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従業員が開発した技術・書いたプログラムは誰のものか——職務発明と職務著作

2026-09-26

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5秒でわかる結論

職務発明と職務著作を解説。特許を受ける権利の原始従業員帰属と無償の通常実施権(特許法35条1項)、平成27年改正の原始使用者帰属(35条3項)、相当の利益(35条4項)と差額請求(最三小判平成15年4月22日民集57巻4号477頁)、職務著作(著作権法15条)と外注時の著作権譲渡条項まで。

「勤務時間中に開発した技術は当然会社のもの」——特許の世界ではそうなりません。規程のない会社は、従業員の退職とともに中核技術の権利を失いかねません。

職務発明:原則は従業員のもの。従業員が職務上完成した発明(職務発明)について、特許を受ける権利は原始的に発明者=従業員本人に帰属します。会社が当然に得るのは無償の通常実施権のみ(特許法35条1項)——使えはしますが、独占できず、従業員が競合に売るのも止められません。

規程で会社に帰属させる。契約・勤務規則等の事前の定めにより会社が権利を取得できます。平成27年改正で、特許を受ける権利を初めから(原始的に)会社帰属とする定めが可能になりました(35条3項)。ただし対価が必要です:会社は従業員に「相当の金銭その他の経済上の利益」(相当の利益・35条4項)を与えなければなりません。勤務規則所定の対価が不合理・不足の場合、従業員は差額を請求できます(最三小判平成15年4月22日民集57巻4号477頁)。発明対価訴訟には億円単位の判決例もあり、大企業だけの問題ではありません。

相当の利益の設計。①出願時補償・登録時補償・実績補償の三段構成が一般的。②基準の策定時の従業員との協議、基準の開示、意見聴取——経済産業大臣の指針(35条6項)は手続の合理性を求めており、手続が適正なら金額の裁量は広がります。③製造業・開発型企業は就業規則または職務発明規程に必ず定めるべきです。

職務著作:著作権は逆。①法人等の発意②業務従事者が職務上作成③法人等の名義で公表④作成時の契約・勤務規則に別段の定めなし——の要件を満たせば、著作権は初めから会社に帰属します(著作権法15条1項)。プログラムの著作物はさらに広く、法人名義公表の要件が不要です(15条2項)。

外注の落とし穴。職務著作は自社の従業員にのみ適用されます。業務委託・外注先が開発したプログラム・デザインの著作権は受託者に帰属し、契約条項がなければ移転しません。委託開発契約には著作権(著作権法27条・28条の権利を含む)の譲渡条項と著作者人格権不行使条項を必ず入れてください。

※ 本記事は一般的な法律情報であり、個別の案件に対する法的助言ではありません。実際の案件については必ず弁護士にご相談ください。本記事の内容は記事作成日(2026-09-26)時点の法令・判例に基づくものであり、その後の法改正等により変わることがあります。

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