特定技能の登録支援機関の選び方——委託費の相場とダメな機関の見分け方
登録支援機関の選び方を解説。特定技能1号の義務的支援の全部委託(入管法19条の27以下)、言語対応の実態確認・支援実績・費用相場(月2〜3万円/人)・人材紹介兼営の利益相反という選定基準、委託しても受入企業の責任は消えないことまで。
特定技能1号の受入企業は支援計画の実施義務を負いますが、自社実施には中長期在留者の受入実績等の要件があるため、中小企業はほぼ登録支援機関への全部委託が主流です。問題は機関の品質格差です。
登録支援機関とは。出入国在留管理庁長官の登録を受けた支援代行機関(入管法19条の27以下)。事前ガイダンス・空港送迎・住居確保支援・生活オリエンテーション・日本語学習機会・相談対応・転職支援等の義務的支援の全部または一部を受託し、全部委託なら受入企業の支援体制要件は満たされたものとされます。
選定チェックリスト。①言語対応の実態:「中国語対応」は自己申告です。誰が対応するのか(専任か兼任か外部電話通訳か)、相談は24時間か平日日中のみか、台湾人材なら繁体字での書面対応が可能かを面談で確認。②支援実績:受入人数・分野・定期届出の遅延や不備の履歴。登録簿は入管庁サイトで公開され、登録取消歴も確認できます。③費用構造:相場帯は月2〜3万円/人+初期費用。異常に安い機関は支援がペーパーワークだけの可能性が高く、実地調査で爆発するのは企業側です。④人材紹介・監理団体の兼営:紹介料と支援費の両取り構造には利益相反の側面があります。義務項目である転職支援を中立に実施できるか確認を。⑤届出代行の範囲:受入企業自身の定期届出(四半期)・随時届出(契約変更・離職等14日以内)のどこまでが費用に含まれるか。
最重要原則:責任は委託しても移転しない。支援を委託しても受入企業の法的責任は消えません。支援計画不履行・届出懈怠の不利益処分(改善命令・受入停止)は企業に落ちます。機関からの報告書を読み、支援の実施状況を定期確認してください。契約書では中途解約条項(サービス不良時に乗り換えられるか)、資料の引継義務、個人情報の取扱いを確認。機関の変更は可能です——質の低い機関に縛られている企業は、早い乗換えが安心です。
※ 本記事は一般的な法律情報であり、個別の案件に対する法的助言ではありません。実際の案件については必ず弁護士にご相談ください。本記事の内容は記事作成日(2025-06-11)時点の法令・判例に基づくものであり、その後の法改正等により変わることがあります。