産前6週・産後8週——産前産後休業の完全ルールとお金の流れ
2025-06-06
5秒でわかる結論
産前6週・産後8週の産前産後休業(労基法65条)を解説。産前は請求制・産後は強制(6週経過後は本人請求+医師の許可で就業可)、出産手当金・社会保険料免除などお金の流れまで。
「パートに産休はない」「外国人は取れない」——どちらも誤りです。産前産後休業は労基法の強行規定で、雇用形態・国籍を問いません。
基本構造(労基法65条)
- 産前休業:出産予定日前6週間(多胎は14週間)——本人の請求制で、ぎりぎりまで働くことも可能です。
- 産後休業:産後8週間——強制です。本人が早く復帰したくても、産後6週間は絶対に就業させられません。6週間経過後は、本人の請求+医師が認めた業務に限り可能です(65条2項)。
- 対象:正社員・契約社員・パート・派遣——すべて適用。在留資格も問いません。
お金の流れ
- 出産手当金(健康保険):休業中、賃金の約3分の2(標準報酬日額×2/3×休業日数)。国民健康保険には原則この給付がなく、社保の適用外のパートは注意が必要です。
- 出産育児一時金:1児につき50万円(産科医療補償制度の対象外は48.8万円)——健保・国保どちらにもあります。直接支払制度で病院が直接受け取ります。
- 社会保険料の免除:産前産後休業中は健保・厚生年金の保険料が労使とも免除(健保法159条の3・厚年法81条の2)——免除期間も年金額に反映されます。国民年金の産前産後免除(4か月)もあります。
- その後は育児休業(原則1歳・最長2歳)+育児休業給付(最初の180日は67%)に切れ目なくつながります。
解雇からの保護
産前産後休業の期間+その後30日間は解雇が絶対的に禁止されます(労基法19条)——打切補償などの極めて狭い例外を除き、懲戒事由があっても解雇できません。さらに、妊娠・出産・休業請求を理由とする解雇・不利益取扱いは均等法9条違反です。雇止め(契約の不更新)も同様に9条3項の審査を受けます。
手続リスト
- 会社に産前休業の開始日を申し出る(出産予定日の証明)。
- 出産手当金の申請書(医師の証明欄)→健保組合・協会けんぽへ。
- 社会保険料免除の申出(会社経由で年金事務所)。
- 育児休業の申出(原則開始1か月前まで)。
※ 本記事は一般的な法律情報であり、個別の案件に対する法的助言ではありません。実際の案件については必ず弁護士にご相談ください。本記事の内容は記事作成日(2025-06-06)時点の法令・判例に基づくものであり、その後の法改正等により変わることがあります。