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解雇無効なら「その間の賃金全額」——バックペイの怖さ

2025-09-13

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5秒でわかる結論

解雇が無効なら、解雇期間中の賃金を全額遡及払い(民法536条2項)。他社で得た中間収入は控除できるが、平均賃金の6割までは控除不可——あけぼのタクシー事件(最一小判昭62.4.2労働判例506号20頁)。

日本の解雇訴訟で会社に最も重いのは慰謝料ではなく、バックペイ(解雇期間中の賃金の遡及払い)です。解雇が無効とされれば、解雇日から判決確定までの間に「本来支払われたはずの賃金」を全額支払うことになります。

働いていない期間になぜ払うのか

解雇が無効なら労働契約は存続しています。従業員が働けなかったのは会社が労務の受領を拒んだ(違法解雇した)からであり、会社の帰責事由による履行不能として賃金請求権は失われません(民法536条2項)。訴訟は通常1〜2年。月給40万円なら500〜1,000万円に達し、社会保険や賞与も問題になります。

他社で稼いだ分は控除できるか——あけぼのタクシー事件

解雇期間中に従業員が他で得た収入(中間収入)は控除できますが、最高裁あけぼのタクシー事件(最一小判昭和62年4月2日労働判例506号20頁)は、平均賃金の6割に達するまでの部分は控除できないとしました(労基法26条の休業手当の保障趣旨)。控除できるのは6割を超える部分のみで、かつ時期的に対応する期間の中間収入に限られます。

会社側のリスク管理

会社側の反論材料——就労の意思の切断

バックペイ請求の前提は労働者の就労の意思です。復職しない意思を明確にした場合や、他社に本就職して復職を放棄したと評価される場合は、その後の請求が切断されうる——これは会社側が訴訟・和解交渉で必ず検証すべき反論点です。相手方の転職活動や発言の記録が材料になります。

※ 本記事は一般的な法律情報であり、個別の案件に対する法的助言ではありません。実際の案件については必ず弁護士にご相談ください。本記事の内容は記事作成日(2025-09-13)時点の法令・判例に基づくものであり、その後の法改正等により変わることがあります。

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