入社誓約書に書くべきこと——有効な条項・無効な条項・身元保証書の極度額
2025-12-21
5秒でわかる結論
入社誓約書の設計を解説。書くべき条項(経歴の真実性表明・秘密保持・反社排除等)、無効な条項(違約金の定め=労基法16条違反)、身元保証書の極度額義務(民法465条の2・2020年改正)と身元保証法の5年上限まで。
入社誓約書は会社ルールの「入口の宣誓」です。しかし書き方を誤ると、条項が無効になるだけでなく、労基法違反になることもあります。
書くべき条項(有効かつ有用)
- 服務規律・就業規則の遵守の宣誓。
- 秘密保持(入社時版。在職中・退職時は別途取得——三段構え)。
- 個人情報・顧客情報の適正な取扱い。
- 経歴・資格の真実性の表明保証:「履歴書・職務経歴書の記載はすべて真実であり、虚偽があれば懲戒を受けても異議ない」——経歴詐称発覚時の処分の重要な根拠になります。
- 反社会的勢力の排除:暴力団員等でないことの表明・確約。
- 兼業の事前届出(許可制の範囲は合理的に)。
書けない・書いても無効な条項
- 「○年間は退職しません」「中途退職時は違約金○万円を支払います」——労基法16条が違約金・損害賠償額の予定を禁止しています。条項無効+会社が違法(罰則:6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金)です。
- 「退職後○年間は同業に従事しない」という包括的競業避止——誓約書の一文では足りず、期間・地域・職種の限定と代償措置がなければ公序良俗違反で無効となるリスクが高いものです。
- 「一切の損害を本人が賠償する」——労働者の賠償責任はもともと判例で大幅に制限されており、この種の条項に文言どおりの効力はありません。
身元保証書のいま
- 2020年4月の民法改正後、個人根保証契約は極度額を定めなければ無効です(民法465条の2)。身元保証書には「極度額○○万円」の記載が必須です。
- 身元保証法:期間を定めない場合3年・約定の上限は5年(更新可)、本人に業務不適任等の事情が生じたときの会社から保証人への通知義務、保証人の解除権があります。
- 実益は限定的(金額・執行可能性)で、近年は身元保証を取らず、誓約書+緊急連絡先で代替する会社が増えています。
※ 本記事は一般的な法律情報であり、個別の案件に対する法的助言ではありません。実際の案件については必ず弁護士にご相談ください。本記事の内容は記事作成日(2025-12-21)時点の法令・判例に基づくものであり、その後の法改正等により変わることがあります。