休職中の従業員に、どの頻度で連絡すればハラスメントにならないか——窓口・近況報告・診断書のルール
2026-01-12
5秒でわかる結論
休職中の連絡ルールを解説。復職判断の材料収集としての適度な連絡の必要性、窓口の人事一元化(直属上司を外す)、月1回程度の近況報告・定期診断書提出条項と費用負担、健康情報=要配慮個人情報(個人情報保護法2条3項)の取得同意と社内共有の最小化、復職フローの定型化(診断書→産業医面談→主治医照会→試し出勤→判定)と生活記録表まで。
休職が始まると、完全に放置して満了直前に慌てるか、上司が頻繁に「調子はどう」「いつ戻れる」と連絡して主治医に療養妨害と指摘されるか、両極端になりがちです。休職中の連絡にはルールが要ります。
なぜ連絡が必要か——復職判断の材料
私傷病休職は解雇猶予制度であり、満了時に治癒の判断が避けられません。療養経過の情報なしに満了時だけ判断しようとするのが最も紛争になりやすい。適度な連絡は邪魔ではなく制度運用の必要部分で、問題はやり方です。
実務の設計
- 窓口の一元化:連絡窓口は人事に(直属上司にしない)。上司個人の頻繁な連絡は最大の紛争源。不調の原因が上司にあるなら絶対に避ける。
- 頻度:病状にもよるが月1回程度の近況報告が目安。急性期は少なく、復職準備期は漸増。休職開始時に頻度と方法(メール・書面)を合意しておく。
- 定期診断書:就業規則に「休職中は定期的(1〜3か月ごと等)に診断書を提出する」と定める。費用負担(原則本人、会社都合の追加受診は会社負担)も決めておく。
- 記録化:連絡の日時・内容を残す。満了退職や復職可否の争いでは「会社が誠実に療養状況を把握していたか」が見られる。
健康情報は要配慮個人情報
病名・診断書・療養状況は個人情報保護法2条3項の要配慮個人情報です。取得には本人同意、社内共有は必要最小限(人事・産業医等)にとどめ、職場に病名を言い回らない。主治医照会も本人同意が前提。この取扱いを誤ること自体が慰謝料の根拠になり得ます。
復職前の準備
- 復職申出後のフローを定型化:診断書→産業医面談→(必要に応じ)主治医照会→試し出勤→復職判定会議。
- 生活記録表(起床・外出・睡眠)はメンタル疾患の復職判断の定番ツール。復職準備期に本人に記録してもらう。
- 復職後も1・3・6か月の定期面談で安定性を観察する。
※ 本記事は一般的な法律情報であり、個別の案件に対する法的助言ではありません。実際の案件については必ず弁護士にご相談ください。本記事の内容は記事作成日(2026-01-12)時点の法令・判例に基づくものであり、その後の法改正等により変わることがあります。