算定基礎届(7月1日〜10日)——4・5・6月の給与が1年分の社会保険料を決める
2026-03-31
5秒でわかる結論
算定基礎届(定時決定)を解説。毎年4・5・6月の報酬平均で標準報酬月額を決定し9月から1年適用、固定的賃金の変動+2等級以上差での随時改定(月額変更届)、報酬の範囲(通勤手当・現物給与を含む)、4〜6月に残業が多いと保険料が上がる構造、届出漏れへの調査まで。
「なぜ4〜6月に残業が多いと、その後1年間の社会保険料が高くなるのか」——その3か月の給与の平均が、本人と会社の1年分の保険料の計算基礎になるからです。それが算定基礎届の世界です。
定時決定の仕組み
- 毎年7月1日〜10日に、年金事務所(健保組合)へ算定基礎届を提出:各被保険者の4・5・6月に支払った報酬を記載。
- 3か月平均→等級表に当てはめ→標準報酬月額が決定。
- 9月から1年間適用(翌年8月まで)。保険料=標準報酬月額×料率(労使折半)。
※支払基礎日数17日未満の月を除くなどの修正ルールがあります。4〜6月の残業代・各種手当はすべて報酬に入ります——この3か月の集中残業は1年分の保険料を直接押し上げます(会社負担も同額増)。
報酬の範囲
- 含む:基本給・残業代・通勤手当(6か月定期は月割換算)・住宅手当・現物給与(社宅・食事の現物——都道府県別の価額表で換算)
- 含まない:賞与(賞与支払届・標準賞与額で別途処理)・出張費の実費・慶弔見舞金
随時改定(月変)
年度の途中で固定的賃金(基本給・固定手当)が変動し、変動月からの3か月平均が現在の標準報酬月額と2等級以上の差+支払基礎日数17日以上→4か月目から改定(月額変更届)。昇給したのに月変を出さない=保険料過少=後から遡及追徴。降給したのに出さない=従業員が保険料を払いすぎる状態の放置です。
漏れ・誤りの帰結
- 年金事務所の定時調査(総合調査):賃金台帳・出勤簿と突合され、遡及訂正+追納(最長2年)。
- 故意の過少申告:健康保険法・厚生年金保険法の罰則対象(6か月以下の拘禁刑など)+従業員の将来の年金額を損なう民事責任リスク。
- パートへの適用拡大(51人以上企業・週20時間以上などの短時間労働者の適用)以降、「パートを加入させていない」との指摘が急増——対象判定は毎年チェックを。
※ 本記事は一般的な法律情報であり、個別の案件に対する法的助言ではありません。実際の案件については必ず弁護士にご相談ください。本記事の内容は記事作成日(2026-03-31)時点の法令・判例に基づくものであり、その後の法改正等により変わることがあります。