従業員退職時の住民税処理——一括徴収義務・普通徴収切替・外国人帰国者の注意点
2026-06-27
5秒でわかる結論
従業員退職時の住民税処理を解説。1月1日〜4月30日退職は最後の給与・退職金からの一括徴収義務、6月1日〜12月31日退職は普通徴収切替か本人申出による一括徴収、給与所得者異動届出書は翌月10日まで、外国人帰国者の納税管理人まで。
従業員の退職後、市区町村から住民税の催告が来て手続漏れに気づく——住民税の退職時処理には明確なルールがあり、漏らすと会社が徴収義務を問われかねません。
住民税は「後払い」の税金
住民税は前年の所得に課税され、6月から翌年5月まで12回に分けて給与から天引きされます(特別徴収)。退職時には、その年度の残り税額の処理が必要です。
退職時期別の処理(地方税法321条の5)
| 退職日 | 処理 |
|---|---|
| 6月1日〜12月31日 | 原則普通徴収に切替(本人が自分で納付)。本人の申出があれば最後の給与・退職金から一括徴収可 |
| 1月1日〜4月30日 | 会社に一括徴収義務(最後の給与・退職金が残税額を超える場合。不足なら普通徴収) |
| 5月退職 | 5月分を通常どおり徴収して終了 |
手続:給与所得者異動届出書
退職の翌月10日までに、従業員が住む市区町村へ「給与所得者異動届出書」を提出します。転職先が決まっていれば特別徴収の継続(新しい会社への引継ぎ)も可能です。提出を漏らすと、会社が徴収義務者のままと扱われ続けます。
外国人従業員が帰国するとき
- 帰国後は市区町村が本人に催告できないため、実務上は一括徴収を強く推奨。
- 1月1日時点で日本に住所がある人には当年度の住民税が課税されます。「帰国すれば払わなくてよい」は誤解です。
- 一括徴収しきれない場合、本人が市区町村に納税管理人(納税手続を代わりに行う人)を届け出る必要があります。
- 退職金の住民税は「現年分離課税」で、支払時に会社が計算・特別徴収します。前年所得分とは別の仕組みです。
経営者のチェックリスト
- 退職日の確定→一括徴収義務の有無を判定。
- 最後の給与・退職金で足りるか。不足なら早めに普通徴収へ切替。
- 異動届出書を翌月10日までに提出。
- 外国人の帰国者には原則一括徴収+納税管理人制度の説明。
※ 本記事は一般的な法律情報であり、個別の案件に対する法的助言ではありません。実際の案件については必ず弁護士にご相談ください。本記事の内容は記事作成日(2026-06-27)時点の法令・判例に基づくものであり、その後の法改正等により変わることがあります。