台湾からの送金と贈与税——海外の家族からのお金はどこから課税か
2025-08-20
5秒でわかる結論
台湾からの送金と贈与税を解説。日本居住の受贈者は国外財産の贈与も課税対象となる原則(相続税法1条の4)、年110万円の基礎控除と扶養義務者間の都度給付の生活費・教育費の非課税(21条の3)、100万円超の国外送金等調書による把握、住宅資金援助の特例と相続前贈与加算まで。
日本で働く・学ぶ人に台北の親が300万円を送金——「台湾からでも日本の税金?」。枠組みは明快で、国境ではなく用途と金額で決まります。
原則——受贈者が日本居住なら日本の贈与税
- 受贈者が日本の居住者なら、国外財産の贈与も原則として日本の贈与税の課税対象です(相続税法1条の4・2条の2)。「台湾で渡した・財産は台湾にある」は出口になりません(在留資格・居住年数により課税範囲が変わり得ますが、就労系で長く住む外国人は全世界課税の方向です)。
- 台湾側には台湾の贈与税があり(台湾は贈与者課税・日本は受贈者課税と構造が逆)、両国の申告義務は別々に確認が必要です。
二つのセーフゾーン
- ①年110万円の基礎控除:暦年合計110万円以内なら申告不要・非課税。超えたら翌年2月1日〜3月15日に贈与税申告。
- ②扶養義務者間の生活費・教育費:親から子への学費・生活費のうち「通常必要」な部分は非課税(相続税法21条の3第1項2号)。ただし必要な都度の給付が条件で、4年分の学費を一括送金して預金したり、生活費名目で投資や車の購入に充てれば、その部分は課税対象の贈与です。
税務署はどう把握するか
- 100万円超の国外送金は銀行が国外送金等調書を税務署に提出します——越境送金は最初の1本から見えています。
- 不動産購入時の「お尋ね」(資金出所の照会)は定番で、頭金の出所を説明できなければ贈与認定の方向に進みます。
- 証拠作り:送金目的の明記、学費は学校へ直接払いが最もクリーン、高額贈与には贈与契約書+双方署名が基本です。
よくある場面の整理
- 留学生の学費・生活費:都度給付なら非課税。
- 住宅購入の頭金援助:生活費非課税は使えません(財産形成のため)。110万円超は課税となるため、住宅取得等資金贈与の非課税特例(直系尊属・要件厳格・申告必須)の併用を検討。
- 夫婦間の送金:生活費の範囲は非課税。「貯めておいて」式の大口移転は課税贈与の典型です。
- 相続開始前7年以内の贈与加算(2024年以後の贈与から段階的に延長)など相続税との連動にも注意。
※ 本記事は一般的な法律情報であり、個別の案件に対する法的助言ではありません。実際の案件については必ず弁護士にご相談ください。本記事の内容は記事作成日(2025-08-20)時点の法令・判例に基づくものであり、その後の法改正等により変わることがあります。