「自爆営業」はパワハラ——自腹購入の強要の法的整理
2025-07-11
5秒でわかる結論
「自爆営業」(自腹購入の強要)を解説。パワハラ「過大な要求」類型該当、賃金全額払原則(労基法24条)と天引きの違法、賠償予定の禁止(労基法16条)、強要罪の射程、季節商品ノルマ・自社商品加入強要の典型例、証拠と損害賠償・未払賃金請求、会社側の境界線まで。
ノルマ未達分を自費で買わせる「自爆営業」は違法であり、パワハラに該当します。
違法性の構造
- パワハラ該当:優越的関係を背景とした、業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動(労働施策総合推進法30条の2)の「過大な要求」類型の典型で、厚労省の整理でも問題事例とされています。
- 賃金全額払の原則(労基法24条):購入代金の天引きは労使協定なしには直ちに違法です。
- 賠償予定の禁止(労基法16条):「売れ残りは担当者買取り」の定め自体が無効です。
- 脅迫を伴う悪質な態様は強要罪(刑法223条)の射程に入ります。
典型場面
- 季節商品(年賀状・恵方巻等)のノルマ、自社保険商品への加入強要、制服代わりの自社服購入など。業務上必須の服装費用はそもそも会社負担側の問題です。
労働者側:証拠と請求
- 購入指示や叱責のメッセージ、レシート・カード明細、同僚の同種被害を集め、購入代金相当額の損害賠償+慰謝料(民法709条・715条)、天引き分の未払賃金を請求できます。労基署と労働局の両窓口が使えます。
会社側の境界線
- 販売目標の設定自体は適法です。違法化の分水嶺は、未達時の購入強要・人事上の不利益との連動・公開の叱責です。「自主的購入」の建前でも拒否困難な同調圧力があればハラスメントと評価されます。
※ 本記事は一般的な法律情報であり、個別の案件に対する法的助言ではありません。実際の案件については必ず弁護士にご相談ください。本記事の内容は記事作成日(2025-07-11)時点の法令・判例に基づくものであり、その後の法改正等により変わることがあります。