台湾人と日本人の結婚——手続の順序、氏、在留資格の変更
2026-05-18
5秒でわかる結論
日本側は婚姻届(民法739条)+婚姻要件具備証明書、台湾側は結婚登記——両方必要。氏は自動では変わらない(戸籍法107条2項で変更可)。「日本人の配偶者等」への変更は婚姻の真実性と生計が審査される。偽装婚は5年以下の拘禁刑。
台日間の婚姻は毎年多数あります。手続は複雑に見えますが、順を追えば明確です。「日本で先に届け出る」一般的なパターンで説明します。
手続の順序
- ①書類の準備:台湾人側は「婚姻要件具備証明書」(台北駐日経済文化代表処が発行)+戸籍謄本+訳文。日本人側は戸籍謄本です。
- ②市区町村への婚姻届:日本の婚姻は届出により成立します(民法739条)。受理されれば日本側では婚姻が有効に成立し、日本人の戸籍に配偶者が記載されます。
- ③台湾側の登記:日本の婚姻届受理証明書(+訳文)をもって台湾の戸政事務所で結婚登記をします(代表処経由も可)。台湾は2008年から登記婚主義のため、日本で届け出ただけで台湾の登記をしないと、台湾法上の効力に問題が残ります。必ず両方行ってください。
氏:自動的には変わらない
- 日本人同士の婚姻では夫婦同氏が必要ですが(民法750条)、外国人との婚姻にはこの規定は適用されません——2人とも氏は変わりません。
- 日本人配偶者が台湾人配偶者の氏に変えたい場合、婚姻の日から6か月以内なら市区町村への届出だけで変更でき、家庭裁判所の許可は不要です(戸籍法107条2項)。6か月を過ぎると家裁の許可が必要になります。
- 台湾人側は通称名(通名)の住民票記載を市区町村に申し出ることができ、日常生活や銀行で使えることが多いです。
在留資格:「日本人の配偶者等」
- 結婚しても在留資格が自動的に変わるわけではありません。入管に「日本人の配偶者等」への変更を申請します。審査のポイントは婚姻の真実性(交際の経緯・写真・やり取りの記録・質問書)と生計の安定性(収入・納税)です。
- 就労資格(技術・人文知識・国際業務など)のまま働き続けるなら変更しなくても構いませんが、配偶者資格は職種制限がなく、永住申請でも有利な身分系の資格です。
- 偽装結婚は重罪です:在留資格取得目的の偽装婚は公正証書原本不実記載罪(刑法157条。5年以下の拘禁刑)や入管法の虚偽申請の罪に当たり、仲介者も処罰されます。当然、在留資格の取消し・退去強制の対象です。ネット上の「お金で配偶者ビザを取る」という広告には絶対に関わらないでください。
※ 本記事は一般的な法律情報であり、個別の案件に対する法的助言ではありません。実際の案件については必ず弁護士にご相談ください。本記事の内容は記事作成日(2026-05-18)時点の法令・判例に基づくものであり、その後の法改正等により変わることがあります。