高年齢雇用継続給付——2025年4月からの縮小と実務
2026-01-28
5秒でわかる結論
高年齢雇用継続給付を解説。被保険者期間5年以上・60〜65歳・賃金75%未満への低下という要件、2025年4月以後の60歳到達者から最大10%への縮小、在職老齢年金との併給調整、定年後再雇用の大幅減給とパート有期法8条(長澤運輸事件・最二小判平成30年6月1日民集72巻2号202頁)の関係まで。
60歳以降の賃金低下を補う高年齢雇用継続給付は、2025年4月から縮小されました。
制度の概要
- 要件:被保険者期間5年以上・60歳以上65歳未満・賃金が60歳時点の75%未満に低下。
- 給付率:2025年4月1日以後に60歳に到達した人は最大10%(それ以前の到達者は最大15%のまま)。61%以下への低下で最大率、61〜75%は逓減します。
縮小の背景
- 65歳までの雇用確保義務の定着と同一労働同一賃金規制の強化により、「給付があるから大幅減額でよい」という前提は崩れつつあります。再雇用賃金の設計を給付に依存してきた会社は再計算が必要です。
年金との調整
- 在職中の特別支給の老齢厚生年金と併給する場合、年金側が標準報酬月額の最大6%(新給付率では4%)相当停止されます。手取りは試算が必要です。
定年後の大幅減給自体の適法性
- 再雇用後に同一の職務内容で大幅減給する場合、パート有期法8条(不合理な待遇差の禁止)の問題になります。長澤運輸事件(最二小判平成30年6月1日民集72巻2号202頁)は、定年後再雇用の賃金差を一定程度許容しつつ、手当ごとの個別判断で精勤手当等の不支給を不合理としました。
- 労働者は待遇差の説明を求めることができ(パート有期法14条2項)、会社側は職務・責任の差異の説明を準備すべきです。
※ 本記事は一般的な法律情報であり、個別の案件に対する法的助言ではありません。実際の案件については必ず弁護士にご相談ください。本記事の内容は記事作成日(2026-01-28)時点の法令・判例に基づくものであり、その後の法改正等により変わることがあります。