通勤中の交通事故——労災と加害者賠償の二本立て
2025-12-01
5秒でわかる結論
通勤中の交通事故(第三者行為災害)を解説。通勤災害の労災給付と加害者への損害賠償の二本立て、第三者行為災害届、求償・支給調整による二重取得の禁止、慰謝料・物損・特別支給金は調整対象外であること、労災先行が有利な場面、全部示談による労災打切りの落とし穴まで。
通勤中の交通事故は、通勤災害(労災保険)と加害者への損害賠償(民法709条・自賠責)の両制度が並行する「第三者行為災害」です。労基署への第三者行為災害届の提出が必要です。
調整のルール
- 同一の損害項目を両方から受け取ることはできず、労災先行なら政府が加害者へ求償し、賠償先行なら労災給付がその限度で支給調整されます。ただし慰謝料と物損は労災にない項目なので加害者側に全額請求でき、労災の特別支給金は調整対象外なので受け取り漏れに注意が必要です。
どちらを先に使うか
- 実務では自賠責先行が多いものの、加害者が無保険・過失割合に争いがある・自己の過失が大きい場合は、過失相殺のない労災先行(療養・休業給付本体)が安定します。
示談の落とし穴
- 加害者と全部示談(残余請求の放棄)をすると、その範囲で以後の労災給付は原則打ち切られます。後遺障害が残り得る事案では、示談前に労基署・弁護士への確認が不可欠です。
流れ
- ①警察(交通事故証明)②会社報告+第三者行為災害届③治療④休業補償の選択⑤症状固定後の後遺障害等級認定⑥示談は最後、の順序を守ることが損をしない鍵です。
※ 本記事は一般的な法律情報であり、個別の案件に対する法的助言ではありません。実際の案件については必ず弁護士にご相談ください。本記事の内容は記事作成日(2025-12-01)時点の法令・判例に基づくものであり、その後の法改正等により変わることがあります。