重要事項説明とIT重説——台湾にいながら日本の不動産契約を完結させる
2026-03-02
5秒でわかる結論
重要事項説明とIT重説を解説。宅建業法35条の重説義務と取引士証の提示、ビデオ通話による重説の本格運用(賃貸2017年・売買2021年)、2022年の書面電子化、海外在住のまま契約を完結させる流れと、日本語で行われる重説への備え・送金詐欺の見分け方まで。
台北にいながら東京の物件を借りる・買う——来日は必須ではありません。重要事項説明はオンライン(IT重説)で、書面は電子交付で完結できる時代です。
重要事項説明とは
- 宅建業者が介在する取引では、契約成立前に宅地建物取引士が重要事項を説明し、記載書面を交付します(宅建業法35条)。
- 中心は、権利関係(登記・抵当権)、法令上の制限、インフラ、賃貸なら敷金礼金・解約条件・原状回復、売買なら手付・契約不適合責任・ローン条項など。
- 取引士は取引士証の提示が必要です。重説なしの契約締結は業者側の法令違反です。
IT重説と電子書面
- ビデオ通話による重説は賃貸2017年10月・売買2021年から本格運用。要件は、双方向の映像音声・書面(または電子書面)の事前到達・取引士証の画面提示・通信不良時の中断です。
- 2022年5月の宅建業法デジタル改正で、35条書面・37条書面とも相手方の承諾を得て電子交付が可能になりました。
- 台湾からビデオ重説→電子契約→送金→鍵の受領まで、入国せずに完結することが法的には可能です(対応業者を選ぶ必要はあります)。
海外在住の買主・借主の注意点
- 重説は日本語で行われます。不明点はその場で確認を——「理解していなかった」は原則、取消事由になりません。中国語通訳の同席を依頼する方法もあります(費用は自己負担)。
- 事前受領した書面では、賃貸なら解約予告期間・更新料・原状回復特約・保証会社費用、売買なら私道負担・既存不適格・契約不適合責任の免責特約・手付解除期限を重点確認。
- 同意を得て重説を録画・保存しておくと紛争時の証拠になります。
- 送金は業者の指定口座へ本人名義で。「まず個人口座へ」は詐欺の典型シグナルです。
※ 本記事は一般的な法律情報であり、個別の案件に対する法的助言ではありません。実際の案件については必ず弁護士にご相談ください。本記事の内容は記事作成日(2026-03-02)時点の法令・判例に基づくものであり、その後の法改正等により変わることがあります。