退勤から翌日の出勤まで何時間空けるべきか——「勤務間インターバル」はまだ努力義務
2026-02-11
5秒でわかる結論
勤務間インターバル制度(労働時間等設定改善法2条・努力義務)を解説。36協定の上限規制・安全配慮義務(電通事件)・労災認定基準のインターバル考慮による間接的保護、就業規則に定めた場合の義務化まで。
深夜23時まで残業し翌朝9時出勤——間は10時間、通勤・入浴・食事を引けば睡眠はわずかです。EU法は「連続11時間の休息」を保障しますが、日本はどうでしょうか。
日本は現在「努力義務」
2018年の働き方改革関連法により、勤務間インターバル(終業時刻から翌日の始業時刻までの間に一定時間の休息を確保すること)が労働時間等設定改善法2条に規定され、2019年4月から事業主の努力義務となりました。導入しなくても罰則はなく、法定の最低時間数もありません。導入企業の多くは9〜11時間で設定しています。
間接的な保護
- 36協定の上限規制:時間外労働は原則月45時間・年360時間、特別条項でも月100時間未満(休日労働含む)・2〜6か月平均80時間以内の絶対上限があります(労基法36条)。
- 安全配慮義務:会社は労働者の生命・健康への注意義務を負います(労働契約法5条)。短インターバル勤務の連続による健康悪化を放置すれば、過労疾病発生時に損害賠償責任を負います(電通事件・最二小判平成12年3月24日民集54巻3号1155頁の法理)。
- 労災認定基準:脳・心臓疾患の認定基準(令和3年9月14日基発0914第1号)は「勤務間インターバルが短い勤務」を労働時間以外の負荷要因として明記し、おおむね11時間未満の勤務の頻度等が調査されます。
就業規則に定めがあれば義務になる
会社がインターバル制度を導入し就業規則に定めた場合は、努力義務ではなく契約上の義務です。違反には就業規則違反を主張できます。働き方改革推進支援助成金を使って導入した会社には申請内容の遵守義務もあります。
実務アドバイス
- 連日の深夜勤務+早朝出勤の状態は記録に残す(タイムカード・メッセージ履歴)。残業代請求と安全配慮義務違反の主張、双方の証拠になります。
- 体調不良は早めに受診し勤務実態を伝える——診療記録が因果関係の証拠になります。
※ 本記事は一般的な法律情報であり、個別の案件に対する法的助言ではありません。実際の案件については必ず弁護士にご相談ください。本記事の内容は記事作成日(2026-02-11)時点の法令・判例に基づくものであり、その後の法改正等により変わることがあります。