外国人従業員の妊娠——産休・育休の権利、雇止めの禁区、在留資格への影響
2025-10-29
5秒でわかる結論
外国人従業員の妊娠・出産対応を解説。産前産後休業(労基法65条)・育児休業(育介法・有期要件は2022年4月改正で緩和)は在留資格を問わず適用、妊娠を理由とする解雇・雇止めは均等法9条3項・4項で無効リスク、産休育休中の在留期間更新、子の出生後30日以内の在留資格取得手続まで。
「有期だから満了で終わり」「育休を取るとビザに響く」——どちらも誤解です。
1 産休・育休に国籍は関係ない
- 産休(労基法65条):産前6週・産後8週。有期・パート・外国人すべて適用。
- 育休:有期契約者の要件は2022年4月改正で「引き続き雇用1年以上」が廃止され(労使協定による1年未満除外は可)、「子が1歳6か月に達する日までに契約満了・不更新が明らかでないこと」のみ。
- 出産手当金(健保)・育児休業給付(雇用保険)も加入していれば同様に受給できる。
2 雇止め・解雇の禁区
- 妊娠・出産・産休請求を理由とする不利益取扱いは禁止(均等法9条3項)。
- 妊娠中・産後1年以内の解雇は、他の理由の証明がなければ無効(同条4項)。
- 妊娠報告直後の「たまたま満了」の雇止めは妊娠理由と認定されるリスクが高い。更新基準・評価記録で説明できる状態に。
3 在留資格
- 「3か月以上活動を行っていない」ことは在留資格取消事由だが、正当な理由があれば該当しない。産休・育休は典型的な正当理由。
- 育休中の在留期間更新は在職証明(雇用継続中・育休中・復職予定日)で対応。会社は証明書の発行を渋らないこと。
- 日本で生まれた子は30日以内に在留資格取得申請(父母とも外国人の場合)。出生届・在留資格・健保加入をセットで案内する。
4 経営者へ
対応は日本人と同じ——それが答えです。違いは在留資格関係の証明書と子の手続だけ。「外国人・有期だから」の安易な雇止めこそが紛争の入口です。
※ 本記事は一般的な法律情報であり、個別の案件に対する法的助言ではありません。実際の案件については必ず弁護士にご相談ください。本記事の内容は記事作成日(2025-10-29)時点の法令・判例に基づくものであり、その後の法改正等により変わることがあります。