法26条)。経営難・受注減も対象。会社に過失があれば民法536条2項で100%請求も——両者の関係はノースウエスト航空事件(最二小判昭62.7.17民集41巻5号1283頁)。
正社員にはあって契約社員にはない——同一労働同一賃金で違法になる待遇差
正社員と契約社員・パートの待遇差はパート有期法8条で項目ごとに審査。通勤手当・皆勤手当の差は違法方向(ハマキョウレックス事件)、退職金・賞与は事案次第(メトロコマース事件等)。
「交通費が出ない」は違法か——通勤手当に法律上の支払義務はない
通勤手当に法律上の支払義務はなく就業規則・契約で決まることを解説。規定すれば賃金として支払義務、非課税限度(月15万円)、割増賃金・最低賃金の基礎からの除外、不正受給の懲戒リスクまで。
倒産手続での未払賃金の優先順位——どの賃金が優先で戻るか、立替払制度の使い方
倒産時の未払賃金の優先順位を解説。破産手続での財団債権(破産法149条・破産手続開始前3か月の給料)と優先的破産債権、民法306条2号・308条の先取特権、賃確法7条の立替払制度(8割・年齢別上限)、会社法429条の取締役個人責任まで。
「賞与をいくら出すかは社長の自由」——査定裁量の限界と不支給の違法リスク
賞与の有無・金額は原則会社の裁量ですが、就業規則等に支給規定があれば賃金請求権になり、査定の裁量も濫用審査を受けます。育休取得者への不利益な査定は違法です(育児介護休業法10条・東朋学園事件 最一小判平15.12.4労判862号14頁参照)。
「古い記録はもうない」は会社を救わない——賃金台帳・出勤記録の保存義務(労基法109条)
賃金台帳の調製(労基法108条)と記録の5年保存(当分の間3年・109条)は会社の義務。「古い記録は廃棄した」は残業代訴訟で免罪符にならず、労働者側の手帳・メール等による推計認定を招き、不明確な部分は会社に不利に扱われがち。保存年限の統一・電子化・開示請求への対応方針まで、会社側の整備ポイントを解説。
「平均賃金」の計算方法——解雇予告手当・休業手当・減給の上限、すべてこの数字で決まる
平均賃金(労基法12条)の計算方法を解説。直前3か月の賃金総額÷総日数(暦日数)、通勤手当・残業代も算入、賞与は除外、日給・時給者の最低保障(6割)、解雇予告手当・休業手当・災害補償・減給制裁の限度額の計算基礎になることまで。
1日休んだらいくら引かれるのが正しいか——欠勤控除の計算ルールと「引きすぎ」の違法
欠勤控除の計算ルールを解説。ノーワーク・ノーペイの原則、就業規則の計算方法の定め方、「欠勤1日で2日分控除」のような過大控除が労基法91条・24条に違反する点まで。
ダブルワークの残業代は誰が払う?——副業の労働時間「通算」ルール
別の会社での労働時間は通算されます(労基法38条1項)。後から契約した会社が通算8時間超の割増賃金を負担するのが原則で、「うちは4時間だけだから残業なし」は誤解。管理モデルや複数業務要因災害の労災も解説。
日本の会社に退職金の支払義務はあるか——退職金制度の法律
退職金制度は法律上の義務ではない。ただし制度を設ければ退職金は賃金となり、不払いは違法。時効は5年。確認方法と中退共の仕組み。
手当の設計と残業単価——一つ足すと跳ね上がる構造
手当設計と残業単価の連動を解説。割増賃金の算定基礎から除外できる手当は限定列挙7種のみ(労基法37条5項・施行規則21条)、一律支給の住宅手当・家族手当は算入という実質判断、手当1万円追加の残業単価への跳ね返り試算、固定残業代の判例要件、歩合給の割増計算の特殊性、手当再編の不利益変更問題まで。
日々の残業の「15分未満切捨て」は違法——賃金計算の端数処理、適法と違法の線引き
賃金計算の端数処理のルール(昭63.3.14基発150号)を解説。1か月の残業時間合計の30分未満切捨て・30分以上切上げは適法だが日々の切捨ては違法、割増賃金の円未満四捨五入、1分単位の労働時間把握が原則であることまで。
給料を下げたい——日本法では「一方的な賃下げ」はほぼ無効です
一方的な賃下げはほぼ無効。個別同意の厳格な認定、就業規則変更の合理性(第四銀行事件・最二小判平成9年2月28日民集51巻2号705頁)、降格減給の根拠——失敗すれば全額+遅延損害金。
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