「試用期間をもう3か月延長」はできるか——試用期間の延長と本採用拒否
2026-04-27
5秒でわかる結論
試用期間の延長には就業規則の根拠規定と合理的理由が必要。本採用拒否は法的には解雇(三菱樹脂事件・最大判昭48.12.12)。認められる例・認められない例。
「3か月の試用期間が終わるが見極めがつかない、もう3か月延ばそう」——日本では、試用期間の延長も本採用拒否も、会社の自由にはなりません。
試用期間の法的性質
三菱樹脂事件(最大判昭和48年12月12日民集27巻11号1536頁)は、試用期間を「解約権留保付労働契約」と性質決定しました。契約は既に成立しており、会社が解約権を留保しているだけです。したがって試用期間満了時の本採用拒否は法的には解雇であり、通常の解雇より広く認められる余地はあるものの、解約権留保の趣旨・目的に照らして客観的に合理的で社会通念上相当な場合に限られます。
延長の要件
- 就業規則等に延長の根拠規定があること(「必要がある場合は○か月延長することがある」等)。規定なしの延長は原則不可。
- 合理的な理由があること:出勤状況に問題があるが改善の兆しがある、病気欠勤で十分な評価ができなかった等、「もう一度機会を与える」方向の理由。
- 期間は合理的な範囲に限る。反復・長期の延長は権利濫用として無効と判断されるリスクがあります。
- 延長時は理由と期間を書面で通知する。
本採用拒否が認められる例・認められない例
- 認められる方向:遅刻・欠勤が多く指導しても改善しない、経歴詐称の発覚、具体的な記録のある能力・適格性の欠如。
- 否定される方向:「何となく合わない」などの主観的評価、具体的な指導記録がない、改善の機会を与えていない。
経営者の実務
試用期間は「いつでも辞めさせられる期間」ではありません。14日を超えて勤務した後の解雇には30日前の予告または解雇予告手当が必要です(労基法20条・21条)。評価は書面に残し、指導は具体的に——それがなければ本採用拒否は後から覆されます。
※ 本記事は一般的な法律情報であり、個別の案件に対する法的助言ではありません。実際の案件については必ず弁護士にご相談ください。本記事の内容は記事作成日(2026-04-27)時点の法令・判例に基づくものであり、その後の法改正等により変わることがあります。