インフルエンザ社員への出勤停止命令と賃金
2025-12-11
5秒でわかる結論
インフルエンザ社員への出勤停止命令と賃金を解説。季節性インフルエンザは就業制限対象外(感染症法18条・安衛法68条)、本人労務不能なら無給+傷病手当金、会社判断の出勤停止なら休業手当6割(労基法26条)、在宅勤務なら全額という三分法、年休充当の強制不可、就業規則の設計まで。
「インフルなら出てくるな」は合理的ですが、その間の賃金は「誰の判断で働かないか」で決まります。
出発点:インフルエンザの法的地位
- 季節性インフルエンザは感染症法上の就業制限の対象ではありません(就業制限は結核・一類感染症等〔感染症法18条〕。安衛法68条の病者就業禁止も省令列挙に限られます)。
- 学校保健安全法の出席停止(発症後5日かつ解熱後2日等)は児童生徒の規定ですが、会社が基準設計の参考にするのは合理的です。
賃金の三分法
- ①本人が労務不能:病欠として無給が可能(ノーワーク・ノーペイ)。連続4日以上の欠勤で傷病手当金(約3分の2)の対象です。
- ②本人は就労可能だが会社が出勤停止を命じる:法律上の就業制限対象外の疾病について会社判断で休業させる以上、使用者の責に帰すべき事由として休業手当(平均賃金6割以上)が必要です(労基法26条)。感染防止という正当な目的は手当を免除しません。
- ③在宅勤務可能なら、在宅勤務命令+賃金全額が最も合理的な出口です。
年休の扱い
- 会社は年休での処理を強制できません(時季指定権は労働者・労基法39条5項)。本人の申請による充当は自由です。
会社側の設計
- 就業規則に出勤停止基準とその間の手当(6割か全額か)を明記すべきです。無理に出勤させて職場内感染が拡大すれば安全配慮義務(労契法5条)違反のリスクもあり、規程化が解決策です。
※ 本記事は一般的な法律情報であり、個別の案件に対する法的助言ではありません。実際の案件については必ず弁護士にご相談ください。本記事の内容は記事作成日(2025-12-11)時点の法令・判例に基づくものであり、その後の法改正等により変わることがあります。