日本の会社をたたみたい——解散・清算の手続・費用と「放置」のリスク
2026-06-05
5秒でわかる結論
会社は放置しても消滅しません。株主総会の特別決議→清算人→官報公告2か月以上(会社法499条)→清算結了登記が正規の手順。放置すれば均等割(年約7万円)が課税され続けます。経営・管理ビザは3か月以上活動しないと取消し対象(入管法22条の4)。
「商売がうまくいかないから、会社は放っておけばいい?」——日本では、会社は自動的には消滅しません。手続をしなければ、税金と義務がずっと付いてきますし、在留資格にも影響します。
正規のたたみ方:解散→清算→結了
- 株主総会の特別決議(会社法471条3号・309条2項:議決権の過半数が出席+3分の2以上の賛成)で解散を決議し、同時に清算人を選任します(通常は元の代表取締役・478条)。
- 解散・清算人の登記(2週間以内):登録免許税は解散3万円+清算人選任9,000円。
- 債権者保護手続:官報公告2か月以上+判明している債権者への個別の催告(会社法499条)——このため清算にはどんなに早くても2か月超かかります。
- 財産の換価・債務の弁済・残余財産の分配→決算報告の承認→清算結了の登記(登録免許税2,000円)で会社は消滅します。
- 税務:解散日までの解散事業年度の申告+清算中の各事業年度+残余財産確定日の申告。税務署・都道府県・市町村に異動届を提出します。帳簿資料は10年保存です(会社法508条)。
債務超過の場合は通常清算はできず、特別清算または破産の申立てが必要です。債権者に債務を隠して清算を強行すれば、清算人が損害賠償責任を負います。
「放置」の末路
- 法人住民税の均等割(最低でも年約7万円)は売上ゼロでも課税され続けます——無申告なら推計課税・加算税の対象です。
- 12年間何の登記もしていない株式会社は、法務大臣の公告を経て職権でみなし解散とされます(会社法472条)——ただしこれは清算の完了ではなく、税務上の義務は残ります。
- 「休眠」(税務署等への異動届で活動停止)は申告の実務負担を一時的に軽くできますが、均等割の減免は自治体次第で、会社法上の義務(役員改選登記など)も消えません——休眠は「決断の先送り」であって「たたむこと」ではありません。
経営・管理ビザの経営者の注意
- 会社をたたむ=「経営・管理」の在留資格の活動基盤の喪失です。3か月以上その活動を行わないと、在留資格を取り消され得ます(入管法22条の4第1項6号)。
- 日本に残るつもりなら、次の足場(転職→技術・人文知識・国際業務などへの変更申請、または新事業)を固めてから清算に入ること。台湾に戻るなら、税務の納税管理人・住民票の転出・年金の脱退一時金など、出国の手続も忘れずに。
※ 本記事は一般的な法律情報であり、個別の案件に対する法的助言ではありません。実際の案件については必ず弁護士にご相談ください。本記事の内容は記事作成日(2026-06-05)時点の法令・判例に基づくものであり、その後の法改正等により変わることがあります。