日本で交通事故に遭ったら——現場でやるべき5つのことと賠償の基本
2025-12-03
5秒でわかる結論
事故現場でやるべき5つのこと——救護・110番通報(道路交通法72条。立ち去ればひき逃げ)、記録、受診、人身事故への切替。賠償には自賠責・任意保険・裁判所基準の3つがあり、保険会社の当初提示は低いのが通常。過失割合も争えます。
日本で車やバイクの事故に遭った場合、現場での対応がその後の賠償に直結します。順を追って説明します。
現場で必ずやるべき5つのこと
- ①停車・負傷者の救護:道路交通法72条1項により運転者には救護義務があります。停まらずに立ち去ればひき逃げとなり、救護義務違反は最高で10年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金です(道路交通法117条2項)。
- ②警察への通報(110番):報告義務も72条の義務です。軽い接触で相手が「示談で済ませよう」と言っても必ず通報を——通報がないと交通事故証明書(自動車安全運転センター発行)が取得できず、保険請求が極めて困難になります。
- ③現場の記録:写真(車両損傷・路面・信号・ブレーキ痕)、相手の氏名・住所・ナンバー・保険会社、目撃者の連絡先。
- ④自分の保険会社への連絡。
- ⑤受診:その場で無事と思っても受診を。頸椎捻挫(むちうち)は数日後に症状が出ることが多く、受診が遅れるほど事故との因果関係の証明が難しくなります。
「物損」と「人身」の区別
警察の処理には物損事故と人身事故があります。負傷したのに物損扱いのままだと実況見分調書が作成されず、過失割合の争いで不利です。負傷した場合は医師の診断書を警察に提出し、人身事故へ切り替えましょう。
賠償金の3つの基準
- 人身損害の賠償実務には自賠責基準<任意保険基準<裁判所基準の3つの計算基準があります。保険会社の当初提示は自賠責基準に近いことが多いです。
- 裁判所基準(実務上は日弁連交通事故相談センター『民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準』が代表)は保険会社提示額を大きく上回るのが通常で、慰謝料・休業損害・後遺障害の金額差は数倍になることもあります。
- 強制保険(自賠責保険。自動車損害賠償保障法)は人身損害のみが対象で、車両などの物損は自賠責の対象外。相手の任意保険か直接請求(民法709条)によります。
過失割合
実務では『別冊判例タイムズ38号』の類型化基準が参照されます。交差点・直進対右折・車線変更など類型ごとに基本割合があり、具体的事情で修正されます。保険会社の主張する割合が正しいとは限らず、争う余地があります。
相手が無保険・ひき逃げで特定できない場合は、政府保障事業(自動車損害賠償保障法72条)で人身損害の填補を受けられます。
※ 本記事は一般的な法律情報であり、個別の案件に対する法的助言ではありません。実際の案件については必ず弁護士にご相談ください。本記事の内容は記事作成日(2025-12-03)時点の法令・判例に基づくものであり、その後の法改正等により変わることがあります。