台湾の親・家族を扶養控除に入れられるか——国外居住親族の厳格な要件
2026-03-12
5秒でわかる結論
台湾の親・家族を扶養控除に入れることは可能だが要件が厳格。親族関係書類(戸籍謄本+訳文)と送金関係書類が必須。2023年から30〜69歳の国外居住親族は原則対象外(留学生・年38万円以上送金等の例外あり)。手渡しの生活費は認められない。
「毎月台湾の両親に仕送りしているが、節税になるか」——なります。国外居住の親族も扶養控除に入れられます(1人38万円〜、70歳以上の老人扶養親族は48万円の所得控除)。ただし税務署から国外は見えないからこそ、書類要件は国内の扶養よりはるかに厳格です。
基本要件
- 対象:6親等内の血族・3親等内の姻族(配偶者は別途配偶者控除)、生計を一にしていること、親族の年間所得48万円以下(台湾で働いて収入のある親族は通常対象外)。
- ①親族関係書類:台湾の戸籍謄本など+日本語訳(あなたとその親族の関係と生存を証明できるもの)。
- ②送金関係書類:銀行の送金記録・クレジットカード(家族カード)の利用明細など、その年に「その人」へ支払ったことの証明です。重要な点:帰国時の現金の手渡し・友人への託送・地下送金はすべて認められません。「母」への送金を「父」の送金証明と兼ねることもできません——1人ずつ分けて送金するのが鉄則です。
2023年からの厳格化:30〜69歳は原則対象外
税制改正(2023年1月適用開始)により、30歳以上70歳未満の国外居住親族は原則として扶養控除に入れられなくなりました。例外は、①留学生(ビザの写し等で証明)、②障害者、③その年にあなたから合計38万円以上の送金を受けた人です。つまり壮年の兄弟姉妹や70歳未満の親を扶養に入れるには、年38万円以上の送金記録が実務上必須です。70歳以上の親は一般の要件に戻ります(送金関係書類は引き続き必要)。
実務上の注意
- 年末調整で会社に上記書類を提出します(扶養控除等申告書への記載+書類の添付・提示——所得税法194条)。会社が書類を確認せずに通しても、後で税務署に指摘されれば従業員本人への追徴です(加算税・延滞税を含め、数年さかのぼられることもあります)。
- 国外扶養の過大申告は税務署の重点チェック項目です——「台湾までは調べられないだろう」は過去の発想で、送金記録はすべて見えています。
- 住民税も連動します:扶養親族の数は非課税判定などに影響します。
- 経営者側へ:外国人従業員の扶養申告の書類は規定どおり揃えて確認してください(源泉徴収義務者の確認義務)。漏れると、不納付加算税や源泉所得税の追徴はまず会社に来ます。
※ 本記事は一般的な法律情報であり、個別の案件に対する法的助言ではありません。実際の案件については必ず弁護士にご相談ください。本記事の内容は記事作成日(2026-03-12)時点の法令・判例に基づくものであり、その後の法改正等により変わることがあります。