「親の介護で働けない」——辞める前に。介護休業93日と2025年の新義務
2026-05-09
5秒でわかる結論
介護休業は対象家族1人につき通算93日・3分割可、給付67%。台湾にいる親も対象。2025年4月から介護の申出への個別周知・意向確認が会社の義務に。「介護で退職」の前に知るべき制度一覧。
「母が倒れた。台湾に戻って介護するしかない——退職します」。待ってください。日本の育児介護休業法には一式の制度が用意されており、2025年4月からは会社が制度を説明する義務まであります。介護離職は労使双方の損失で、制度はそれを避けるために存在します。
制度のメニュー
- 介護休業:要介護状態の対象家族1人につき通算93日・3回まで分割可。雇用保険の介護休業給付金は賃金の67%。対象家族は配偶者・父母・子・配偶者の父母・祖父母・兄弟姉妹・孫——台湾にいる親も対象です(家族の国内居住は要件ではありません)。
- 介護休暇:年5日(対象家族2人以上なら10日)、時間単位取得可。
- 所定外労働の免除(残業免除)・深夜業の制限・時間外労働の制限。
- 選択的措置義務:時短・フレックス・時差出勤・費用援助のいずれかを会社は用意する義務(利用開始から3年以上)。
2025年4月改正——会社の新しい義務
- 従業員から家族の介護の申出があったときの、介護休業・両立支援制度の個別周知・意向確認義務。
- 40歳前後の従業員への介護保険・両立支援制度の早期情報提供義務。
- 研修・相談窓口などの雇用環境整備義務。
- テレワークの努力義務。
「本人が言わなかったから知らなかった」はもう通りません——制度説明は会社の法定義務です。
不利益取扱いの禁止
介護休業等の申出・取得を理由とする解雇・降格・減給は違法です(育介法16条)。「93日も休むなら辞めたら」という発言自体が違法な退職勧奨の証拠になります。
実務のヒント
- 労働者側:93日は「介護体制を整えるための期間」です——介護サービス探しや遠距離介護の段取りに使い、自分で全部介護しようとしないこと。地域包括支援センターが最初の窓口です。
- 会社側:突然の介護離職の損失は93日の休業よりはるかに大きい。まず制度の一覧表を渡し、それから業務の調整を話し合うのが得策です。
※ 本記事は一般的な法律情報であり、個別の案件に対する法的助言ではありません。実際の案件については必ず弁護士にご相談ください。本記事の内容は記事作成日(2026-05-09)時点の法令・判例に基づくものであり、その後の法改正等により変わることがあります。