会社が倒産して給料がもらえない——国が8割を立て替える「未払賃金立替払制度」
2025-11-16
5秒でわかる結論
会社が倒産して給料が払われないとき、国(労働者健康安全機構)が未払賃金・退職金の8割を立て替えます(賃確法7条)。倒産前6か月以降の未払分が対象で年齢別上限あり。事実上の倒産(労基署認定)でも使え、請求期限は2年。
会社が突然倒産、社長と連絡が取れない、今月の給料が振り込まれない——そんなときは諦めないでください。国の立替払制度があります。
未払賃金立替払制度
賃金支払確保法7条に基づき、独立行政法人労働者健康安全機構が倒産した会社に代わって未払賃金・退職金の80%を支払います。
- 対象:定期賃金と退職金(賞与・見舞金は対象外)。
- 期間:退職日の6か月前以降に発生した未払分。
- 上限(未払総額の認定上限):30歳未満110万/30〜44歳220万/45歳以上370万円——支払われるのはその8割(45歳以上で最大296万円)。
「倒産」の2つの型
- 法律上の倒産:破産・民事再生・会社更生など。破産管財人等が証明書を発行します。
- 事実上の倒産:中小企業が事業活動を停止し支払能力がない場合に、労働基準監督署が認定します。正式な破産手続がなくても使えます——「社長が逃げた」状態の小さな会社ではこのルートが重要です。労基署への認定申請は退職日から6か月以内。
手続の流れ
- 倒産の型を確認(破産手続の有無)。
- 法律上の倒産→破産管財人に「証明書」を請求/事実上の倒産→労基署に「認定・確認」を申請。
- 労働者健康安全機構に請求書を提出(破産等の翌日から2年以内)。
- 審査後に振込。外国人・帰国済みの方も請求できます(海外口座への送金も可)。
注意点
- 残りの2割は消滅しません——会社(破産財団)への債権として残り、賃金債権には破産手続上の優先権があります(破産法149条・先取特権)。ただし実際の回収率は高くないのが実情です。
- 在留資格で働いている外国人:失業給付(雇用保険)や転職活動中の在留の問題を同時に処理する必要があります。並行して相談することをお勧めします。
※ 本記事は一般的な法律情報であり、個別の案件に対する法的助言ではありません。実際の案件については必ず弁護士にご相談ください。本記事の内容は記事作成日(2025-11-16)時点の法令・判例に基づくものであり、その後の法改正等により変わることがあります。