従業員・退職者によるデータ持ち出し対策
2026-10-20
5秒でわかる結論
従業員・退職者によるデータ持ち出し対策を解説。営業秘密侵害罪(不正競争防止法21条・秘密管理性等3要件)、個人情報データベース等不正提供罪(個人情報保護法179条・法人両罰1億円=184条)、秘密保持義務違反の損害賠償と差止め(不競法3条)、懲戒・退職金の処理、不正目的類型としての漏えい報告義務、アクセス権限・ログ・退職時手続・委託先監督(25条)の予防策まで。
内部者の持ち出しには刑事の二本柱があります。①営業秘密侵害罪(不正競争防止法21条)——顧客名簿は秘密管理性・有用性・非公知性(同法2条6項)を満たせば営業秘密に当たりますが、秘密管理性の立証が実務上最大の関門です。②個人情報データベース等不正提供罪(個人情報保護法179条)——従業者・元従業者の不正な利益目的の提供・盗用につき1年以下の拘禁刑・50万円以下の罰金、法人には最高1億円の両罰(184条)で、営業秘密該当性を要しません。
民事・労務と報告義務
- 秘密保持義務違反の損害賠償、営業秘密の使用・開示の差止め(不正競争防止法3条)、懲戒処分・退職金の不支給減額が並行します。内部不正による漏えいは「不正目的」類型として委員会報告(確報60日)・本人通知の対象です。
予防
- アクセス権限の最小化、ログと検知、機密表示と規程(秘密管理性の立証材料)、退職時の機器回収・アカウント停止・誓約書、委託先監督(個人情報保護法25条)を平時に整備し、発覚時は証拠保全→本人聴取→懲戒・告訴・民事請求→報告通知の順で進めます。
※ 本記事は一般的な法律情報であり、個別の案件に対する法的助言ではありません。実際の案件については必ず弁護士にご相談ください。本記事の内容は記事作成日(2026-10-20)時点の法令・判例に基づくものであり、その後の法改正等により変わることがあります。