テレワーク規程の作り方——費用負担・労働時間・労災、必ず書くべき3か所
2026-03-22
5秒でわかる結論
テレワーク規程の整備を解説。通信費・電気代を労働者負担とするなら就業規則記載が必要(労基法89条5号)、労働時間管理(中抜け・部分在宅)、自宅執務中の労災、テレワークガイドライン(令和3年改定)の要点、通勤手当の改定まで。
「コロナ後もなんとなく在宅勤務を継続、ルールは……なんとなく」——規程のないテレワークは、費用トラブル・残業代トラブル・労災認定の場面で、すべて会社の弱点になります。
必須1:費用負担(労基法89条5号)
労働者に費用(通信費・電気代・機器)を負担させる場合、就業規則への記載が必須です。実務の選択肢:
- 在宅勤務手当(月額定額。例:月3,000〜5,000円)——注意:定額手当は原則割増賃金の算定基礎に入ります
- 実費精算(通信費の日数按分など。国税庁が非課税の計算方法を整理しています)
- 機器貸与(会社PCの貸与が原則——セキュリティ上も)
通勤手当を実出勤日数の実費支給に変える場合は労働条件の変更です——支給要件の規定ぶりを確認し、必要なら不利益変更の手順を踏みます。
必須2:労働時間
- 在宅でも通常の労働時間規制が適用されます:打刻(システム登録・ログイン記録)は通常どおり、客観的把握義務(安衛法66条の8の3)も免除されません。
- 中抜け(育児・私用の中座):時間単位年休・休憩時間の拡充・終業繰下げなどの処理を明文化(ガイドライン)。
- 残業の事前許可制:在宅の隠れ残業が最大リスク——許可制+深夜・休日労働の原則禁止+接続時間のモニタリング。
- 事業場外みなしの適用要件は厳格(随時連絡可能な通常の在宅は非該当)——安易に使わない。
必須3:労災・安全衛生
- 自宅執務中の災害も、業務遂行性・起因性があれば労災が成立します(典型例:作業中にトイレに立って戻る際の転倒が認定)。私的行為中の負傷は対象外——境界が曖昧なだけに、勤務時間・場所の記録が重要です。
- 作業環境の確認(照明・机椅子などのセルフチェックリスト)・長時間労働と孤立への健康管理(オンライン面談)。
その他の整備事項
対象者基準(職種・勤続)、申請承認手続、情報セキュリティ(紙の持出し・公衆無線の禁止・のぞき見防止)、費用負担、出社命令の可否(規程上の留保)、人事評価基準の透明化。厚労省「テレワークガイドライン」(令和3年3月改定)が設計の基準文書です。
※ 本記事は一般的な法律情報であり、個別の案件に対する法的助言ではありません。実際の案件については必ず弁護士にご相談ください。本記事の内容は記事作成日(2026-03-22)時点の法令・判例に基づくものであり、その後の法改正等により変わることがあります。