出張旅費規程の作り方——日当は非課税にできる。ただし規程がなければ給与課税
2026-08-28
5秒でわかる結論
出張旅費規程を解説。日当の非課税の根拠(所得税法9条1項4号・基本通達9-3)、規程の整備と全員公平運用が条件であること、規程に定めるべき事項と日当の相場観、社会保険の報酬にも算入されないこと、課税される典型パターンまで。
日当は数少ない「適法な非課税支給」の一つです——しかし税務調査の最初の一言は「旅費規程を見せてください」。規程のない日当は、全額が給与課税になります。
非課税の根拠と条件
所得税法9条1項4号により、出張旅行に「通常必要」な範囲の支給は非課税です。判断基準(所得税基本通達9-3)は——
- 規程に基づき役職等のバランスのとれた支給であること
- 同業種・同規模の会社と比較して相当な金額であること
非課税の日当は社会保険の報酬・労働保険の賃金にも算入されません——会社・本人双方に有利な適法設計です。
旅費規程に定めるべき事項
- 出張の定義:例「片道○○キロ以上の業務旅行」。日帰りと宿泊の区別。
- 交通費:実費(経済合理的な経路)。新幹線・飛行機の利用基準、グリーン車等の役職基準。
- 宿泊費:実費上限制か定額制(例:一般職○円・管理職○円)。
- 日当:金額表。相場観として国内日帰り2,000〜3,000円・宿泊3,000〜5,000円程度が無難な水準で、役職差は設けられますが極端な倍率は避けること。社長一人会社での高額日当は調査の典型的な指摘ポイントです。
- 精算手続:申請→承認→精算の流れと期限、領収書の要否。
課税される典型パターン
- 規程が存在しない・あっても役員だけに運用(全員対象性の欠如)。
- 日当が著しく過大(1日数万円など)→相当額を超える部分は給与。
- 実際には出張していない日当の計上(出張記録・行程の証憑不備)——これは経費仮装の問題になります。
整備の順序
- 規程の作成(就業規則の付属規程。意見聴取・届出の対象)。
- 金額表の設定(同業相場の確認)。
- 出張報告書・精算書の様式統一、記録の保存。
※ 本記事は一般的な法律情報であり、個別の案件に対する法的助言ではありません。実際の案件については必ず弁護士にご相談ください。本記事の内容は記事作成日(2026-08-28)時点の法令・判例に基づくものであり、その後の法改正等により変わることがあります。