契約してしまったが撤回したい——日本の「クーリング・オフ」8日以内なら無条件解約
2025-07-02
5秒でわかる結論
訪問販売・電話勧誘は8日、マルチ商法は20日以内なら無条件解約(特定商取引法9条等)。ネット通販には原則クーリング・オフなし。2022年から電子メールでも行使可。書面不交付なら期間は進行しません。
訪問販売で浄水器の契約をしてしまった、路上で勧誘されてエステの高額コースに申し込んでしまった——日本にはクーリング・オフ制度があります。一定期間内なら無条件・理由不要で契約を解除でき、支払済みの金銭は全額返還されます。
期間と対象(特定商取引法)
- 8日間:訪問販売(飛び込み営業・キャッチセールス)、電話勧誘販売、特定継続的役務提供(エステ・学習塾・語学教室などの長期コース)、訪問購入(貴金属の押し買い)——特定商取引法9条・24条・48条・58条の14。
- 20日間:連鎖販売取引(マルチ商法)、業務提供誘引販売(「在宅ワークのためにまず教材を買う」型)——特定商取引法40条・58条。
- 期間は法定事項を記載した書面(契約書面)を受け取った日から起算します。書面が交付されない・記載に不備がある場合は期間が進行せず、契約から時間が経っていても解除できます。
重要な誤解:ネット通販にクーリング・オフはない
自分からネットで注文する通信販売には原則としてクーリング・オフがありません。返品はサイトの「返品特約」によります。特約の記載がない場合は商品到着から8日以内は返品可能(送料は自己負担)です(特定商取引法15条の3)。「ネット通販は8日なら返せる」は誤解で、注文前に返品条件を確認しましょう。
行使の方法
- 書面又は電磁的記録による通知で足ります(2022年6月から電子メール・ウェブフォームも可)。実務上ははがきのコピーを残して特定記録郵便か、送信記録の残る電子メールがおすすめです。
- 発信した時点で効力が生じます(発信主義)——期間最終日に発送しても間に合います。
- 効果は、全額返還、違約金・損害賠償の請求不可、商品引取費用は業者負担です(特定商取引法9条3項以下)。
- 業者が「この契約はクーリング・オフできない」と嘘を言ったり威迫して妨害した場合は、期間が改めて進行し直します(9条1項かっこ書)。
期間を過ぎても諦めないでください。不実告知・重要事項の故意の不告知があった契約は取消しが可能です(特定商取引法9条の3、消費者契約法4条)。迷ったら消費者ホットライン188(最寄りの消費生活センターにつながります)か弁護士に相談を。
※ 本記事は一般的な法律情報であり、個別の案件に対する法的助言ではありません。実際の案件については必ず弁護士にご相談ください。本記事の内容は記事作成日(2025-07-02)時点の法令・判例に基づくものであり、その後の法改正等により変わることがあります。