労働基準監督署の調査が来たら——正しい初動と是正勧告への対応
2026-01-20
5秒でわかる結論
労基署の調査には立入り・帳簿提出要求の権限があり、送検につながる場合も。是正勧告書の法的性質と、放置・虚偽報告が最も危険である理由。
ある日、労働基準監督署から連絡が入る。「調査に伺います。出勤記録と賃金台帳を準備してください」——。
労基署の調査とは
調査(臨検監督)には、定期的・計画的なものと、従業員(元従業員を含む)の申告を端緒とするものがあります。突然の調査は後者であることが少なくありません。監督官には事業場への立入り、帳簿の提出要求、尋問の権限があり、悪質な違反については司法警察職員として送検する権限もあります。
是正勧告書の法的性質
違反が認められると「是正勧告書」が交付されます。法的性質は行政指導であり強制処分ではありませんが、軽視は禁物です。
- 放置・不改善は悪質と判断され、送検に進むリスクがあります。
- 虚偽の是正報告も同様に送検リスクがあり、監督官の信頼を完全に失います。
- 是正後は期限内に是正報告書を提出します。後日、改善状況を確認する再監督もあり得ます。
正しい対応
- 誠実に対応する:資料は求めに応じて提出し、隠さない・加工しない。
- 指摘内容を正確に把握する:どの条文違反か、何をいつまでに是正するのか。
- 期限に間に合わない場合は事前に相談する:監督官の了解を得て是正計画書で経過を報告するのが実務上の対応です。
- 法的な争点は弁護士に相談する:固定残業代の有効性や管理監督者の範囲など、勧告の前提に議論の余地がある場合もあります。
最悪なのは指摘されることではなく、指摘後の誤った対応です。
※ 本記事は一般的な法律情報であり、個別の案件に対する法的助言ではありません。実際の案件については必ず弁護士にご相談ください。本記事の内容は記事作成日(2026-01-20)時点の法令・判例に基づくものであり、その後の法改正等により変わることがあります。