文字

外国人従業員への社宅提供——「無料の寮」は税と社会保険では「給与」です

2026-08-29

閱讀本文中文版 →

5秒でわかる結論

社宅提供と課税を解説。賃貸料相当額の算式(所得税基本通達36-41)と50%以上負担での非課税、無償提供は現物給与として源泉徴収、現金の住宅手当は全額課税、社会保険は厚労大臣告示の現物給与価額で別計算、寮費控除の労使協定(労基法24条)まで。

来日直後の外国人は部屋を借りにくく、社宅提供は定番の福利厚生です。しかし無償の寮は税・社会保険の世界では給与であり、処理を誤ると税務調査で源泉所得税の追徴+不納付加算税が待っています。

所得税:賃貸料相当額の50%ルール。賃貸料相当額は、①建物の固定資産税課税標準額×0.2%、②12円×(床面積㎡÷3.3㎡)、③敷地の固定資産税課税標準額×0.22%の合計(所得税基本通達36-41)で、実務上は市場家賃の1〜2割程度になるのが通常です。従業員が賃貸料相当額の50%以上を負担すれば差額は非課税(36-47)。例えば市場家賃10万円・賃貸料相当額1.5万円なら、7,500円以上の本人負担で残り全部が非課税です。完全無償だと賃貸料相当額の全額が現物給与として源泉徴収の対象になります。なお、会社契約を介さず現金で住宅手当を払うと全額課税——借上社宅方式が税務上圧倒的に有利です。

社会保険は別基準。健康保険・厚生年金の報酬算定では、厚生労働大臣告示の現物給与価額(都道府県別・居住用の畳数単価)を使います。本人負担が告示価額を下回る差額は報酬月額に算入——所得税で非課税の社宅でも標準報酬が上がることがあります。

外国人雇用特有の注意。①寮費の給与控除には労使協定(労基法24条・賃金全額払原則の例外)と本人同意が必要で、労働条件明示にも記載を。②過大な控除(市場家賃の数倍等)は実質的な最低賃金法違反と評価され、技能実習・特定技能の監査でも重点項目です。③特定技能・育成就労では住居確保支援が義務的支援に含まれ、広さの基準等の指針があります。④退職時の明渡し:社宅使用契約書は雇用契約と別に締結し、退職後の退去期限(1か月等)を明記してください。

※ 本記事は一般的な法律情報であり、個別の案件に対する法的助言ではありません。実際の案件については必ず弁護士にご相談ください。本記事の内容は記事作成日(2026-08-29)時点の法令・判例に基づくものであり、その後の法改正等により変わることがあります。

← 記事一覧に戻る

企業・経営者の方のご相談

労働問題(懲戒・解雇、ハラスメント対応、残業代等)や不動産に関するご相談は、
メールでご連絡ください。

bengoshun@gmail.com

Threads(@bengoshun)のDM でのご連絡も可能です。

※ 本サイトは山﨑駿個人の情報発信サイトです。ご連絡内容は秘密として取り扱います。