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訴訟なしで強制執行——公正証書(執行証書)の活用法

2025-05-31

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5秒でわかる結論

公正証書(執行証書)の活用を解説。強制執行認諾文言付き公正証書が債務名義になること(民執法22条5号)、分割弁済合意・金銭消費貸借・養育費への活用、建物明渡しには使えない限界、保証意思宣明公正証書(民法465条の6)、公証人手数料まで。

「返済計画書に署名させたのに払わない。また一から裁判ですか」——最初に公正証書を作っていれば、答えは「いいえ」です。

執行証書とは。公正証書は公証人が作成する公文書です。そのうち、①金銭の一定の額の支払等を目的とし、②債務者が直ちに強制執行に服する旨の陳述(強制執行認諾文言)が記載されたものを執行証書といい、それ自体が債務名義になります(民事執行法22条5号)。つまり相手が払わないとき、訴訟を経ずに預金・不動産・売掛金の差押えを申し立てられます。

公正証書に適した場面。①金銭消費貸借。②未回収売掛金の分割弁済合意——回収交渉の出口です。私文書の合意では不履行時に結局訴訟ですが、公正証書なら直ちに執行できます。③事業用融資の第三者個人保証では、保証意思宣明公正証書がそもそも必須です(民法465条の6)。④離婚時の養育費・慰謝料・財産分与。⑤遺言公正証書。

限界。①対象は金銭の一定額の支払(又は代替物・有価証券の一定数量の給付)に限られます。建物明渡しは執行証書では執行できず、訴訟か即決和解(民訴法275条)が必要です。②将来の請求権(養育費等)も可能ですが、金額が確定または確定可能であることが必要。③違法・公序良俗違反の内容は公証人が審査します。

費用と作成。公証人手数料は目的価額に応じ、100万円以下5,000円、500万円以下11,000円、1,000万円以下17,000円など。訴訟の印紙代+弁護士費用より一桁安い。双方(又は代理人)が公証役場に出向き、本人確認資料・印鑑証明・合意内容の案を持参します。事前に条項案を整えてから行けば1回で完成します。

実務の勧め。回収交渉で相手が分割払いを求めてきたら、「強制執行認諾文言付き公正証書の作成」を分割に応じる条件にしてください。応じる相手は返済意思のある相手、拒む相手には早期の法的手段を。

※ 本記事は一般的な法律情報であり、個別の案件に対する法的助言ではありません。実際の案件については必ず弁護士にご相談ください。本記事の内容は記事作成日(2025-05-31)時点の法令・判例に基づくものであり、その後の法改正等により変わることがあります。

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