役員退職金——決議・相場・税務の三つの関門
2025-12-20
5秒でわかる結論
役員退職金を解説。退職慰労金も会社法361条の報酬等で総会決議必要、基準に従う一任決議の有効性(最二小判昭和39年12月11日民集18巻10号2143頁)、功績倍率方式の計算と「不相当に高額」の損金不算入(法人税法34条2項)、死亡退職金の非課税枠(500万円×法定相続人数)・弔慰金、分掌変更による実質退職支給の要件まで。
役員退職慰労金は会社法361条の「報酬等」であり、定款の定めまたは株主総会決議が必要です。取締役会への一任決議は、内規・基準に従って支給する趣旨である場合に有効です(最二小判昭和39年12月11日民集18巻10号2143頁の枠組み)。役員退職慰労金規程の整備が出発点であり、決議なき支給は任務懈怠・返還請求の対象です。
金額と税務
- 実務は功績倍率方式(最終報酬月額×在任年数×功績倍率。社長3.0前後が通例ですが絶対基準はなく同業類似規模比較が税務上の基準)。法人税法34条2項により「不相当に高額」な部分は損金不算入です。死亡退職金には相続税の非課税枠(500万円×法定相続人数)、弔慰金には業務上死亡36か月分・業務外6か月分の目安の運用があります。
分掌変更による支給
- 社長から非代表の会長への分掌変更等での「実質退職」支給は、報酬の概ね半減以下・経営上の主要地位の喪失等が要件で、実権が残る「退而不休」は否認されがちです。
※ 本記事は一般的な法律情報であり、個別の案件に対する法的助言ではありません。実際の案件については必ず弁護士にご相談ください。本記事の内容は記事作成日(2025-12-20)時点の法令・判例に基づくものであり、その後の法改正等により変わることがあります。