日本で病気になって働けない——「傷病手当金」で給料の3分の2
病気で働けないとき健康保険から給料の約3分の2——傷病手当金。待期3日・通算1年6か月・退職後の継続給付まで、知らないと損する制度。
従業員が病気で長期療養になったとき、人事が最初に説明すべき制度が傷病手当金です。存在を知らない外国人従業員は少なくなく、「会社が教えてくれなかった」という不満は休職紛争の起点になります。外国人を雇用する会社こそ能動的な説明を。
傷病手当金とは
健康保険の被保険者が、業務外の傷病の療養のため働けないときに健康保険から支給される生活保障です(健康保険法99条)。仕事中・通勤中の傷病は労災保険という別制度です。
支給の条件
- 傷病の療養のため従来の仕事に就けないこと(医師の意見)
- 連続3日の休み(待期)の後、4日目から支給
- 休んだ期間について給与の支払いがないこと(支払われた分は調整)
いくら・いつまで
- 金額:おおむね標準報酬月額(12か月平均)÷30×3分の2を日額で支給。
- 期間:支給開始日から通算1年6か月。2022年の改正で「通算」になり、途中で復職した期間はカウントされません。うつ病など再発を繰り返す疾病に重要な改善です。
退職後の継続給付——人事も知っておくべき点
資格喪失日の前日まで継続して1年以上被保険者であったこと等の要件を満たせば、退職後も継続給付を受けられます(健康保険法104条)。休職期間満了で退職となる従業員への説明でこの点を伝えておくと、「会社に追い出された」という対立感情を大きく和らげられます。
流れ
①受診し労務不能の意見をもらう ②会社に報告し休職の調整 ③申請書(本人欄・医師欄・事業主欄)を協会けんぽ・健保組合に提出 ④月単位の申請が実務的。事業主証明欄はもともと会社が記載すべきもので、非協力は会社の立場を悪くするだけです。
※ 本記事は一般的な法律情報であり、個別の案件に対する法的助言ではありません。実際の案件については必ず弁護士にご相談ください。本記事の内容は記事作成日(2026-02-19)時点の法令・判例に基づくものであり、その後の法改正等により変わることがあります。