社内表彰の賞金・賞品は課税されるか——原則は給与課税、例外は狭い
2026-04-04
5秒でわかる結論
社内表彰の課税を解説。表彰金品は原則給与所得で源泉徴収が必要なこと、非課税の例外(永年勤続表彰の記念品・旅行〔通達36-21〕、創意工夫の少額表彰〔36-22〕)、現金・商品券は不可、職務発明の相当の利益(特許法35条)との区別まで。
「表彰はご褒美であって給料ではないから、課税されないのでは」——逆です。表彰金品は原則として給与であり、源泉徴収を漏らすと、税務調査で追徴されるのは会社です。
原則:給与課税
勤務・業績を理由として受ける金品は労務の対価=給与所得です。業績表彰金・営業成績優秀賞・社内アワード——名目を問わず、現金支給は原則全額課税されます(社会保険上も賞与・報酬に算入されることが多いので注意)。
非課税の例外(狭い)
- 永年勤続表彰(所得税基本通達36-21):①勤続おおむね10年以上の人②旅行・観劇への招待または記念品③社会通念上相当な額④2回目以降はおおむね5年以上の間隔——をすべて満たせば非課税。現金・商品券は不可(換金性が高い=給与)です。
- 創意工夫表彰(36-22):仕事上の工夫・改善の表彰は少額(実務上数千円程度が目安)なら非課税。高額の場合は、職務に直接関係すれば給与、関係しなければ一時所得などの整理になります。
- 社内運動会・イベントの賞品など、少額・全員参加型で交際費・福利厚生費的な性質のもの。
間違えやすい隣接制度
- 職務発明の「相当の利益」(特許法35条):発明報奨は法定の制度で金額も大きくなり得ます。課税上も、承継時の報奨は譲渡所得・雑所得など(給与ではない)とする整理があり——表彰制度とは分けて設計します。
- 慶弔見舞金:福利厚生の非課税枠(社会通念上相当額)は別の基準です。
- 賞与:「決算表彰金」を全員に業績比例で支給する実態なら、それは単なる賞与です。社会保険の賞与支払届も忘れずに。
制度設計の要点
- 表彰規程:対象事由・選考方法・金品の内容を明定(恣意的運用は不満のもと)。
- 現金表彰→最初から給与として処理(源泉+社会保険)する前提で予算設計。
- 永年勤続→記念品・旅行型(非課税要件を満たす形)で設計。
- 迷ったら税理士に——「名目が表彰」でも課税の結論は変わりません。
※ 本記事は一般的な法律情報であり、個別の案件に対する法的助言ではありません。実際の案件については必ず弁護士にご相談ください。本記事の内容は記事作成日(2026-04-04)時点の法令・判例に基づくものであり、その後の法改正等により変わることがあります。