放置した空き家の外壁が落ちて通行人にケガ——所有者の無過失責任
2025-12-31
5秒でわかる結論
建物の瑕疵で他人に損害を与えた場合、所有者は無過失責任を負います(民法717条・工作物責任)。空家対策特措法の特定空家指定→勧告で固定資産税特例が解除。海外在住オーナーの管理実務。
「東京の実家が空き家だが、とりあえずそのまま」——日本の空き家放置は、想像以上に重い法的リスクを伴います。
人に当たれば所有者の責任——しかも無過失責任
民法717条(工作物責任):土地の工作物の設置・保存の瑕疵により他人に損害が生じた場合、第一次的には占有者が責任を負い、占有者が必要な注意を尽くしていたときは所有者が責任を負います。所有者の責任は無過失責任で、免責の余地がありません。
- 外壁・瓦の落下による通行人の負傷、塀の倒壊による隣家車両の損壊、火災の延焼(空き家は放火の標的にもなります)——賠償は数千万円規模になり得ます。
- 台湾在住で「傷んでいるのを知らなかった」は抗弁になりません。所有していること自体に責任が付いてきます。
空家対策特別措置法の流れ
- 倒壊の危険・衛生上有害・景観を著しく損なう等の空き家は、市区町村が特定空家等に指定。2023年改正で前段階の管理不全空家も新設されました。
- 指導→勧告(固定資産税の住宅用地特例の解除=税額最大6倍方向)→命令(違反に過料)→行政代執行(強制解体・費用は所有者から徴収)。
海外在住オーナーの管理実務
- 管理会社への定期巡回委託(月1回の換気・通水・写真報告で月数千円〜のサービスがあります)。
- 火災保険・施設賠償責任保険の継続を確認(空き家は引受不可や専用商品になる場合があります)。
- 登記上の住所・連絡先の更新(海外転居後に市区町村からの通知が届かないのが、放置悪化の典型的な起点です)。
- 使わないなら早めに手放す:売却・解体・空き家バンク。「いつか考える」のコストは毎年上がっています。
※ 本記事は一般的な法律情報であり、個別の案件に対する法的助言ではありません。実際の案件については必ず弁護士にご相談ください。本記事の内容は記事作成日(2025-12-31)時点の法令・判例に基づくものであり、その後の法改正等により変わることがあります。