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社員が突然の音信不通・無断欠勤——手紙一通では解雇できない。「公示送達」と自然退職条項

2026-08-09

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5秒でわかる結論

音信不通社員への解雇は意思表示の到達が必要(民法97条1項)。行方不明なら簡裁への公示送達(民法98条・掲示+官報掲載から2週間で到達みなし・98条3項の過失に注意)+30日予告(労基法20条)で2〜3か月コース。実際的な対策は就業規則の自然退職条項(無断欠勤14日・所在不明30日等)の事前整備。

「新入社員がある日突然出社しなくなり、電話も繋がらずLINEも既読にならず、実家とも連絡が取れない」——この種の相談は近年明らかに増えています。「住所に解雇通知を郵送すればよい」と考える経営者が多いのですが、法的にはそれでは足りません。

解雇の通知は本人に「到達」しなければならない

解雇は会社が労働契約を一方的に解約する意思表示であり、民法97条1項により意思表示は相手方に到達して初めて効力を生じます。「到達」は本人の手渡し受領までは不要で、住居の郵便受けに入れる等、本人の支配圏内に置かれれば足ります。しかし本人が住居に戻っておらず行方不明の場合、郵便受けに投函しても到達とは認められず、解雇は効力を生じません。

行方不明時の正攻法:公示送達

全工程で通常2〜3か月を要し、その間当該社員は在籍のまま、社会保険等の処理も宙に浮きます。

より実際的な対策:自然退職条項

就業規則に「正当な理由なく連続14日無断欠勤したとき」「所在不明で連絡不能の状態が30日続いたとき」等を当然退職(自然退職)事由として定めておく方法です。自然退職は解雇ではなく意思表示でもないため、就業規則所定の事由の成就により労働契約が自動的に終了し、通知の到達を要しません。音信不通型への最も有効な予防的整備ですが、事前に就業規則に定めてあることが条件です。まだ規定のない会社は早めの改定をお勧めします。

なお、欠勤が始まった段階で直ちに「失踪」と断定しないこと。本人が傷病で入院している可能性もあります。まず連絡努力(電話・メール・緊急連絡先・必要なら住居訪問)を尽くして経過を記録することが、その後のあらゆる処理の前提になります。

※ 本記事は一般的な法律情報であり、個別の案件に対する法的助言ではありません。実際の案件については必ず弁護士にご相談ください。本記事の内容は記事作成日(2026-08-09)時点の法令・判例に基づくものであり、その後の法改正等により変わることがあります。

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