文字

社名・店名・ブランドの守り方——商号登記と商標登録は別物です

2025-08-21

閱讀本文中文版 →

5秒でわかる結論

社名・店名・ブランドの保護を解説。商号登記の限界(商業登記法27条・会社法8条)、不正競争防止法2条1項1号・2号の周知・著名表示の保護、商標の先願主義(商標法8条)と登録による全国的独占(25条)、J-PlatPat検索と出願の勧めまで。

「会社名は登記したから他人は使えないはず」——よくある誤解です。商号登記と商標登録は全く別の制度で、保護範囲が大きく異なります。

商号登記が防げるもの。商業登記法27条が禁じるのは「同一の所在場所」における同一商号の登記だけです。住所が違えば、隣のビルに同名の会社が設立できてしまいます。会社法8条は不正の目的をもって他の会社と誤認されるおそれのある名称の使用を禁じ、差止請求を認めますが、「不正の目的」の立証が必要でハードルは低くありません。

不正競争防止法による保護。①周知表示の混同惹起行為(2条1項1号):需要者の間に広く認識された商品等表示と同一・類似の表示を使用して混同を生じさせる行為。差止め(3条)と損害賠償(4条)を請求できます。②著名表示の冒用(2条1項2号):著名表示は混同の立証なしに差止め可能。ただし「周知」「著名」の立証が必要で、立ち上げ直後の店名は保護されません。

商標登録が本命。商標法は先願主義(8条1項)——先に出願した者が勝ち、先に使った者ではありません。登録されれば指定商品・役務の範囲で全国的な独占権(25条)を、知名度の立証なしに得られます。逆に、10年使った店名でも他人に先に商標登録されると、使用差止めを求められるリスクがあります(先使用権〔32条〕は出願時に周知であったことの立証が必要)。

実務の勧め。①新しい店名・ブランドは決定前に特許庁「J-PlatPat」で先行商標を検索。②主力の区分だけでも出願(出願料1区分12,000円+登録料。弁理士委託でも通常数万円)。③存続期間は10年で更新可能(19条)。④模倣を発見したら、相手の看板・サイト・メニューの証拠を日付とともに保全してから警告書を送る。ブランドが育ってから商標を先取りされていたことに気づく例は毎年あります。出願は数万円の保険、事後の紛争は数百万円の訴訟です。

※ 本記事は一般的な法律情報であり、個別の案件に対する法的助言ではありません。実際の案件については必ず弁護士にご相談ください。本記事の内容は記事作成日(2025-08-21)時点の法令・判例に基づくものであり、その後の法改正等により変わることがあります。

← 記事一覧に戻る

企業・経営者の方のご相談

労働問題(懲戒・解雇、ハラスメント対応、残業代等)や不動産に関するご相談は、
メールでご連絡ください。

bengoshun@gmail.com

Threads(@bengoshun)のDM でのご連絡も可能です。

※ 本サイトは山﨑駿個人の情報発信サイトです。ご連絡内容は秘密として取り扱います。